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本アピールの署名者たる地球市民は、UNESCOの主導により結集し、以下につき意識を高め、責任を有する。 1980年代初頭より、医学と科学の関係者は、SIDA(後天性免疫不全症候群)の原因であるVIH(ヒト免疫不全ウイルス)という新たなウイルスの、急激な出現に注目している。 この緊急事態が生じてから、複数の統計から厳しい内容が指摘されている。OMS(世界保健機関)は8百万−1千万人の成人、そのうち6百万人がアフリカ・サブサハラ地域の成人と、百万人の小児が既にこのウイルスに感染し、現在の予測では、西暦2000年には約4千万人と男女と子供が感染すると推定される。 来る10年間に5百万−1千万の小児が感染母体から生まれ、1千万−1千5百万の子供がSIDAにより親を失うことを強調する。 国際社会、政府間機関、政府、及び非政府組織には、OMSの調整によって進められるSIDA防圧のための世界計画によって、この世界的流行を阻止する試みを求める。 この世界的流行は、取り分け発展途上国、特にアフリカ大陸の国々に、より深刻な影響を齎らしていること、既に困難な状況にある数百万にのぼる男女が窮地に追い込まれていること、彼らの尊厳が冒され、身体的道徳的な不調に苛まれていること、彼らの生活と将来の希望が蝕まれていることを喚起する。 数百万もの若年および中年の成人が、発展途上国の取り分け最貧国で、経済的、社会的、政治的に不安定な状況に追い込まれていることを、憂慮をもって注目している。 数百巻万の人々を孤立状態、心身の病、差別から解放すること、この世界的流行が人類の未来を根底から揺さ振っていること、延いては社会の安定、文化の尊重、環境の保護、教育の義務、民主主義の定着、発展への希望までを脅威に曝すことを、世界に向けて喚起したい。 この脅威への意識をもって、OMSによって国際的に進められる活動を強化し、文化、社会、関係する人々を支援する観点からの、政治的、学際的な世界規模の決断を望む。 UNESCOがこれを支援するために、専門家や倫理調査団の派遣はOMS側への貢献となり、国家間、市民間、及びSIDAと闘う人々の間の連帯を飛躍させるものとなる。 決議 この災禍に対して、最も被害の大きいアフリカ諸国の、特に最貧国でのSIDA制圧のための国家計画に、予防教育の強化、科学研究の組織作り、特に授業料の負担による孤児の支援で貢献することで立ち向かおうとする男女に、寛大を要請する。 |