ザンビア

ザンビア共和国でのJICA-NGO連携
プライマリー・ヘルスケア・プロジェクトの調査報告

調査派遣者 近藤 麻理
AMDA Journal 2001年 5月号より掲載

 私は今回の調査から、ジョージ地区における住民組織の自立発展と継続の可能性は高く、PHCプロジェクト終了2002年3月までの一年間で、次のような住民組織の強化により安定した住民活動が可能となると考えました。@ヘルスプロモーションキャンペーンによる地域活性化の継続、A住民参加型ワークショップの開催、B行政側から住民への支援、C住民組織運営能力をつける、DヘルスセンターとNGOからの継続的支援、E人材の育成の6点です。このようなことは、短期間しか関わることのなかった私が言うまでもなく、現地の専門家たちはすでに動き出していることでしょう。

KOSHU有料トイレの正面に描かれた絵

 さてAMDAザンビアはどのような活動を展開してきたのでしょうか。1998年9月よりスタートし、PHCプロジェクトの社会開発分野における連携を行っています。その目的は、ジョージ地区で生活する人々の健康状態の改善と、貧困問題への取り組みにあります。また現在の主な活動は、@洋裁教室、A識字教育、Bコミュニティー農園運営、Cマイクロクレジット(小規模融資はバウレニ地区で実施)の4つの活動が実施されています。特にコミュニティー農園の運営に関しては、昨年度より試行錯誤を繰り返しながら作物を育ててきました。私の滞在中には、青々とした大豆が立派に成長していました。これをどのように換金していくか、販路を見つけることは住民だけでは行えません。ですから今後、住民としっかりした話し合いを持ち、その運営方針を打ち出すことが期待されていると言えます。

 今年度は、ジョージ地区に職業訓練センターを建設する予定があります。今まで継続してきた洋裁教室や識字教育に加えて、住民が貧困から抜け出せることができるようなプログラムが実施されると思います。また、これによりマイクロクレジット利用者も増加すると予測できます。今まで大切にそして地道に実施してきたことが、住民と共に大きく花開こうとしている時期になるのでしょうか。5月頃からは、青年海外協力隊の農村開発専門の方がAMDAザンビアで活動すると聞いています。

 JICAの実施するPHCプロジェクト終了後も、AMDAザンビアは現地に残り支援を続けるでしょう。AMDAザンビアではジョージ地区出身者が活動しています。ですから、自分たちの問題として取り組むことができているのだと思うのです。スタッフの熱意とプロフェッショナルな仕事ぶりには本当に頭が下がりました。昼食で一緒に主食のシマを食べながら熱く語ってくれたことは忘れられません。しかし私が、再訪することはあまり歓迎されていないようで「日本人は仕事のしすぎだ」と言われてしまいました(笑)。今後のますますの発展と成長を期待しています。

 数年前には停滞していた住民組織の活動が、1年程前から様々な住民組織やNGOを巻き込む形で活発になり形としてやっと見えるようになってきたようです。人材が育つことを根気よく待たなくてはならないプライマリー・ヘルスケア(PHC)の性質上、地域住民の人材が成長し組織が形を整えるまでには長い時間がかかります。今、住民組織のリーダーがようやく育ち始めた段階で、このような地域に根ざしたPHCプロジェクトを期間だからと終了してしまうことは非常に残念なことだと思います。是非、プロジェクトの延長、あるいは第2フェーズへの速やかな移行を望みます。

 最後に、今回NGO等連携強化費事業にて現地へ調査派遣くださったJICAとAMDA関係者の方々に深くお礼申し上げます。また、現地の住民組織やNGOで活動する皆様の暖かい心に感謝いたします。そして、PHCプロジェクトで活躍されている専門家の皆様には本当にお世話になり励ましていただきました。心からお礼申し上げます。

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