ザンビア

AMDAザンビア活動

AMDA International Zambia インターン
和 田  崇
AMDA Journal 2000年 10月号より掲載

● 活動の概要

 現在AMDAザンビアはJICA-PHC(Primary Health Care)や、地域に多く存在する住民組織との協力のもと、首都ルサカにある22のコンパウンド (スラム)の中でもジョージ、バウレニという二つのコンパウンドで活動を行っている。ジョージはルサカでも最大のコンパウンドで、ごみの路上への放置、栄養不良、人口過密からくるコレラ・結核の蔓延など多くの問題を抱えている。

ジョージで現在AMDAが行っている活動は、識字教育、洋裁教室、小規模融資、コミュニティー農園の四つである。バウレニはルサカにあるコンパウンドの中でも大きい方ではないが、住民組織からの要請でなされているJICAスタディーチームの小規模融資の活動が、ジョージでの経験のある我々に委託されている。以下にそれぞれの活動を説明したい。

● 識字教育

 識字教育はジョージの住民組織からなる保健指導員を対象になされてい る。保健指導員たちはJICA-PHCから衛生面での教育を受けているが読み書 きが出来ないため、より円滑に住民への指導が進められるようにAMDAザ ンビアが彼女ら(現在の生徒は一人を除いて女性)に識字教育を行ってい る。1998年末からの第一期クラスではルサカの現地語であるニャンジャ語の 読み書きが教えられていたが、第一期生の卒業後、2000年4月から開かれた 二期目のクラスでは英語の読み書きが教えられている。

なぜなら保健指導員たちが文字 を読む必要のある場合、例えば薬の表示を見る際、大抵のものは英語で書かれているため である。ザンビアには約73の部族、そしてほぼ同じだけの言語が存在し、英語が公用語として 話される。しかし現在この教室に通う生徒の大半はもともとほとんど英語が話せない ため、現在この教室の目的は識字教育というだけでなく英語の習得も兼ねたものになっており、第一期の 卒業生の中にはつづいて二期目の英語教室の方にも通う者もいる。

 ルサカでは毎年9月に「大人の識字教育の日」が設けられ、今年は三つの コンパウンドによって大人の識字教育を促す劇が演じられることになってお り、彼女らがジョージの代表としてニャンジャ語で劇を演じる。彼女らは 現在その練習に励んでいるのだが、そのパワーたるや物凄いものである。役 を演じるだけでなく、歌ったり踊ったり、ニャンジャ語のほとんどわからな い私が見ていても楽しくなるほどだ。

● 洋裁教室

 現在洋裁教室は、一期につき6ヵ月のコースの二期目までを終えている。 初級・上級コースが設けられ、初級コース卒業生で進学を望む者は初級 コースと同じだけの授業料、月5,000クワチャ(約170円)を支払いさえす れば、誰でも上級コースに進むことができる。二期目に入った際には第一期 卒業生の半数が上級クラスに進んでいる。

 生徒の卒業後の進路だが、彼女ら(こちらも上級クラスの卒業生は一人 を除いて女性)は洋裁の技術を得たとはいえ商売については素人であり、何 らかのサポートが必要である。そこでザンビアの権威であるTEVETAとい う協会の資格が得られれば有利なのだが、彼女らにとって受験料80,000ク ワチャ(約2670円)は大金であり支払うことは困難である。そこでAMDA ザンビアが試験を用意し、その合格者にAMDAから資格を与えるという 形にする予定であり、上級クラスの卒業生は現在その試験に備えて準備を 進めている。その資格がどれほど彼女らの助けになるかはわからないが、 わずかでも商売を立ち上げる際の支えとなれば幸いである。

● 小規模融資

 融資はジョージでは1998年末に、バウレニでは1999年末に始まった。融資 を望む者はまず商売の仕方について二週間に渡って訓練を受ける。そして五 人一組のグループを通して個人に均等な額が融資され、グループ内で共同返 済義務を負う。この共同返済の方法で最も大事なのは、グループ内のメン バー同士がよく知りあっており、しかも互いの仕事を信頼しあっているとい うことである。そのために融資の申請をする際、既に受益者たちは五人組の グループでなくてはならない。受益者 たちは週に一度AMDAが開くミーティングに参加し、問題を抱えた者が 他のメンバーに相談したり、その週うまくやり繰りできた者が皆にそのコツ を教えたり、互いに励ましあって返済に取り組んでいる。

 融資の対象は今のところ全員女性であり、これは女性の権利向上を目指す という目的による。追跡調査のアンケートにも多くの女性が、家庭内や近 所での発言権が増したと答えている。

● コミュニティー農園

 JICA-PHCの働きかけによりルサカ市役所からもらい受けた土地はジョー ジの近くにあり、住民組織の協力によって既に1999年の雨季(ザンビアは 南半球に位置するため11月〜3月)からトウモロコシ、大豆などを栽培し、 収穫も終えている。栄養価の高い大豆はジョージで栄養失調の子供達を中心 に配られ、他の作物は売却して農場や、上に挙げた他の活動の維持に使わ れている。しかし冬の間はほとんど雨が降らず農園としては使えないため、 乾季にも作物が栽培できるよう井戸を作る計画を現在進めている。10月末に は井戸が完成する予定で、完成後には冬野菜も栽培できるようになる。

 ただこの農園にはフェンスがなく、ジョージに近いこともあり今年の収穫 期には多くの盗みが発生した。それを防ぐため現在フェンス建設の支援者を 探しているが建設がいつになるかはわからない。そのためフェンスができな ければ今年は大豆だけを栽培する予定である。なぜなら大豆は現地の文化に 根付いていない(今年の収穫後には「大豆の料理法教室」が開かれたほど) ため誰も盗みに入らないであろうからだ。井戸ができたところでフェンスが できなければ大豆しか作れないというのは、現在我々が抱える大きな問題で ある。

 最後に、今回インターンとしてこの国に派遣された私の感想を述べたい。 ザンビアという国はたしかに貧しい。しかし町やコンパウンドで物乞いをす る人はほとんどいない。路上で古着を売る者もいれば、家の前で野菜を売っ ている子供もいる。皆が思い思いにより良い生活を送ろうと懸命になってい る。また上記、住民組織による農作業、保健指導員の住民への指導は無償でな されている。彼らは皆、貧しくとも次の世代の子供たちがより健康に、より 安心して生活できる社会を作ろうと日々奮闘している。このような力強い 住民組織との協力を地道に続ければ、たとえ少しずつであれ必ずやザンビア は現在よりも住みよい国になっていくであろう。




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