スタディツアー

AMDAカンボジアスタディーツアー
AMDA Journal 2005年 5月号より掲載


 2005年3月7日から14日までの8日間、AMDAカンボジアプロジェクトにスタディツアー参加者7名が訪問し て下さいました。参加者の方々から、スタディツアーの感想を伺いました。
<スタディツアー日程>
        
 1日目:各空港から現地へ空路移動
 2日目:アンコール遺跡見学
 3日目:シェムリアップ市内見学
 4日目:コンポンスプーコミュニティー開発プロジェクトにて巡回診療と保健教育を視察
     参加者による保健教育企画グループワーク
 5日目:コンポンスプーコミュニティー開発プロジェクトにて保健教育を実践
     村の保健ボランティアさんの活動視察
     日本カンボジア友好小学校運営支援プロジェクト視察 
 6日目:AMDAカンボジアクリニック(ACC)視察  
     プノンペン市内見学
 7日目:帰国

−まず、今回このカンボジアスタディツアーに参加したきっかけを教えてください。


A:以前、姉がこのツアーに参加して「楽しかった」と言っていたこと、また元々NGOの活動に興味があっ たので参加しました。

B:僕は、去年ごろからNGOの活動に興味を持ち始め、実際にボランティア活動を他のNGOで始めました。 それをきっかけに、もっと近くでNGOの活動を見てみたいと思ったからです。

C:私も国際協力活動に関心を持っていました。将来、そのような活動に参加したいと思っていて、以前か らスタディツアーに参加したいなと思っていたのです。今回のスタディツアーには、クリニックの見学があるし、カンボジアは最も興味がある国なので、参加を決めました。

D:私も将来、国際保健・医療に関係のある仕事をしてみたいと思っているので、このツアーに参加しま した。

E: 私はカンボジアの保健状況や問題点を実際に目にして今後の自分の勉強に活かしたいと思って参加し ました。

F:以前から海外での活動に興味を持っていましたが、前回のベトナムスタディツアーに参加した友達の経 験談を聞いたことが決め手となって、参加を決めました。

G: 私もスタディツアーに参加したことのある友達の話を聞いて参加を決めました。

−NGOの活動に興味を持っている人が多いようですが、スタディツアーに参加する前は、NGOの活動にどん な 感想・イメージを持っていたのですか?


A: 「NGOで働いている人=日焼けしている」というイメージ。

B:僕は何故か、「NGO=常に財政難」というイメージを持っていましたね。

C: 私は、災害救援時などの活動では、現場が混乱するといった話を聞いたことがありました。

D:正直なところ、まだNGOの活動を良くわかっていなかったので、漠然と「草の根協力」というイメージ を持っていました。

F: 現地の活動で、技術や知識を与えるだけではなく、現地の人々が自分達で出来ることは自分達で出来る よう活動しているNGOの影響力はすごい!と思っています。

F:「開発途上国が発展するために援助する素晴らしい活動」というイメージ。

G:「NGO=教育や保健衛生などの分野で人々の自立を目指しながら支援している団体」という漠然とした イメージでした。

−みなさん、NGOについて、またその活動について色々な 感想・イメージをお持ちだったのですね。ところで、スタディツアーに参加する前に何か不安はありましたか?


A:体調管理ですね。
B: 寝坊して他の参加者に迷惑をかけるとか、パスポートをなくしてしまうとか…。
C:私は特になかったです。
E:クメール語も英語も会話能力がないので、コミュニケーションが上手くとれるか不安でした。
F:何か変な病気にかからないか心配していました。
G: 私は、海外旅行が初めてだったので、出発前はちょっと緊張しました。

−実際に参加してみて、どんなことが印象に残りましたか?


A: アンコール遺跡で、象に乗っていたとき、象が暴れそうになったこと(笑)。驚きました。

B: ツアー全体を通じ、都市部から郊外の村まで、色々な角度からカンボジアをという国を見ることが出 来ました。その中でも、現地スタッフと一緒にAMDA事務所で一泊した事が最高でした。

G: 確かに、村と首都の人々との生活との違いは印象に残りました。もちろんアンコール遺跡には感動し ましたね。

−AMDAの活動を視察した感想はどうですか?    


A:村の保健ボランティアの人々、日本から派遣されているAMDAスタッフ、現地のAMDAスタッフの人間関係 が非常に良かったことが印象的でした。

C:私もプロジェクトに取り組む現地スタッフと保健ボランティアさんの姿勢が印象的でした。「村を良く しよう!」という懸命な思いが伝わってきました。私も 将来、現地の方々と一緒に活動したいですね。

G: 私は、専門の知識を持った現地のAMDAスタッフだけが、保健教育を行うのだと思っていました。だか ら、村の人が保健ボランティアになり、知識を身につけ他の村人に伝えるということに驚きました。でも村 の人は今日、食べて生活していかなきゃいけない。そんな状況の中で「保健」というものが、村の人にとっ て後回しになっているように感じました。もっと村の人にとって「保健」が身近なものになるようにするに はどうしたらいいのか疑問が残りました。

A: 僕も同じような印象を持ちました。例えば手洗いや煮沸した水を飲むことの重要性を村人に伝えるだけ ではなく、それを実際に行動に移してもらうことはとても困難だとか…。

−スタディツアー期間中、みなさんが実際に保健教育活動を企画・実行した経験から感じたことも多いので はないでしょうか?       


C: 私は、保健教育活動の企画に参加して、様々な事情や背景、制限の中で何が出来るかを考えていかなけ ればならず、その中での限界を理解する必要性を感じました。

D: 1つの問題が、他の分野の問題と切り離せないこと、例えば保健医療の問題は教育や貧困の問題ともつ ながっていることを学びました。1つの問題に焦点を当てるだけでは、完全な解決にはならないのですね。 理論と理想と現実の差というものを、初めて実感しました。

−他のことが印象に残った方はいらっしゃいますか?


E: 私は、カンボジアの方々と理想の将来像について話したことが印象に残りました。例えば理想とする将 来像に近づくためには、教育が必要であることについては以前勉強していたのですが、他の部分、例えば政 治に対する思いやその問題点など、実際に現地の方の表情とともに知ることが出来ました。

−このようなスタディツアーでは、AMDAの活動視察はもちろんですが、参加者同士の交流も魅力の一つだと 思います。その点はいかがですか?
      


C: 確かに、スタディツアーは意見や考え方を発言したり聞いたり出来る場でもあり、自分にとってはとて も刺激になりました。

D: 参加者それぞれが異なるバックグラウンドを持っていたので、1つの場面を見ても目の付け所が違う ことがとても新鮮でしたね。

−ところで、ツアーの日程はいかがでしたか?
      


A:朝、起床時間が早いのがちょっときつかったですね。

C:あの暑さに驚きましたが、バスでの移動中に適度に 休息出来ました。

D:もう少し、現地の人の意見を聞ける時間があるとよかったと思います。

F: とても充実していましたが、個人的には、もう少し小学校で子ども達と交流する時間があれば嬉しかっ たですね。

−連日の早起きとあの暑さにもかかわらず、みなさん体調を崩すことなくツアー全日程を楽しんでいただけ てよかったです。ツアー期間中はレストランだけでなく、村で食事する機会もありましたが、カンボジア 料理はどうでした?   
      


A:味が濃すぎず、日本人の好みにはあっていますね。海苔スープ、最高でした!

B:僕は密かにカンボジア料理にビビッていたのですが、とても美味しかったです。珍味(蟻と野菜の炒め 物)もあったけど、まぁそれもいい思い出です。

G: 私も蟻を食べたのは初めてだったけど、意外と普通に食べられて美味しかったです。

E:私は、「下痢の予防」と「目の前の美味しそうな氷や生野菜」の葛藤に苦しみました。

−では最後に、何かコメントがありましたらお願いします。


A:僕は今回NGOの草の根活動を視察することが出来たので、次の機会にはODAの活動を見てみたいと思うよ うになりました。他のNGOなどの活動にも参加し、勉強し、自分の考えをはっきりと持つことが出来たら 再度AMDAの活動に参加したいですね。その時はもっと大きな収穫があるだろうなと思います。

E: 現地を訪問し、学べることを最大限に吸収するためには、もう少し事前勉強が必要だと思いました。 他に、思うように現地の方と会話を進めることが出来なかったのが残念でした。通訳の方がいるものとばか り考えていたので苦労しました。

G: 今までは、学校の授業の時でも、日本に住んでいる私たちの生活価値観で、他国の生活のことを考え ようとしていました。今回のツアーで現地状況を知ることの大切さを感じました。このツアー期間中に考え た色々な疑問点は、これから考えていきたいと思っています。

(この記事は、スタディツアー参加者を対象としたアンケートをもとに、回答者の同意を得た上で編集・ 掲載しております。写真の一部は、参加者提供です。なお、このスタディツアーは旅行会社、株式会社道祖 神の主催で行われました。文責:竹久佳恵)




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