スタデイーツアー

ケニアスタディツアー参加報告

横浜市 伊藤 薫
AMDA Journal 2000年 11月号より掲載

AMDAとの出会い

 このツアーの報告をさせていただく前に、私がAMDAのスタディツアーに 参加するに至った経過をお話します。初めてAMDAの名前を知ったのは、阪 神大震災のときでした。被災地で医療ボランティアの活動をしている団体を ニュースで知りました。

AMDAスタッフが医療ボランティアとして被災地に入り活動をしている姿を見ているうちに、日本にこんな団体があったのだ、 という思いから、私の中でAMDAの存在がとても気になるようになりま した。私は、それまであまりボランティアには興味がなく、自ら進んでボ ランティア活動を行うことなど考えてもいませんでした。それから私もイ ンターネットを人並みに触るようになり、ネットでAMDAを検索し、 AMDAの歴史・概要・活動内容を知り、そして迷わず今年の3月に一般会員に申し込みをしました。だからといってその時点でAMDAが行っているボラン ティアの意味を十分に理解していたわけではありませんが。

正直なところスタディツアーという言葉も月刊 AMDA JOURNALの中で知りました。つまりボランティアについては、かなりのど素人の状態にあったわけです。そして職場の勤務状況と照らし合わせ、ケニアツアーに参加することにしました。


ケニアスタディツアーに参加して

 これまでの海外旅行は観光用に整備された観光地を回り歩いていました。 そのためその国の人たちが実際にどの ような生活をしているのかということを知ることはできませんでした。今回のツアーは、ケニアに生きている人たちの実際の生活状況を見て、知る旅行 なのだという思いが募るにつれ、かなり緊張した面持ちで初めてのスタディツアーに参加しました。関空からインドのボンベイを経由してナイロビへと 向かったが、ナイロビ航空への乗り継ぎまでに、約12時間ボンベイ空港で待 機したことも初めての経験でした。


 ケニアのAMDA事務所に到着し、スタッフの方からオリエンテーションを受けました。ツアースケジュール、ケニアでの滞在中の注意、治安がかなり 悪化しており、引ったくり、すり窃盗などは日常の中で巻き込まれるケースがあること、わずかな道のりであっても1人での外出は危険性が高いことを 説明されました。

そのため昼夜の食事はすべてAMDAスタッフの方々が準備してくださり、お店まで案内していただきました。スタッフの方がケニア のツアーは食い倒れツアーですと言われていた通り、山羊肉を初め、エチオピア料理等いろいろな料理を体験することができましたが、肉料理があまり 得意でない私は少々困りました。


 ケニアでのAMDAの主な活動拠点はスラム地区(キベラ)で行われてお り、 @女性を対象とした保健衛生教育及び職業訓練とマイクロクレジッ ト。これは18歳から35歳の女性を対象に6ヶ月を期間としミシンで洋裁を 教え、商売の基礎を作ってもらうように指導・支援をしているということでした。
  1. は学校の教科書の普及を目的として、本の修繕、再製本 をしてもらう。  
  2. 家具職人を対象とした職業訓練及びマイクロクレジット。路上で商売をしている人を集め家具を作り、家具の仕上げをトレーニングし経済効果がねらえるような質の高い物を作る技術を身に付けてもらう。
  3. コミュニティトイレプロジェクト、いわゆる公衆トイレを一定 区間ごとに作り、区間の住民でトイレの管理を行ってもらう。トイレと言ってもベ ニヤ板で四方を囲み、その中央に穴を掘ったというかなり簡易なものではるが、し尿処理をする場所として、普及させていくことで公衆衛生の必要性を理解してもらう。また手を洗う習慣がないため手洗いの指導もしていると いうことでした。
     
  4. HIV Awarenessプロジェクトは、ケニアはHIVの罹患率は40〜50%と非常に高いため、予防のための教育を行っている。

 以上5つの活動はいずれも、あくまでも住民が主体であり、AMDAの関わ りはリーダーシップがとれる人材を発掘し、リーダーとなった人に対して、よりその活動がうまく行えるように指導し、方向性をつけていくことであ る、と詳しく説明を受けました。


 これらのプロジェクトは4、50人を1グループとして行われるということですが、終了期間までには1割の生徒しか残らないこともあり、その中で成 績優秀な生徒がいたとしてもビジネスとして商売を成り立たせていける人はほんの僅かであるということでした。

リーダーシップを取れる人材を発掘し、知識・技術を身に付け、個人の商売からビジネスへと広げることにより、スラムに住む人たちの経済活動を高め、生活環境を整えていけるように 支援していくことがAMDAの役割だと思いましたが、まさに草の根を分け るような活動であることに一種の空しさを感じてしまいました。と同時に教育・文化レベルが低く、非常に貧困に苦しむ発展途上国においては一つの小さな芽から大事に育てていくことが必要なのだ、ということも感じました。
 私にとってケニアでは旅行1日目にしてかなりのカルチャーショックを受 けてしまいました。


 その後、実際に初めてスラム地区に視察に行きしましたが、その不衛生さ は今までの想像を越えていました。住居とゴミが混在し、見たことのない数のハエが飛び交い、スラム全体がなんともいえない異臭を放っていました。 舗装などされていない道を歩くため下を見ながら、ドブに落ちないようにと 緊張しながら歩きました。

スラムの中では、靴屋、床屋、野菜を売る人とそ の中で小さなマーケットができており、スラムで住む人たちの生活のほんの一部を垣間見たようでした。また子供たちの屈託のない笑顔、他所からきたものに興味津々で近づいてくる姿に触れたとき、どこの子供たちも同じな のだなと言う思いを持ちました。
 

 何よりも驚いたことはトタン屋根がおおきな絨毯のように広がっているス ラム地区の横に広大で整備されたグリーンのゴルフ場や首相官邸が隣り合 わせに存在しているということでした。私にはとても不可思議な景色とし て映りました。ケニアという国の貧富の差と人間が生きていくことの強さをまざまざと見たように思いました。


 今回のスタディツアーでは私にとってかなり強いカルチャーショックを受けました。見るもの聞くもの全てが、驚くことばかりでした。旅行から帰って1ヶ月余りが経ちますが、未だ自分の中で、整理ができない状態です。これまであまりボランティアに興味を待たなかった私でしたが、これを機会にボランティアについて考えてみようと思います。

 ケニアAMDAスタッフの皆様今回は貴重な体験をさせて頂きありがとう ございました。



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