スリランカ

北部キリノッチ地域 X線撮影実施報告

診療放射線技師 千葉 まゆみ
     
AMDA Journal 2005年 1月号より掲載

冷蔵トラックを利用したX線車輌とその内部
 
1. 活動期間

 平成16年5月6日〜平成16年9月23日


2. 活動内容

 前任の竹内理恵さんからの引継ぎで、キリノッチ病院X 線室への技術指導と、巡回によるX線撮影を行った。(*
 キリノッチ病院に元々あったX線装置は故障が多く、4 月より新装置が導入されたものの条件表の作成と装置のオペレートが活動の手始めであった。

<診療スケジュール>

X線室技術支援:毎週 月、火、木 (キリノッチ病院)
 巡回X線撮影: 第2水曜日(パーレ イ病院)、第4水曜日  (ダルマプラム病院)、第3日曜日(アッカラヤン病院)

<実施状況>

実施回数
  技術支援:39回(週3回×13週)
  巡回X線撮影:12回(6月3回、7月3回、8月4回(ム  ランカヴィル地区含)、9月2回(パーレイ病院除く))
 患者数(受付数)
  技術支援:500吊(1日平均13吊)
  巡回X線撮影:119吊(パーレイ病院(10)、アッカラ  ヤン病院(46)、ダルマプラム病院(46)、ムランカヴィ  ル地区(17))

<疾患状況(撮影部位内訳)>

 キリノッチ病院での技術支援においては、胸腹部176件、その他骨系339件(複数撮影あり)で割合にすると胸腹部 34.2%、その他骨系65.8%である。相変わらず、骨系の割合が多い。骨系での割合は上肢48.7%、下肢32.1%、体幹部19.2%であった。
 これまでの印象として交通事故による重傷者が増えたように感じる。A9ロードは道路の復旧整備に伴い、車、バイクが確実に増えており、警察による交通整理も行われるようになってきた。また子どもに関しては、手関節、肘関節の撮影が多く、そのほとんどが骨折している。原因は木や自転車から落ちたというもので、栄養状態があまりよくないのか、簡単に骨折するようである。自転車の乗り方にも問題があり、大人用の大きな自転車に乗り、親子の3人乗りは当然で、握力の弱い子どもをシャフト部分に乗せているのをよく見かける。A9ロード以外の道は赤土や砂の道が多く、私自身自転車に乗っていてもハンドルが取られバランスを崩すことがあり、親がバランスを崩し、子どもを落とすことは十分考えられる。
 巡回X線撮影においては、胸腹部68.8%、その他骨系31.2 %とキリノッチ病院とは逆の結果であった。これはX線装置のない病院の入院患者の撮影に需要があること、X線撮影は1病院につき月に1度のため、骨折などはすぐにキリノッチ病院に行くことが考えられる。しかし、巡回X線撮影サービスはようやく各病院に定着しつつあるようで、医師たちもX線対象の患者をサービスの日程に合わせてくれるようになっている。

3. 考察および展望

 キリノッチ病院においては、ウダヤクマール研修技師以外にもう一人X線室勤務の男性が入り、撮影、現像、患者にフィルムを渡すまでの時間が、かなり短縮されてきたという印象だ。新しい装置の扱いもほぼ問題ないと思われる。ただ、やはり技術的な面、特に常に一定の診断価値がある写真を提供するには至っていない。ライセンスのある、できればタミル人技師にスタッフとして入ってもらうのが一番であり、在外タミル人をも視野に入れた人材登用が望まれる。
 巡回X線撮影に関しては、今まで通りのスケジュールで行っていくのが良いと思う。8月8日に行ったムランカヴィル地区での活動のような、地元医療機関からの要請に応えて、サービスを行うことは大変意義があると思う。8月の時点で物品の上具合が多く出、特に現像タンクの漏れは悪路を長距離走ったことによるものと思われる。日本で考えるよりも物品の消耗が激しく、常時点検が必要である。

4. 最後に

 私自身、約4ヶ月半の短い滞在期間の中で得るものが多く、参加させていただいたことを感謝いたします。素晴らしいスタッフとともに働けたことはいつか何かの形で戻ってくることと確信しています。今後のAMDA-PBPも滞りなく行われますよう、お祈りしています。

*)竹内さんは「水と電気のないところでX線撮影をできるようにするのが私の仕事」と語り、冷蔵トラックの改装から着手し、キリノッチでの撮影を実現した。




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