スリランカ

医療平和プロジェクト進捗報告

現地統括(調整員) 濱田 祐子
AMDA Journal 2003年 7月号より掲載

 2003年2月上旬から5月までの医療和平プロジェクトの経過をご報告させていただきます。 この医療和平プロジェクトは、これまで、北部のヴァヴニアを拠点とした巡回診療、南部の ハンバントタ地域を中心とする保健教育を中心にプロジェクトをはじめて参りました。

 ヴァヴニアを例にとりますと、これまで7箇所、月曜日から金曜日まで週5回巡回診療を行い、 延べ3,030人以上の患者を診察いたしました。また先月からは口蓋破裂や戦争顔面障害の形成外科巡回 診療がはじまりました。一方、保健教育のプロジェクトでは、保健衛生知識の提供に留まらず、 国民意識の形成の一助になればという目的で、タミル語、シンハラ語、英語の3言語表記による AMDA健康新聞を発行しています。

 顔の見える支援ということで、今まで計19人の日本人がこのプロジェクトに参加しました。 また、スリランカ国籍のローカルスタッフも30名以上参加しており、特筆すべきは、海外在住の タミル人も参加してくれていることです。Dr.シアマラは2歳のときにジャフナからイギリスに難民 として渡られたそうです。祖国の人々のために尽くしたいという一心で6ヶ月の休暇をとって5月より AMDAの一員となってくれています。今後、東部のトリンコマリ、バティカロア、アンパラに進出する 予定があり、AMDA多国籍医師団としてバングラデシュ、カンボジアからの医療スタッフも参加すること になっています。

 キリノッチでの巡回診療は5月上旬よりはじまりました。SHIRN(Sub-committee Immediately Humanitarian Rehabilitation Organization、スリランカ政府とLTTEの協議前にその案件について事前 協議を行う機関)との連絡を密にし、キリノッチの保健省、タミルイーラム、ヘルスディパートメント とも協力しつつ、A9をはさんだ東西約80キロメートル範囲内での巡回診療を実施しています。国内避難 民の再定住が進んでいる中、多いときには200名を超える患者を診るときもあります。巡回診療 3日目 には明石康政府代表、大塚清一郎駐スリランカ日本大使および山田滝雄・外務省南西アジア課長御一行 に視察に来ていただきました。

 また、通常の巡回診療に加えて緊急事態にも応対しました。5月半ば以降に起きたスリランカ南部で の洪水に対して緊急救援班をAMDA支部とAMDAの姉妹組織セイントジョンアンビュランスで構成しました。 死者270人以上、避難している住民は15万人以上にも及ぶ、スリランカではこの 50年間で最も酷い洪水 です。避難民が最も必要としている飲料水、医薬品、栄養食品を供給するため、水タンク、ガスコンロ、 医薬品2週間分、仮テント等、栄養給食を供給しました。また、3メートルも浸水した村々にボートを 提供し、人の救出や物資運搬を行いました。長期的な援助として、飲み水を確保するために、井戸にた まった水をくみ上げるためのウォーターポンプを貸し出し、井戸の水をきれいにするための洗浄薬を 供給しました。今回の救援チームはタミル人、シンハラ人、日本人とで構成しました。北のタミル人が 以前は行き来が出来なかった南へ、救援チームの一員として派遣したことは現地でも異例のことです。 緊急援助を通して洪水で被害を受けた人たちの苦しみを分かち合うことが、真の和平に向けての第一歩 になるのではないかと感じました。

日本NGO支援無償資金協力契約の調印式
日本NGO支援無償資金協力契約の調印式
前左より 富田調整員、大塚駐スリランカ日本大使、濱田・山根調整員
後列左より 井関書記官、竹内放射線技師



緊急救援活動

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