ペルー

住民による保健活動支援プロジェクト
AMDA Journal 2005年10月号より掲載
AMDAペルー ヨシ・ヤマニハ

ペルー リマ市
貧困地域カラバイヨ地区
カラバイヨ地区ヘルスセンター

AMDAでは、今年7月より、フェリシモ地球村の基金のご支援を受けて、ペルーの首都リマ市の貧 困地域であるカラバイヨ地区において、住民の保健活動を支援するプロジェクトを実施してい る。保健ボランティア(プロモーター:普及員)の育成、保健衛生教育、コミュニティ薬局運営 支援などが主要な活動となる。

ペルーには多くのニーズが存在するが、そのことにより国民の独創性や結束が促進されている ということも考えられる。この状況は、ヘルスケアの分野においても見受けられる。ペルーでは 、提供される保健医療サービスが十分でなく、また医療従事者もきちんと対処できていない場合 もある。保健医療サービスの費用がかかることを考えて、多くの住民は保健医療機関で受診する ことを避け、隣人に相談したり、親族、友人の処方薬を服用したりして、彼等自身の健康、場合 によっては命まで危険にさらしている。こうした現状を考えると、コミュニティの人達とともに 活動する事が効果的であると思われる。というのも、彼等は自分たちが抱える課題を認識してお り、いつも住民のそばにいて、信用もあり、喜んで役に立ちたいという意思があるからである。  そこで、“コミュニティ人材育成システム”を作ることとなった。これは、コミュニティの人 々が健康に関する正しい知識を習得し、行動をとれるよう、彼等を指導できる保健プロモーター (普及員)を育成するものである。
保健プロモーターの研修には、ヘルスケアに関するテーマに加え、彼等一人一人の能力を伸ばす ことも含まれている。
 私達は、同じテーマに関する研修の重複や彼らの疲労をさけるため、合同の研修を提供する目 的で、公的機関および民間団体からなるネットワークを組織した。  このネットワークはCOSACA(カラバイヨ地区保健委員会)と称され、研修、IEC(情報、教育、 コミュニケーション)、組織化等の分野別に分かれている。
 COSACAは、保健省などの公的機関、SES(Socios En Salud)など保健分野のNGOから構成されて おり、現在AMDAもこの委員会のメンバーとなっている。SESはこの地域で結核対策に貢献をしてい るNGOである。
 AMDAは、今年の7月から住民の保健活動支援事業を実施する中、地域の生活を改善することを目 的として、COSACAの強化・維持を支援している。
 まず、AMDAとSESとの間で、運営計画の詳細を明確にし、プロジェクトに必要な資源(人材、物 質、機材/備品、建物/施設)等に関する必要事項を確認するため事前に調整会合を開いた。

保健プロモーター(普及員)研修 保健プロモーターによる健康診断

活動は、ヘルスセンターの管轄に基づいた地域に分けられ、現存する保健プロモーターや新規 人材育成のプロセスを確認した。そして、私たちは、下記の各地域を訪れた。

・プログレソ地域:約30人の保健プロモーターが存在し、ヘルスセンターで会合が開かれている。
・ロス・セドロス地域:約40人の保健プロモーターが存在し、会合が開かれている。
・ラ・フロール地域:約30人の保健プロモーターがいるが、さらに人材を育成し、彼等の活動への 意識を高める必要がある。
・ヒロシマ地域:現在、保健プロモーターの募集を行なっている。約30人の人材が不足している。

採用過程において力となるものは年長の女性の保健プロモーターの精神力と責任感である。ま た、チラシ、ポスター、手紙などの募集ツールの支援を強化する必要もある。

実際には、こうした活動の中で課題もあるが、保健プロモーターは、みんなで一つの家族のように なっている。嬉しい状況、悲しい状況をともに経験している。中には、モチベーションを高く維持 できる者もいれば、すぐに意欲が低くなる者もいるが、彼らは、それぞれに能力があり、とても思 いやりがあり、そしてリーダーとしての役割を担える人たちである。

保健プロモーターによる栄養教室 保健プロモーターによるコミュニティ薬局管理

リーダーと言えば、精神的にもモチベーションにおいてもリーダーとして人々から慕われている “昔ながらの保健プロモーター”のセラティさん(女性)は、70歳にもかかわらず、常に物事に注 意を払い、人の話に耳を傾け、手助けをし、特に最も必要な時に皆の気持を高めている。  年齢に関しては、採用した大部分の参加者は20歳から35歳の母親である。彼女達の中には技術を 持つ人もいるが、彼女達は人格形成、社会的能力、組織、指導力等についての更なる研修を受ける 。彼女達は保健プロモーターのリーダーとしてそれぞれの出身地域で指導者としての任務につく。  保健プロモーターとともに、コミュニティ薬局(救急キット)を管理する人材も訓練しており、 今後、薬局を設置することが予定されている。

毎日の関心事が家族の生存や健康であり、日々貧困に苦しめられる状況の中で、それぞれの人が 、いつの日か、隣人や友人、自分の愛する人の生活を良くしたり、命を助けたりするために、学習 し、意識を高め、他の人にそれを伝えることに興味を示していることは、素晴らしいことである。  人々の心配そうで疲れた顔が笑顔に変わる時、私達にとってそれ以上の喜びはない。

(翻訳 藤井倭文子)



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