ペルー

ペルーの若者に対するAMDAの活動


エスカルレット・パロミノ
AMDA Journal 2003年12月号より掲載

教材を作成するスタッフ(筆者:右)
教材を作成するスタッフ(筆者:右)

AMDAペルー支部はリプロダクティブヘルス(性と生殖に関する健康)を促進するために、ペルーで設立された民間非営利団体である。その設立当初からAMDAは10代の若者がHIV/AIDSの危険がない性行動がとれるように、安全な行動、態度、価値観を高める活動を行ってきた。

様々な学校での取り組みの間に、リプロダクティブヘルスについて、知ってはいるが、性にかかわるリスクに直面したときの精神的なもろさを理解する点で問題のある生徒に多く出会った。また、学校教育にはどうしても限界があるが、それは性に関する情報を伝えるだけに終わっているからである。

一方、子供や思春期の若者の性の保健に関する最近の統計によると、これらの人々の精神的なもろさは、主として限られた教育、経済、雇用の機会などのために起こっているとのことである。

これらの状況を考慮に入れるならば、子供や思春期の若者の保健の問題は互いに関連しあっているということを強調することが重要であろう。別の研究によれば、貧困、家族内の問題そして保護のない環境などは、共通の危険因子である。また、保健問題は文化や支配的な社会規範によって引き起こされる不適切な行動や生活様式に密接に関係している。

このようにして、われわれの活動は感情面、心理面、社会面を考慮にいれて、包括的に性の問題に取り組むことである。生活の質を向上させるために、自己管理を強め、健康的な行動を身につけさせること、また子供や思春期の若者が、彼等の健康に影響をあたえるこれらの要因をよりよくコントロールし、また、自分たちの人生のためによりよい決定が下せるように、自分自身の資源を管理 する方法を身につける学びの場を提供することである。

このような方法で、彼らが自分たちの外面的なまた内面的な特徴に気づくようになり、自分たちの生活に責任を持てるようになるためにはどうすればよいか知ってもらうために、我々は努力を続けている。

高校生対象のワークショップ
高校生対象のワークショップ

我々は情報は必要ではあるが、十分なものではないことを認識しており、参加型の手法を用いて、考え学ぶ場を作ることを提案する。すなわち参加者が互いノ顔を合わせ、生徒とワークショップのファシリテーターの両方の発展向上を図るようなワークショップを組織することである。

そのため我々は様々な活動を実施している。ファシリテーター養成の目的は、首都リマの学校の子供や思春期の若者に、リプロダクティブヘルスのワークショップを実施できる大学生を訓練することである。この活動で我々はリプロダクティブヘルスについて大学生の知識を深め、彼等の技術を高め、またワークショップのための教材をいかに準備すべきか彼等に伝えている。

小学生対象のワークショップ
小学生対象のワークショップ

子供や思春期の若者が、性の問題に関して、自ら適切な対応ができるように、訓練を受けた大学生は、自分たちが学んだことを公立学校の生徒に対して実施している。大学生は年齢別のワークショップの手法を学ぶ。自分を知り、評価し、自立することによって、自己のアイデンティティを確立するために、自尊心、社会的能力そして性と生殖に関するセルフケアについて学ぶワークショップがその一つ。肯定的な思想、感情、伝達を促進するワークショップ。心理的、性的な統合を乱す危険性のある状況を確認しそれに立ち向かうための社会および感情にかかわる手法を学ぶワークショップなどである。

また子どもの性と生殖に関するセルフケアの行動を促すために、我々は教師や親を対象に活動を行っている。我々は親に子供の育て方について、またそれがいかに子供の自尊心に影響をあたえるかについて話し、家庭内での話し合いが重要であること、また性の問題、家庭内暴力および性的虐待について話すことの重要性を強調する。教師については、生徒の成長を促進するために、カウンセラーとしての役割を強調する。

最後に我々は心理的、社会的な問題について情報を収集、分析するために調査研究を実施している。

AMDAはペルーのリプロダクティブヘルス向上のために活動を続けている。現在このプログラムを担当している人々は、その目的のために訓練を受け、ボランティアとして活動を実施している。今、彼等はいっそう高度な技術を身につけ、同じ目的の、すなわち若者達の生活の質の向上を目指す、新しいボランティアを育成する責任を担っている。


AMDAペルースタッフの意見

AMDAペルーは“肌で感じ”そして学んでいる。我々はすべてのメンバーが一つの家族のように一体となって活動し、資源が乏しく、限られた教育の機会しかない人々を支援してきた。スタッフのそれぞれのメンバーは、自己の専門知識を実行に移す機会だけでなく、子供や思春期の若者のリプロダクティブヘルスを向上させる総合的な活動を通じて、新しい考えを生み出す機会をも得た。

また、教育や保健の従事者を育成する機会を持つことによって、我々は彼等の知識を深め、満足感を味わう機会を与える。それは我々の活動と共通のゴールに向かっていっそう努力しようという気持ちを促進している。


AMDAの活動に参加する大学生ボランティアの声

指導者育成の過程で、社会の時事問題を知り、創造的な解決策を提案することが重要である。これに関して、AMDAペルーはメンバーに、10代の妊娠、HIV、性的虐待などについて人々を教育したり、訓練をしたりする機会を提供する。そして子供や思春期の若者がよりよい生活を享受できるように、セルフケアを促す。

個人のレベルでは、指導者として成長し、チームの一員としていかに活動すべきかを学び、様々なグループをまとめる技術を向上させる機会に恵まれている。

AMDAペルーの活動は、確信と尊敬と支援という精神的基盤に基づいており、グループの団結を強固なものにし、我々を一つの家族のように感じさせる。

AMDAペルーのメンバーとして、我々は、こうした活動を促進し目標を達成するためにサポートしたいと考えている。




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