ペルー

性と生殖に関する健康について (リプロダクティブヘルス) ―ペルーの現状と将来―

AMDAペルー Jose Yamanija
AMDA Journal 2002年 12月号より掲載

AMDAペルー支部は、1997年より、身体、精神、社会に関わる福祉および保健衛生全般の改善に関するプロジェクトに携わっている。これまでの努力が実り、若年層における性と生殖に関する健康について、より詳しく把握する事ができた。その結果として、予防策は幼少期から必要だという事を確認した。

人道主義に基づき、AMDAペルーはさらなる改善を図るためプログラムを実施している。若年層における性と生殖に関する健康に関しては様々な状況が伴う事を承知し、子供とティーンエイジャーを対象としたエイズ予防プログラムを作るために一組の関連プロジェクトを提案した。 これは我々の今日の社会において非常に大きな影響を及ぼしているエイズ及び性感染症予防のための自己管理、早期妊娠、ティーンエイジャーにおける性的虐待等に焦点をおいている。

女性の性と生殖に関する健康についての最新の進展は、1994年にカイロで開催された人口と開発に関する国際会議及び1995年北京で開催された女性に関する国際会議にて定められた枠組みのなかで達成されたものである。これらの会議で、全ての人々への健康と教育は開発の基本的な要因であるという合意が採択された。 参加した国々は、若年層における性と生殖に関する健康の諸問題を理解し、若者が積極的かつ責任ある行動をとれるようになるための教育プログラムを実施することの必要性を支持した。

ペルーの若者達の現状は、我々の社会の尺度として用いる事ができる。様々な政策やプログラムを組みたてる際には、彼等の現状に注意を払う必要がある。

新しいミレニアム(千年紀)がスタートした現時点で、ペルーの子供やティーンエイジャーの60%以上は貧困層である。現在、11,000件のHIV/AIDSが報告されているが、実際は、その数をはるかに上回っていると予測されている。 報告されている感染者の半数は15〜20歳の年齢層で、これはティーンエイジャーがリスクの大きいグループであることを示している。

また、ペルーの若者達は性行為を20歳以前に体験している。平均して女性は19歳、男性は17歳である。若年層における妊娠は公衆衛生上非常に大きな問題で、子供と妊産婦の死亡率に直接関係している。

このような状況のなかで、我々は性と生殖に関する健康についての知識を幼少期、思春期、及び成人期のそれぞれの段階における男女に普及させる事を提案している。

我々が初めてエイズ予防プロジェクトを開始した時、専門的な訓練を受けた人は誰もいなかった。大学を訪れ、プロジェクトについて紹介し、ボランティアを集める努力が必要だった。最初のボランティアは性と生殖に関する健康について定評のある経験豊かなNGOより指導を受けた。

訓練を受けた新しいボランティア達は、活動を通じて経験を積み、その結果をもとに調査を続け、プログラムをより充実させるために改善すべき点等を提案していく。 最初に訓練を受けたグループが性と生殖に関する健康についての指導者(現在はAMDAペルーの専門家)として、次の新しいボランティアの指導にあたっており、ボランティア育成は循環して行われる。

我々の専門家(指導者)はAMDAペルーと共に成長している。毎年様々なプログラムを実施し、新しい参加者に一緒に目的を達成するためにAMDAの理念や活動目的を熱心に教えている。

毎年、大学、専門学校、各種学校等の様々な教育機関において、「子供やティーンエイジャーにおける健全な性と生殖に関する健康およびエイズ予防に寄与し、彼らの責任ある行動を促す」というプログラムの目的を伝え、継続して新しいボランティアの確保に励んでいる。

毎年、前年のボランティアは各自の学校でポスターを貼り、新しいボランティアの募集に力を入れている。参加希望者は実に多く、履歴書を送ってくる若者達の数は一年で約350人に達する。また、多くの専門機関から学生達のために専門職特定研修前の実習についての問い合わせもある。 ボランティアの選考はきびしく、最終的に専門家から無料で指導を受ける事ができる数は約100人である。これがこのプログラムの中心となっている。

注目すべき点は、AMDAから訓練を受けてボランティアとなった人達が習得した知識を次のボランティアへ伝え、彼らを育てることを自分達の責任であると自覚していることである。そのため、我々は様々な教育機関でプログラムを実施し、彼らが習得したものを実際に役立てることで、波及効果を生んでいる。 これはこのプログラムのもう一つの利点で、リマ(ペルーの首都)にある教育センターのみならず他の地方からも我々が育成したボランティアの訪問依頼を受けている。2001年には5,000人の学生を指導し、今年は7,000人を予定している。

プログラムを補完するため、AMDAペルーは、教育機関が性感染症、避妊、妊娠、性的虐待等について学生や一般人が継続的に相談できるよう、また、常に我々とコンタクトが取れるよう、電話を設置した。

最終的には、将来同じようなプロジェクトを実施する上で役立つように、また、同じ分野で活躍する人々と経験を分かち合えるよう、これまでの経験をすべて体系化し、ハンドブックを作成する予定である。

こうする事で、各地域の状況や道徳そして文化的価値観を考慮したエイズ予防プログラムを利用可能にすることができる。このプログラムには、若者の性におけるリスクを軽減し、責任ある性行為を促すための情報、教育、およびコミュニケーションが含まれている。

我々の第一の任務は長期的な影響力を持つ持続可能なプログラムを開発する事である。しかし、我々の財源だけでは不十分で、外部の資金に頼らざるを得ない。また、財源だけでなく人材についても同じことが言える。 こうした理由で、支援を必要としている人々の生活水準を向上させるために民間セクターを含む市民社会からの参加に期待したい。

(翻訳 藤井倭文子)




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