ネパール

子ども病院を支えていく、AMDA兵庫の活動

AMDA兵庫ネパール子ども病院支援室長 小倉 健一郎

AMDA Journal 2002年 1月号より掲載

 1998年2月に、国内で3番目のAMDAの県支部としてAMDA兵庫が発足しました。その年の11月にAMDAネパール子ども病院(SCWH)が開設し、丸3年が過ぎました。

 AMDA兵庫はネパール子ども病院設立に深く関わりのあった連 利博先生が代表に就任されたことや、病院設立の原資の多くが阪神大震災の被災者からの寄付であったことなどから、発足当時より子ども病院支援を活動の柱としていました。


 1998年の開院式典には兵庫から数名が参加。私もその中の一人として式典と、翌日からの診療開始を見守りました。日本からの機材の積まれたコンテナの到着が遅れ、順調な滑り出しとは言えないまでも、外来のみのスタートはまずまずでした。私自身は、そのとき何の医療活動も出来ませんでしたが、またこの地を再訪する予感を持って帰国の途につきました。帰国後、現地派遣者から様々な情報を受け、国内での支援活動の重要性をより一層感じて、AMDA兵庫の活動が活発になっていきました。支援の柱は、医療技術全般の向上の為の技術指導や機材供与、もうひとつは現地へ向かうボランティアに対する支援です。開設時の派遣者である高橋医師、冨田・早瀬両看護婦をはじめ、これまで多くのボランティアがSCWHで活動されました。 SCWHを訪れた人は、帰国後も何かの役に立ちたいとの気持ちを強く持って帰りますが、その思いを生かす場を見つけられないままでいることが多いようでした。そうした思いの受け皿として、また個々の支援に継続性を持たせるためにAMDA兵庫が存在しているといえます。AMDA兵庫では子ども病院支援室を設け、帰国者などにメールやホームページを通しての現地情報の発信や、現地へ向かうボランティアに本部と連携してバックアップを行っています。また無償の派遣者には、渡航費や生活費の補助も行っています。



 支部活動として発足時より毎月のニュースレターや年に1度のSCWHニュースレターの発行をはじめ、講演会、チャリティー、バザーなどいろいろな活動を行っています。主としてネパール支援を行っていますが、日本国内における医療問題や在日外国人医療にも関心を持ち、外国人への医療相談会の開催や、他の医療NGOとともに講演会や勉強会を開いています。今年は医療通訳養成講座も開催しました。会員は県内外に100名近くいますが、専用の事務所も専任のスタッフも持っていません。事務局は山田小児科にお願いして、月に一度の会合を毎日新聞神戸支局を借りて行っています。事務所経費や人件費がかからないので、毎日新聞からのご寄付や募金箱、その他の収入のかなりの額をネパール支援などの事業費として使用することができます。もし事務所と専任のスタッフを持てば、年間少なくとも200万円くらいの支出を余儀なくされるでしょうが、それらをメンバー各々のボランティア活動でカバーしているので、寄付金がそのままネパール支援などに有効利用されるわけです。こうした活動形態を取っているので仕事が連代表に集まりがちですが、出来るだけ役割分担するようにしています。とはいうものの、小さな世帯ゆえ連代表に動いてもらわざるを得ない場面も多くなり、「もうオーバーワークだ…、専任スタッフが欲しい…」といつもぼやいておられ、仕事の増えそうな新たなプロジェクトの提案には腰が引けつつあるようです。最近は「自己完結」、つまり各自の担当の仕事は最後まで責任を持って完結させること、をよく強調されています。まあ結局ややこしいことは代表に押し付けられることが多いので、体制の見直しを考えなければならないようです。

 先ほどもボランティア精神と書きましたが、AMDA兵庫の活動に参加する人は報酬を受け取らない分、「やりがい」とか「気持ち」を充足させないと長続きしてもらえません。仕事ではないけれど責任は伴うので、活動が『嫌だなー』と感じられれば、すぐに来なくなってしまいます。そういう意味では人間関係に最も気を使う活動です。代表、副代表、財務局長を除けば実働部隊のほとんどが女性という団体ですので、男性陣はことさら女性に気を使っています(はずです)。支部の中心メンバーのほとんどがNGOの運営には素人の集まりながら、なんとか4年目を迎えようとしています。拙い体制の中で、よくここまで続けてこられたものです。それはAMDA兵庫がネパール支援という明確な目的を持っていることと、ネパール子ども病院が順調に発展しているおかげだと思っています。このようなAMDA兵庫のプロジェクト単位の支部活動が順調にいけば、今後日本各地に本部のプロジェクトを支援する支部やグループが設立されていくのではないでしょうか。細々とした活動ですが、これからもメンバーの力を合わせて継続した支援をしていきたいと思っています。


 AMDA兵庫支部は毎月第一土曜日、午後3時から5時半まで神戸の元町にある毎日新聞社神戸支部(神戸市中央区栄町道4-3-5 毎日新聞社 神戸支局)で定例会を行っています。関心のある方はどなたでも、大歓迎です。


 
AMDA兵庫事務局:
 兵庫県西宮市甲陽園本庄町4-8
 山田小児科内
 Tel/Fax:0798-71-9821
 http://www.amda-hyogo.gr.jp





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