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「ネパール総合保健パイロットプロジェクト」 PHASE(Project for the Health Advancement
through Sustained Empowerment)
AMDA Journal 2002年1月号より掲載
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PHASEでは、ネパール南西部に位置するルパンデヒ郡にある7つのグループ、Manakamana, Amerbikash, Kalika, Mahilakalyankari, Saraswati, Jagadamba, Laxmiにおいて、村落に住む女性を中心とする住民に、健康に関する必要最低限の知識と対処法を理解してもらうため、2000年9月より、保健教育チームが村落を巡回し、識字教育、保健衛生教育等を行っている。
a. 保健衛生教育
エイズ、結核、日本脳炎、ハンセン氏病、毒蛇、脱水等の病気の説明や対処法などのビデオ上映をし、基本的な知識を得てもらうと同時に、簡単な予防法などを学んでもらった。ネパールの村落ではテレビが珍しいため、多くの人が興味を持ちビデオに見入り、教育チームの話を聞いていた。実施回数、及び参加者数は、下記の通り。(7月は雨季の為、実施できず。)
期間
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実施回数
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参加者数
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5月
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8回
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294人
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6月
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7回
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278人
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7月
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0回
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0人
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8月
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11回
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614人
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9月
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9回
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364人
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10月
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7回
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226人
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合計
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42回
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1,776人
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b.識字教育
Manakamana、Amerbikas、Jagadambaの3グループで、87名が参加している。ネパールにおける成人女性の非識字率は8割を超え、僻地農村においては9割を超えるといわれているが、同地域における女性たちの字を学びたいという気持ちは強かった。識字教育で、女性たちは、毎日、日曜日から金曜日まで2時間、6ヶ月間学び、コース終了時には手紙の読み書き等が出来るようになる。最初、参加者登録の際はスタッフに名前を書いてもらい、サインではなく、拇印で登録をしていた女性たちが、最後には自分で名前を書き、サインをする。
c. トイレ建設
Laxmi地区の3箇所に、住民と協力し、トイレを建設した。住民との話合いの結果、穴を掘り、セメントを作り穴をセメントで固める作業は住民が行い、AMDA、PHASEチームは便器と穴の枠に使うスラブを寄付した。
このように、PHASEは現在パイロット規模でプロジェクトを展開しているが、子ども病院における「治療」面での支援と連携し、「予防」面での支援を行うことにより、ネパールの地方農村の保健衛生環境の改善に貢献したい。最後に、今夏に活動をスタートしたJagadanbaグループ(マヒニア地区)の村落における事前調査結果の一部を発表したい。同グループはタライ平原に位置し、タルー族が中心である。同グループの24家族(282名)の内、20家族の回答をもとに調査結果をまとめた。
1-1 家族構成
どのような家族構成か?
(家族を構成している人数の平均は7.4名であった。)
1-2 宗教:調査対象者の100%がヒンズー教である。
1-3 飲酒:約17%が習慣的にアルコールを摂取している。 (15歳以上を対象)
1-4 喫煙:約18%が喫煙習慣を持っている。(15歳以上を対象)
1-5 経済状況:
経済状況はどうか?(ほとんど全ての調査対象者は生計を農業で立てているので、農作物の生産量を経済指標にした。政府からの補助金も収入に含めた。)
とても貧困
貧困
普通
経済状況が良好
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20%
35%
25%
20%
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1-6 教育水準
読み書きはできるか?(6歳以上を対象に調査した。)
読み書きができない
簡単な文字の読み書きができる
基本的な読み書きができる
それ以上
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42%
14%
42%
2%
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