ネパール

ネパール・ダマックプロジェクト概要

プロジェクト 鈴木 俊介
AMDA Journal 2000年 9月号より掲載

1.背景

 ダマック市における本格的な医療事業は、1992年に開始された。 その数年前より、隣国ブータンにおいて民主化弾圧を受けたネパール系住民が、 ネパール東部地域へ避難し難民となった。AMDAはブータンネパール系難民の救援プロジェクトとして、 難民キャンプが集まるダマック市に第2次医療センターを設置し、彼らの診療にあたってきた。 さらに1995年からは、国連高等難民弁務官(UNHCR)からの正式な委託業務として、 難民に対する医療サービスを提供してきている。今なおダマック市周辺には約10万人の難民が避難生活を行なっている。

 この医療センターは、1995年以降「AMDA病院」と名称を変え、 またネパール政府からも総合医療施設としての認可を受け、難民に限らず、 ダマック市周辺のネパール住民に対しても総合的な医療サービスを提供している。 現在は、7対3の比率で一般住民の来院が難民患者数を上回っている。

 また、ネパール僻地における保健従事者の不足に対応するため、 日本の外務省が提供する草の根無償資金を活用させていただき、 1996年、保健人材養成センターを設置し、これまでに113名の准看護婦、 79名の保健婦及び保健士、さらに58名の臨床検査助手が、それぞれのコースを修了し、 現在も95名の学生が学んでいる。
 一方、1999年にはUSAID(アメリカ海外援助庁)及びFHI(ファミリー・ヘルス・インターナショナル)の支援を受け、 増加しつつあるエイズ予防のための事業を立上げた。現在、ダマック周辺の3つの郡において、 特に社会的弱者(売春婦や売春顧客を含む)に対するエイズ教育を実施したり、コンドーム使用を呼びかけている。

2.AMDA病院

 もともとブータン難民を診療するための施設であり、 現在もキャンプ内の一次診療所(応急処置ができる程度の施設)で手に負えない患者が、昼夜を問わず運ばれてくる。 特に救急患者や手術患者が多くなり、病棟に患者があふれるようになるとまさに野戦病院のようである。 しかし、全体的に見るとすでに地元に根ざした病院に脱皮した感があり、外来患者だけを見ると、 約80%の患者は地元ネパール人である。1996年から1999年の4年間にかけてAMDA病院の外来を訪れた患者数は、 約12万人にのぼる。そして救急患者数は4万人を超える。ちなみに、急患の難民と地元住民の比率は4対6である。

3. 保健人材養成センター
(Health Manpower Development Center)


創立は1996年である。
 以下略歴を記す。

1995
6月 草の根無償資金受理
8月 センター建設開始

1996
2月 センター完成、そして「ネパール技術教育及び職業訓練に関する評議会」より、人材育成センターとしての認可を得る。
   通称「AMDA病院附属医療養成学校」
5月 准看護婦及び臨床検査助手コースの開始(生徒数はそれぞれ39と20)

1997
5月 臨床検査助手生徒が12ヶ月コースを修了。
8月 保健婦/士養成コースも含めて、新学期開始。生徒数は、それぞれ38、19、そして40(保健婦/士養成コース)

1998
7月 AMDA神奈川が、奨学金制度を支援、合計7名が授与。

2000
3月 AMDA神奈川支部が、図書館の設立を支援、書籍を購入し開館した。


Course Academic Period No.of Students Applied No.of Students Admitted No.of Students Completed
96 Admission CMA n.a.
ANM 96.5〜98.4 121 39 38
LAB 96.5〜97.4 ? 20 20
97 Admission CMA 97.8〜98.10 119 40 40
ANM 97.8〜99.1 57 38 38
LAB 97.8〜98.7 22 19 18
98 Admission CMA 98.8〜99.10 68 40 39
ANM 98.8〜00.1 48 38 37
LAB 98.8〜99.7 62 20 20
99 Admission CMA 99.8〜00.10 44 32 Programongoing
ANM 99.8〜01.1 52 40
LAB 99.8〜00.7 34 23


4.エイズ予防プロジェクト

 プロジェクトの正式名称を、 「Behavior Change Intervention for the Prevention and Control of HIV/AIDS/STD among the Population at High Risk in Jhapa, Morang and Sunsari Districts」と言い、 エイズや性的感染症に関する教育及び広報活動を通じ、そうした疾患の感染率を減少させようというのが目的である。 AMDA病院が位置するジャパ郡はインドとの国境に陸続きで接しており、自由な行き来が認められていることから、 交易に関わる様々な人や車輛の出入りがある。

また、隣接するモラン郡やサンサリ郡もカトマンズへ抜ける幹線道路が貫いているため、こうした地域においては、 性を対象としたビジネスも社会の裏側で栄えてくる。当プロジェクトは、そうしたビジネスのサービスを提供する側と受け取る側に狙いを定め、 不特定多数の人を媒介として感染が広まらぬよう、特にコンドームの使用を奨励している。さらに、地元の有力者、工場労働者、学生、地域団体、 その他様々なグループへの働きかけを通じて、啓蒙活動を継続している。当プロジェクトは1999年の秋口に開始され、 2年間の契約を結んでいる。 その間の予算は約2千万円、現在27名のスタッフが活躍している。


5.識字教育(カトマンズ)

 AMDAネパールのカトマンズ事務所では、その一室を開放し、地域住民(特に、貧しく学校へ通えない子供達)を対象に、 週5日朝夕、無料の識字教育を行なっている。



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