ミャンマー

ミャンマープロジェクト概要


AMDA ミャンマー 岡安 利治
AMDA Journal 2003年11月号より掲載

ミャンマー事業は1995年にミャンマー事務所が設置され、早8年が経とうとしている。現在、首都ヤンゴンにヤンゴン事務所、AMDA研修センター、中部乾燥地帯にパコック事務所、ニャンウー事務所、メッティーラ事務所の4つの拠点において、日本人9名、ミャンマー人スタッフ87名が以下の各種事業を行っている。

1 JICA開発パートナー事業
「母と子のプライマリーヘルスケア」

 JICAの委託事業として、中部乾燥地帯に位置する3市(パコック、ニャンウー、メッティーラ)で医療活動および保健衛生活動を行っている。

1-1 小児病棟支援
 小児病棟改善支援として、3市の地区病院付属の医療機材供与、医療スタッフトレーニング、病棟改修を行なっている。昨年度はニャンウー病院小児病棟を改修し、9種類の医療機材を導入した。

1-2 無医村への医療サービス提供
 月曜日から金曜日まで3市15村の無医村での巡回診療活動を行っている。栄養給食活動、保健衛生教育活動を複合的に絡ませることで相乗効果を期待している。また週1回3市において訪問医療サービスを提供している。

1-3 栄養給食活動
 3市30村で、5歳未満の子供達を対象に体重と身長から栄養不良度を測り、各村25名計約750名に4ヶ月間、新たに建設された給食センターで週3日昼食と夕食を提供している。4ヶ月後に再度体重と身長を測り、栄養不良度が改善した子供は卒業し、改善が不十分な場合はさらに4ヶ月継続する。現在のところ3市でのばらつきがあり、一概には言えないが、4ヶ月後に50数%の子供が卒業していく。

1-4 貧困層である遠隔地住民の医療アクセスの確保
 プロジェクト実施村3市15村に小型トラクター(豆トラ)やトラクターを供与して、栄養給食活動に参加する子供達の移動手段を確保したり、緊急時(出産、事故、急病)の村人の搬送手段として使われている。

1-5 医療施設改善
 3市とも医療施設の水準が低かったため、上述した小児病棟支援だけでなく、メッティーラ・アレイワ村地域拠点病院建設および医療機材導入、パコック市の3つの地域拠点病院の医療機器搬入、 3市15村での公立診療所(Sub-Rural Health Centre)の建設および改修を行っている。

1-6 AMDA診療所
 3市市内に1箇所ずつ、AMDA診療所兼事務所を構えている。午前中、農村部巡回診療にでかけた医療スタッフが午後主に市内から来る患者を診療している。

1-7 医療従事者および医療ボランティア育成
 3市で勤務する医療従事者に対して医療機器の取り扱い、AMDA医療スタッフへの家族計画研修・医療処置研修、村々の保健ボランティアへの応急処置研修など行ってきている。

1-8 安全な水へのアクセス向上
 乾燥地帯では水は非常に深刻な問題である。ニャンウー市で活動する他の NGO(BAJ:ブリッジ・エージア・ジャパン)と合同で井戸を掘ったり、今年は現在、ため池の修復および雨水利用システムを実施している。

1-9 コミュニティ保健基金
 当事業対象の村や診療所での診療活動では、貧しい患者は無料であるが、 お金が払える患者からは、薬代だけ医薬品卸値価格の75%(市価の50%と思われる)を負担していただき、基金を設置している。この基金は手術を要する患者、特別な治療が必要な患者に対して、手術費用、医薬品費用、病院への本人および付き添い者の交通費などに利用されている。

講義をする吉岡医師
講義をする吉岡医師
2 「廉価な医療を住民へ」 (針灸および指圧プログラム)
 西洋医療を農村に普及するのも、その費用や機材など容易なことではない。ミャンマーに伝わり、正規に認定されている伝統医療法に日本で行われている東洋医学的治療法をとり入れる試みである。
 日本から長期医療専門家(医師兼東洋医学)と短期の専門家を招き、ミャンマーに存在する伝統医療医を対象に針灸および指圧のトレーニングをヤンゴン市内にあるACT(AMDA研修センター)で実施している。すでに100名の伝統医療医が研修を受けている。

3 HIV/ AIDS 予防事業
 ミャンマーでもHIV問題は深刻化する兆しがある。UNDP及びUNAIDS の協力で、中部乾燥地域3県10市でHIVの予防に重点をおいたプログラムを展開していく。2003年10月初旬現在、新規スタッフの採用およびトレーニングが終了し、10月後半から活動が本格化していく。

4 コーカン特別地区医療・教育支援(準備中)
 黄金三角地帯(ゴールデントライアングル)の1角北シャン州地区は、かつて麻薬の温床になっていたが、2002年末をもってケシ栽培が禁止された。しかしながら代替作物栽培の技術不足や準備不足で、街から離れた山岳住民は食糧難に陥っている。もともと教育水準が高くないうえ、現金収入への道が閉ざされ、食糧難に加え、栄養状態・健康状態が悪化している。現在、医療・栄養改善支援および教育支援のプログラムを準備している。

5 安全な水を住民へ (フォローアップ案件)
 パコックでのJSファンデーション支援により堀削された3つの井戸に加え、現在1つの井戸掘削が進行している。また佐賀県のNGO MISとの協力でメッティーラ市内に3箇所の浄水機がすでに設置されている。現在もその使用状況調査など適宜フォローアップを行っている。

6 メッティーラ市こども病院 (小児病棟支援:フォローアップ案件)
 建設された小児病棟に対して、現在も電力を供給する発電機の燃料費負担、医療機器など支援を継続している。また小児病棟裏に建設された栄養給食コーナーではAMDAの栄養士が毎日、小児病棟患者に食事を昼、夜と提供している。この運営資金の大部分はレストラン「サンマルク」の募金によってまかなわれている。

7 保健教育およびマイクロファィナンス (小規模融資:メッティーラ市)
 37箇所の村で25箇所のセンター(集会所)に約1300名の女性が小規模融資を受けている。2週間に1度開かれる集会では、保健セミナーを行い、その後に預金、返済、新規融資などいわゆるマイクロファィナンス事業が行われている。

8 ヤダナウーさん(心臓病患者) 治療プログラム
 AMDAの活動地域で見つかった心臓病患者ヤダナウーさんをサンケイ新聞「明美ちゃん基金」の資金支援と岡山大学医学部心臓外科の協力で、日本に招聘して手術を行う。同時にャンマー国心臓病関連医療従事者(医師1名、看護師1名)を招き、短期研修を行う予定である。

9 神戸甲南ライオンズクラブ 支援プログラム
 昨年はメッティーラ市セゴーン村診療所の建設およびテードーレー村井戸修復を行った。今年度はメッティーラ市、ニャンウー市、パコック市3市で地域住民と直接的に働く助産婦が医療機器不足に悩まされていることから、 AMDA活動地域内で働く彼女らに「助産婦キット」および研修を提供する予定である。

10 国際医療研修 in ミャンマー
 将来、国際医療協力で活躍を希望する日本人看護師に対して、AMDAの医療支援の現場を通じて、6ヶ月前後の研修および実施を受けていただき、経験をつみ、技術を磨いていただくプログラムである。現在2名が参加している。6・BR> 膜獅とに2名ずつの研修生を受け入れる予定である。


 このように、多くのスタッフ・プロジェクトを抱えて、プロジェクトの質の向上を考えつつ、電話も電気も不自由なフィールドとの連絡、難航する政府との交渉など、日々悪戦苦闘しております。  しかしながら皆様のご支援がなくては、こうしたプロジェクトも成り立ちません。皆様のご支援を形にしているのが私達なのです。今後も変わらぬご支援、ご協力をお願い致します。また機会がありましたら是非ミャンマーにお越し下さり、プロジェクトの視察もして頂きたいと思います。スタッフ一同お待ちしております。




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