ミャンマー

ミャンマーにACT(AMDA研修センター)が完成!

AMDAミャンマープロジェクト駐在代表 小林 哲也
AMDA Journal 2002年 4月号より掲載

 現在、国際協力の世界で活動するNGOに要求されている最も重要なテーマの一つが、「人材の育成」です。支援活動の、そしてその効果の持続性を確保するためには、支援される側のHuman Resource(人的資源)の充実が不可欠だからです。AMDAミャンマープロジェクトでは、これまで人材育成プログラムとして、保健医療分野ではミャンマー人の小児科医師や看護婦を招き、日本の病院で研修を行うプログラムを、また環境衛生分野ではMI S国際協力の会と協力し、ミャンマー人のエンジニアを招いて浄水機作成の技術研修を行うプログラムを実施してきました。

 特に保健医療分野において、ミャンマーでのこうした人材育成を更に支援するために、ミャンマー保健省と協力して2001年度から新たに始めたプロジェクトが、このACT(AMDA Center for Training:AMDA研修センター) です。本誌2001年3月号で詳しくご紹介したように、基礎的な医療サービスの機会を得ることが困難な地方エリアにも医療サービスが行き渡るように、様々なレベルでの医療従事者の育成を行い、優秀な人材をミャンマー全土に送り出すことがACTの目的と役割です。

 このACTは、外務省草の根無償資金の提供を受けて昨年3月から建設が開始されました。途中、長引く雨季で工事が遅れたり、水不足のため急遽井戸を掘ったりと様々な苦労がありましたが、建設をお願いした株式会社間組ミャンマー事務所の多大なるご協力により、同年12月に無事完成しました。

完成したAMDA研修センター:ACT全景
完成したAMDA研修センター:ACT全景

 そして去る2月12日(火)、ミャンマーの祝日「Union Day」にACTの完成を祝う完成記念式典を行いました。活動パートナーである保健省からはケッセン保健大臣やチョウミン副大臣、資金提供を頂いた日本大使館からは津守滋大使にご出席頂き、AMDA本部からは菅波知子医療顧問、鈴木俊介CSD局長(現海外事業本部長)が出席し、ACTの完成を共に祝いました。

 日本と同じように、ミャンマーでは祝い事は午前中が良いとされているため、式典は朝8時(!)に始まりました。ACTの脇に特設された式典会場には政府関係者やプロジェクトの関係者、それにAMDAの支援者など約100人が出席。祝日の早朝にもかかわらず、青木利通JICAミャンマー所長やUNICEFミャンマーのハイノネン保健栄養課長も参列されるなど、ACTに対する関心の高さが伺えました。

 式典では、まず始めに日本政府を代表して津守大使が壇上に上がり、途上国への支援で重要なのは現地の人材のエンパワメントであり、このACTが数多くのミャンマー人医療関係者の育成、技術向上のために寄与することを期待するという趣旨のスピーチをされました。次に保健省を代表してケッセン大臣が挨拶。ミャンマーでのAMDAの長年の取り組みと、そのサポートしている日本政府に対するお礼の言葉と共に、保健分野での人材育成のためにこのACTが積極的に活用されることへの希望が述べられました。そして最後にAMDAを代表し、菅波知子医療顧問が参加者にお礼を述べると共に、21世紀に向けたAMDAの活動理念に触れながら、 ACTの目的と役割、そして今後の利用計画について説明をしました。

 式典の終了後にはACTの玄関前でテープカット、そして記念の植樹が行われ、その後、建物内の見学が行われました。保健大臣はこのプロジェクトに大変関心が高く、建設中から何回も現場に足を運ばれており(土曜日の朝8時に来られたことも!)、今回は最終的な建物の仕上がり具合を確認。前回の視察時にチェックした、コンクリートのうちっぱなしのままだった床にきれいなシートが敷かれているのを見て満足そうに頷いていました(これは急な提案だったのでスタッフが総がかりで休日を返上して行いました。大変な作業でしたが、確かに見ためが非常に良くなり、清潔感もグッと増しました)。その後は軽食を囲んでの歓談。

ACTオープニングセレモニーテープカット
ACTオープニングセレモニーテープカット

 ケッセン保健大臣は97年に来日した際、岡山のAMDA本部を訪問されたことがあり、その時はAMDA理事長の私宅にホームステイもしています。大臣は今回、菅波理事長に会えなかったことを非常に残念がっておられましたが、知子夫人と訪岡時の思い出話に花が咲きました。そして午前10 時、全てのプログラムを終了し、式典は無事に幕を閉じました。

 初年度のACTでは、マイクロ・ファイナンスと保健教育を組み合わせたABCプロジェクト (AMDA Bank Complex)を促進するための専門家育成プログラムを4月から実施する予定であり、今はその最終的な準備に追われています。そして本年度の後半からは、ミャンマーの伝統医療士の方々を対象として、その技術の幅を広げるために鍼灸技術の研修を行うと共に、日本とミャンマーとの間で、伝統医療士の技術交流を実施していく予定です。ミャンマーでは西洋医学と共に伝統医学が活用されており、安価で副作用の無い伝統薬が数多く使用されています。こうした地域固有の気候や風土に根差した専門知識は、それ自体が貴重な文化であり、次世代に残すべきだけでなく、広く海外に向けて発信すべき情報です。日本にも同じように `統医薬品がありますが、その成り立ちや使用する原料、調合方法などは、恐らく両国でも色々な違いがあることでしょう。こうした文化としての医療技術を相互に交換することも、AMDA が理念として掲げている「多様性が共存する社会」を構築するための重要な要素だと思います。このようにACTでは、医師や看護婦、助産婦などだけを対象とするのではなく、より幅の広い医療関係者を対象としたユニークな研修を行っていきたいと考えています。

 このACTを活用することで、保健医療分野を中心に、21世紀のミャンマーを担う様々な人材の育成に取り組んでいきたいと思います。最後になりましたが、この事業にご支援を頂いた、日本大使館を始めとする内外の関係者に心から御礼を申し上げ、完成記念式典の報告とさせて頂きます。




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