ミャンマー

パコック市における
“水と衛生教育プロジェクト”

ミャンマープロジェクト ヤンゴン事務所
ケイ カイン アウン
AMDA Journal 2001年 3月号より掲載

 パコック市は、ミャンマー連邦中央部の乾燥地帯マグウェイ管区に位置しており、世界3大仏教遺跡として有名な古都パガンから舟で1時間程かかる。パコック内の大半の村は夏季になると強い太陽の元で池の水が全て蒸発するために、掘り抜き井戸に頼らなければいけない。村人が飲料水と生活用水を得る唯一の手段はその掘り抜き井戸のみであり、村によっては人口が多いために十分な水を得ることができない深刻な問題を抱える。

 そのため、AMDAミャンマーは、人間としての基本的な必要性を満たすため“水と衛生教育プロジェクト”の実施に同地区を選んだ。これは当地において国際機関や海外NGOによる初めての“保健医療”支援活動でもある。私達、ミャンマーの仏教徒は、水を切実に求めている人々のために、このプロジェクトは最も必要で役立つ活動の一つだと確信する。

 このプロジェクトの担当を任命された時、私は大変嬉しくて、出来る限りの努力をしようと心に誓った。2回目の村落の視察/調査と各村長及び村人との話し合いの後、AMDAはカイン村、インピン村、マギイカン村とキャク・プー村の4村を選出した。これらの村落は海抜66m以上に位置し、水を得る事が大変困難な場所である。

 

まず昨年の12月に、井戸を掘るための専門業者を選び、各村に掘り抜き井戸1基を設置する事を決定した。1基にはそれぞれ井戸、パイプ、揚水ポンプ、エンジン、及び水槽が含まれている。これらの村落には電気が入ってないので、揚水ポンプは発電用のエンジンが必要となる。

 最初に、パコック市中心から北へ約12kmの、人口1,760人/300世帯のカイン村の井戸掘りが開始され、オーバーヘッドの水槽建設とパイプラインを接続する予定である。現在は毎日、老若男女を問わず村人全員が、天秤棒をかついで歩いて古い掘り抜き井戸まで水汲みに通い、中には輸送に牛車を使っている人もいる。パイプラインの接続が終ると全世帯、学校、寺院等へ給水する事が可能となり、生活が大きく改善される。ミャンマー政府は将来、カイン村がパコック市のモデル村になる事を望んでいる。

 カイン村の次に、人口500人/86世帯のマギイカン村に井戸を設置する計画である。その後、インピン村(人口は649人/136世帯)や、パコック中心から約20km離れているキャク・プー村(人口1,300人/180世帯)でもプロジェクトを進める。

 村々での調査中、村人は私達スタッフを暖かく迎えてくれ、AMDAのために祈りを捧げてくれた。十分な給水を受ける事は、彼等にとって非常に大切で必要な事である。私はAMDAがミャンマーで村人の必要性を満たす活動ができることを幸せに思い、心から誇りに思っている。この水と衛生教育プロジェクトが今年の3月末までに好結果を残して完了する事を切に望んでいる。     (翻訳 藤井 倭文子) 



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