ミャンマー

ACT(AMDA研修センター)の建設、スタート間近!
AMDAミャンマープロジェクト駐在代表
小林 哲也
ACTプロジェクトマネージャー
ナンセンエ

AMDA Journal 2001年 3月号より掲載

 現在AMDAミャンマーは、首都ヤンゴン市内において、ACT(AMDA研修センター)を建設するプロジェクトの実施に向けた準備を進めています。 このプロジェクトは、ミャンマー保健省とAMDAの協力によって進められているものです。

 AMDAミャンマーの過去6年間に渡る医療活動を通じて分かったことは、特に地方に住む人々にとって、基礎的な医療サービスの機会を得ることが非常に困難であるということです。 その理由は色々ありますが、医者や看護婦など、医療従事者が絶対的に不足していることが、最も深刻な原因であると考えられます。

 そこで地方にも医療サービスが行き渡るように、研修センターを設立して様々な分野の医療従事者の育成を行い、優秀な人材をミャンマー全土に送り出す計画が浮かび上がってきました。 それが今回のACT(AMDA研修センター)の建設計画です。

 研修センターはヤンゴン市内から東に車で15分、郊外のサウスダゴン地区にある保健省の敷地内に建設される予定です。土地は保健省から無償で借り受け、 建物や設備はAMDAが供給します。

 研修センターでは将来、各種の医療関係者を対象とした研修を行う予定ですが、最初から多くの研修プログラムを適正に運営することは困難です。そこでこのプロジェクトでは、 研修の運営を着実に軌道に乗せて持続性の高いものとするために、様々な医療スタッフの職種の中から、まず重要度の高い幾つかの分野を選んで人材育成を実施する予定です。 具体的に1年目は、「伝統医の育成」と「基礎保健教育と結び付けたマイクロ・クレジット(少額融資)専門家の育成」を行う計画を進めています。 各プログラムの概要は以下の通りです。

1) 伝統医の育成プログラム

 ミャンマーの伝統医療は、古代からこの国で用いられてきたものです。この伝統医療は仏教哲学と深く結び付いており、その教えを元にして成立しました。 政府もその適切な普及を目指しており、1928年という早い時期に、保健局の下に伝統医療普及促進室を設置しています。 伝統医療はミャンマー全土で広く用いられており、西洋近代医療の補完的、そして代替的な役割を果たしています。

 ミャンマーでは約7割の国民が伝統医療を信頼し、利用しています。これは伝統医療の薬が安く、また副作用がなく安心して利用出来るためだと考えられています。 これはミャンマーの貴重な財産であり、現在では300名に及ぶ伝統医が存在しているのですが、残念ながら世界的にはまだ殆ど知られていません。

 そこで、「伝統医の育成」プログラムでは、@ミャンマー人のベテラン伝統医によるフォローアップ研修、A鍼灸治療の専門家を中国から招いて研修を行い、 ミャンマー人伝統医の知識や技術の幅を広げる、Bミャンマー人伝統医を日本に派遣し、伝統医療の技術交流と国外への紹介を行う、 という3点をプログラムの中心として進めていく予定です。


2) 基礎保健教育と結び付けたマイクロ・クレジット(少額融資)専門家の育成プログラム

 ミャンマーの地方では、基礎保健医療に関する人々の知識不足が深刻ですが、家計の苦しさから、保健教育にまで力を注ぐことが出来ていません。 そして仮にこうしたプライマリーヘルスケア教育を実施しても、村人達は農作業や家事に追われ、継続的に参加することは極めて困難です。
 AMDAミャンマーが行っているマイクロ・クレジット事業では、融資の条件として、月2回の返済日に行われるヘルストークと呼ばれる保健教育への参加を義務付けています。 融資がヘルストークへの参加のインセンティブとなっていて、村人達の所得向上と基礎保健知識の習得に効果を上げているのです。

 そこで「基礎保健教育と結び付けたマイクロ・クレジット(少額融資) 専門家の育成」プログラムでは、国内外のマイクロ・クレジット専門家を育成します。 そしてこの事業をミャンマー国内に普及させる支援をすることで、特に地方における村人の所得創出、そしてプライマリーヘルスケア教育の普及を目指しています。

 ミャンマーには100を超える少数民族がおり、その生活水準は残念ながら決して高くありません。研修を受けた専門家が各地でマイクロ・クレジット事業を実施することで、 各地の少数民族の所得水準を向上させることが可能となります。このプロジェクトが成功すれば、貧しい人々の健康状態だけでなく、生活水準も向上させることが出来るでしょう。

 将来的には保健省の手によって研修プログラムが拡大され、様々な目的に添った医療スタッフが育成されることになります。そうなれば医療従事者の数も増加し、ミャンマーの医療レベルを向上させることが出来ます。

 計画が順調に進めば、3月末から建設が始まり、今年秋には建物が完成する予定です。そして来年の春には、最初の研修生がここでの研修を終え、
新たなスタートを切ることになります。今後の進捗については、随時AMDA ジャーナル誌上でお伝えしていく予定です。



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