ケニア

AMDAケニアのプロジェクト概要


AMDAケニア Joh N.Nderitu (Project Manager)
AMDA Journal 2003年9月号より掲載

AMDAはケニアで様々なプロジェクトを実施しており、そのほとんどのプロジェクトはケニア最大のスラ ムであるキベラスラムを中心に行っている。

1:青少年育成プログラム
キベラスラムに住む青少年のための能力育成(キャパシティービルディング)を意図するものであり、 同時にこのプログラムを通じて彼らの生活のみならずコミュニティー全体の向上を目的とする。
プログラムは5つの領域で活動中:

1.1:職業訓練(木工訓練及び裁縫訓練)
 キベラスラムに住み、過去に木工または裁縫訓練を受けたことがない青少年男女を対象とし、1年内に 青年は木工技術習得、また女性は縫製技術習得を目的する。それぞれのクラスを履修すると、修了の際 にはAMDA修了書を受け取ることになる。さらに、修了者は政府職業試験grade IIIを受けることができ、 合格した人が取得する認定書はその後の就職活動に大いに活用することができる。
 この職業訓練クラスの中で、生徒が作った家具を実際にAMDAオフィスで使用している。また、女性の 大半は幼児のドレスを作っている。7月、AMDAはAMRUT孤児院にいる孤児のために女の子用ドレス、男 の子用のシャツ、ブラウス、ズボン、ショートパンツなどを寄贈した。その代わりに、AMDAのために ヨガのレッスンを無料で提供してもらっている。現在キベラにおいて生徒が製作した家具を販売し、そ れによって得た収益を今後のプロジェクトの自立と持続性を高めるために充てるよう様々な努力がなさ れている。

1.2:マイクロクレジット(小規模融資)
 AMDAはJua-Kali職人にマイクロクレジットローンを提供している。
 Jua-Kaliはスワヒリ語でHot Sunという意味であり、溶接、木工、靴修理などのような小規模ビジネス を野外で行っている職人たちをさす。
 AMDAはトータルで117,000Kshを5つのJua-Kaliに貸し付け、無利子で 15ヶ月以内に返済されることに なっている。また、借りたお金を返却できなかった場合に備えて様々な安全策・打開策をとるように工 夫されている。これまでに3人の借り手が無事返済を終了したが、2人の借り手が個人的な理由で返済を 完了できていない。AMDAはこの2人との交渉の結果、彼らの負債を無効にすることにし、その代わりそれ ぞれに対して5つの椅子などの家具を製作しAMDAに提供することを約束してもらった。

1.3:クリーンアップキャンペーン
 キベラスラムで毎月一回実施しているプロジェクトであり、これは劣悪なエリアを一斉清掃する。清掃 は2つのやり方で行われ、最も一般的な方法としてゴミ袋を持参しスラムに行き、掃除をする。集めたご みは、ナイロビ市評議会の清掃課と協力し、市の清掃車で廃棄してもらったり、AMDAスタッフがゴミを 収集し焼却したりする。焼却は処理が簡単な乾いたゴミのみにあてはまる。
 キベラスラムは人口密度が高いわりに道路、下水処理施設、公衆便所等インフラの不備が目立つ。ク リーンアップはAMDAスタッフとAMDA訓練センターの生徒によって実行される。また、キャンペーン中に は訪問者にも参加し、手伝ってもらうこともある。

1.4:保健衛生教育
 訓練センターにいる生徒を対象に保健・衛生に関して教育を行っている。この教育を通して彼らは家庭 での一般疾患の原因を理解し、さらに予防方法を学んでいく。生徒達は体のしくみ、性教育、栄養、そし て環境衛生について学ぶ。AMDAスタッフならびにゲストスピーカーによってさまざまなテーマが講義される。

1.5:コミュニティークラブ
 このプロジェクトもまたキベラの青少年や小学校に通う子ども達を対象にしたものである。AMDAは年 に2回サッカートーナメントを開催し、優勝チーム対し、あまり多くはないが賞金やボールなどの副賞を 提供している。少年達は優勝をかけて士気を高めることになる。参加している少年の何人かは将来プロ のサッカー選手になることを夢見るのである。
 音楽クラブはAMDAケニア駐在代表が発案したクラブで、小学校の生徒たちに英語・日本語で色々な歌 を教えている。実際にゲストの来校時や卒業式などの行事には音楽クラブのグループが活躍している。

2.健康増進
 2.1:VCT センター 

 AMDAはキベラコミュニティーで日々生活に関わる様々な問題に対してカウンセリングサービスを提供 している。最もコミュニティーが深刻に直面している問題はHIV/AIDSである。
 2003年1月6日、AMDAケニアはキベラに自発的カウンセリング・テスティング(VCT)センターを開設し た。ここでは3人のカウンセラーがセンターを訪れる人のためにVCTまたは一般的なカウンセリングを実 施している。これまでに400人以上の訪問者がこのセンターでカウンセリングまたはHIV 検査サービスを 受けている。

2.2:公衆トイレと排水溝設置
 AMDAはキベラの劣悪な環境衛生を改善するために4つの公衆トイレを設置した。さらに500メーターほ どの排水溝の建設によって排水環境を整備し、地域を清潔に保てるよう取り組んでいる。

2.3:FREPALS(フレパルス)クリニックとのパートナーシップ(医療サービス)
 住民が低コストで医療サービスを受けられるようにFREPALSクリニックと提携している。医療サービ スには、一般疾患の治療、MCH(母子保健)や産婦人科系の診療、家族計画、5歳以下の幼児に対する 予防接種などが含まれている。

3.緊急援助
 様々な災害が発生した場合に速やかに適切な人材を現場に派遣することを目的としている。過去2年 間に、2回の自然災害発生時に救援隊を派遣しており、1回目は2002年1月のコンゴで起きたNyarigongo 火山噴火の際に、難民が押し寄せてきたルワンダ難民キャンプにおいて援助活動を行った。7名からなる チームがルワンダのGisenyi内のUNHCR難民キャンプに派遣され、そこではヘルスセンターにおいて診療 の効率化を図るために、検査室を設けた。また、キャンプ内の子供たちの世話をしている団体Save the Children UKに 毛布や栄養ミルクを寄付した。
 2回目の緊急救援隊は2003年5月に西部ケニアで起こった大洪水にともないブダランギに派遣を決定した。 IMCU:国際医療協力機構と合同で編成した看護士、臨床検査技師他14人のチームが3週間に及んで活動を 行った。仮設診療所において診療活動を実施し、緊急の場合には近くの病院までの移送をすることもあった。

4:モニタリング
 AMDAは日本大使館の委託を受けて草の根無償資金で活動している4団体の活動推進状況について、モ ニタリング業務を行った。
 これまでにモニタリングしたプロジェクトとして
A)HANDICAPInternationalが支援するKitale郡病院が行っているVCTセンターの建設
B)AMRUTが支援するKawangrareの孤児院の建設
C)MkomaniクリニックによるMombasaの産婦人科病棟の建設
D)AMREFが実施する巡回診療のための無線機の設置
 私がAMDAでこれまで働いた2年間、私の国ケニアをあらためて様々な角度から見つめ直すことができた。 これまで困難な状況のもと助けを必要としている人を多く見てきたし、またこれらの人々に対してでき る範囲で手助けをしてきたつもりである。しかし母親は子供たちのために汗水流して働いている間に男 性が飲酒やギャンブルに走る光景が珍しくないキベラでは、問題がまだまだ山積みの状態である。
 キベラで家族全体を助けるにはその柱となっている女性を支援すべきだと私は思っており、今後はさ らに女性を対象にしたプログラムを始めることができないかと考えている。




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