自発的なカウンセリング及び検査(VCT)の実施
AMDAはケニアでHIV/AIDSプロジェクトを管理する国の機関であるナショナル・エイズ及び性感染症コントロールプログラム(NASCOP)による国の定めたVCTに関する指導に従う。VCT実施クリニックでは、少なくても2人のカウンセラー(1人は雇用された専門家、他の1人は任意的)が駐在する。これにより1人が病気又は急用で出勤できない場合でも、もう1人のカウンセラーによってサービスを続ける事ができる。
他に必要なスタッフは地域の人々から支持を集める事である。現在AMDAではエイズ感染者でありながら積極的に生活を営んでいる人々に交渉中である。これらの人々や指導者は地域住民にVCTを受ける事を促すためや、HIV感染者が体験する痛みを取り払うためにも大変重要である。
HIVに感染すると自動的に死へつながるという思い込みを取り払うための努力もする。又、彼等はAMDAが結成しようとしている検査後のクラブ(AMDAクラブ)の支援をしてくれる事にもなる。このクラブはVCT検査を受けた人々が我々のVCTプロジェクトのメンバーとなり、地域での動員の仕方についてや、HIVウイルスとどのようにして積極的に生活するかについて指導をうける。
AMDAはあやつり人形を使ってエイズ感染予防やVCTについて地域の住民に呼びかける意向である。他の方法として、ビデオやポスターを使って地域住民に我々の意図を伝えたり、感染者に希望を持たせるために、感染者の実体験話等を企画している。
検査
VCTの検査は全て同日に行われ、依頼者が望めば同日結果を知らせる事ができる。これを可能にするためにHIV簡易検査キットが使われている。
AMDAでは現在市販されている検査キットを使っており、15分で結果を知る事ができる。資格のあるカウンセラーが診察室で検査を行い、その管理は極秘にされている。
この検査は無料で提供されるので多くの人々がこのサービスを受ける事ができる。検査結果で陽性反応がでた人は、HIV感染者にたずさわっている他の機関ともつながっているAMDAフレパルス診療所で治療を受ける事ができる。もうひとつ述べなければいけない重要な点は妊娠期間中クリニックを訪れている全妊婦の検査である。これは母から子への伝染の予防をするためである。梅毒検査も全ての妊婦に実施される。これは早期発見により病気の治療をすることができるし、妊婦を奇形児出産から守る事もできる。
要するに、このプロジェクトは現存している医療ケアセンターでの治療費が非常に高いために、医療ケアサービスへのアクセスが無い極めて貧困な生活を送っているキベラの住民を支援する事を目的としている。
現在我々が直面している主な問題はすばやく検査結果のでるHIVキットが非常に高価であり、依頼者は1回の検査に少なくとも2つの異なったキットが必要なことである。HIVと梅毒のための簡易検査キットを現地で調達できるよう、現地の関係機関の中から寄贈してくださるところを見つけ出す事に我々は総力をあげている。このプロジェクトの成功は、エイズに関する恐怖心、心配事、心の傷、絶望感を軽減する。
参考文献:
1. 世界銀行(2000年)- Intensifying Action
Against HIV/AIDS in Africa.
2. 国連エイズ計画(2000年)- Epidemiological
Fact Sheet on HIV/AIDS and sexually transmitted
infections in Kenya.
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