ホンジュラス

ホンジュラス保健衛生指導者養成報告

AMDAホンジュラス 渡辺 咲子
AMDA Journal 2002年 11月号より掲載

AMDAホンジュラスでは2000年より首都テグシガルパ市ラモン・アマヤ・アマドール地区(以下RAA)とエル・パライソ県トロヘス市にて保健衛生指導者(以下ヘルスボランティア)の育成を行っています。

ホンジュラスで一般に呼ばれるヘルスボランティアは、家庭訪問(健康相談、衛生指導)、コンドーム配布、脱水時に使用する補水飲料の配布、出生者、死亡者の報告、ヘルスセンターへの患者紹介が主な活動です。そのため彼らには保健衛生に関する基本的な知識が必要で、ヘルスセンターまたはNGO等がこの教育を行っています。

トロヘスはニカラグア国境沿いの農村地域で1980年代にはニカラグアのサンディニスタによるホンジュラス進入で激戦地となった地域です。現在トロヘスの街には激戦の傷跡は全く見られず、ホンジュラスコーヒーの産地として知られています。

応急処置を学ぶヘルスボランティア
応急処置を学ぶヘルスボランティア

トロヘスの保健衛生教育は2000年2月から7ヶ月間毎月2日間のセミナーを実施しました。セミナー参加者はトロヘスの地元看護婦で、医療サービス機関へのアクセスが困難な11コミュニティーが選ばれました。どのコミュニティーもトロヘスまで2時間以上かかります。 セミナーは参加者との意見交換に始まり、コミュニティーに頻発する疾患を中心に、毎回予防法や助言法を取り入れた講義が進められ、約50名のヘルスボランティア養成を行い、コミュニティー薬局を設置しました。 どのコミュニティーも医療サービス機関へのアクセスが困難なことから、保健衛生の知識を持ったヘルスボランティアの存在はとても重要であり、コミュニティーの有力者(自治会メンバー)がヘルスボランティアとして活動しているところが多く見られます。

私がトロヘスを最初に訪問した昨年2月には、すでに9つのコミュニティー薬局運営が行われていました。残念ながら2つのコミュニティーのボランティアは薬局を継続できず閉鎖されていました。 ボランティアの中には薬品の種類を増やしたい、薬品に関する知識がほしいという声が多く聞かれるようになり、ホンジュラス保健省と協力し、新コミュニティー薬局の設置に至りました(AMDAジャーナル2002年2、9月号参)。 新コミュニティー薬局は昨年11月に設置され、8月までに4057名がこの薬局を利用しています。AMDAでは薬局の設置後もボランティアの保健衛生教育を継続し、8月にはコミュニティーに救急箱を配布し、コミュニティーの応急処置にあたります。 この救急箱はコミュニティーで管理し、薬局の利益でガーゼや包帯など補充することになり、コミュニティー薬局の利益がコミュニティー全体に還元されることになりました。

トロヘスのミーティングは毎月一回、週末に行われます。ミーティングの開始時にコミュニティー間で意見交換をします。時には保健衛生とは程遠い話題になってしまうこともありますが、この意見交換はボランティアにとっても私自身にとっても有効で、特に自然薬についての彼らの知識はとても豊富で話が尽きることはありません。 以前毒蛇に噛まれた時の対処について講義しました。私が持っている知識と言えば、傷口を洗い、止血せず、速やかに抗毒剤を持っている病院へ移送する。これが一般に言われている処置法ですが、コミュニティーでは、噛んだ蛇の頭を切り落とし、毒を牙から出し、灯油とカリベという白い固形物を混ぜて飲ませるそうです。 実際にこれを飲んで、命を落とさずにすんだ人がたくさんいるそうです。また利尿作用、下剤効果、消炎作用のある植物など、トロヘスのミーティングで情報を得ることができました。

現在AMDAは11コミュニティー、32人のヘルスボランティアに保健衛生教育を行っています。今年10月からはさらに5コミュニティー、15名のヘルスボランティア養成を開始します。

RAAは低所得者居住地区であり、AMDAが活動を始めるまで2人のヘルスボランティアが住民約5000人の健康相談、妊産婦訪問に対応していました。AMDAでは2000年6月から保健省地域課のヘルスボランティア育成プログラムに沿い、約30名のヘルスボランティア希望者対象にセミナーを行うと共に、毎週一回のワークショップを開催し、ヘルスボランティアの知識向上、コミュニティー保健衛生教育の援助を行いました。 コミュニティー保健衛生教育では、保健衛生教育を受けたヘルスボランティアが隣人を招き、下痢、呼吸器疾患、避妊法、喫煙、エイズ予防等について教育を行います。この活動はボランティアの子供が通学する学校まで広がり、小中学生にもボランティアがエイズ予防教育を行いました。

以前この地域にコミュニティー薬局3箇所を設置しました。コミュニティー薬局とは医薬品を安価で購入できる小さな薬局です。 このコミュニティー薬局はボランティアの都合で継続が困難になり、閉鎖されましたが、地域住民やボランティアからコミュニティー薬局再設置の要請が強まり、ホンデュラス保健省薬局課と協力しRAAとその隣接コミュニティーであるモンテ・デ・ベンディシオンのコミュニティー薬局再設置に至りました。 新コミュニティー薬局は、保健省の許可を受けており、薬品数も増え、感染症、寄生虫症、炎症、皮膚疾患、真菌症、貧血等一般に多く見られる疾患に対処できるようになりました。この薬局の利用者はRAA、モンテ・デ・ベンディシオン住民だけでなく、ヘルスセンターから紹介を受けた患者、隣接コミュニティーから薬品を買い求めて来る人もいます。 今年7月にオープンしたコミュニティー薬局ですが、8月までにすでに455名がこのコミュニティー薬局を利用しました。現在この地区のヘルスボランティアは13名がヘルスセンターに所属していますが、そのうち9名に救急箱を配布し、救急時の応急処置の研修を行っています。




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