ホンジュラス

ホンジュラス活動報告

AMDAインターナショナルホンジュラスプロジェクト事務所
調整員 渡辺 咲子
AMDA Journal 2001年 8月号より掲載

 ホンジュラスプロジェクトオフィスでは、現在、ヘルスボランティアの養成、 エイズ予防教育、防災セミナー、排水溝建設などのプロジェクトを行なっています。

ヘルスボランティア養成

 RAA(ラモン・アマヤ・アマドール)のヘルスボランティア養成は、 昨年8月に始まり現在9名のヘルスボランティアが実際に活躍しています。 ヘルスボランティアになるには性別、年齢、学歴、職業など問いません。 必要なものは、身分証明書とコミュニティの為に働く気持ちがあることです。

 ヘルスボランティア希望者は、管轄のヘルスセンタ ーから3回の集中ヘルスセミナーを受けなくてはなりません。

第1回

 ・ホンジュラスの保健状況と保健政策

 ・ヘルスボランティアとは

 ・小児の成長と発達─コントロール

 ・下痢、コレラ─下痢時の経口投与

 ・予防接種

 ・急性呼吸器感染症

 ・インフォメーションの記入方法

第2回

・性

・思春期の自己価値

・コミュニケーションと助言

・生殖器、月経

・妊娠、出産、産褥期

・エイズ、STD(性感染症)

第3回

・衛生管理

・水

・ゴミ

・簡易トイレ

・虫媒介疾患 デング熱、マラリア、
 シャーガス病(サシガメが媒介する感染症でまだ十分な治療法がない。
  ホンジュラスではチャガスと呼ぶ)

 上記のテーマでセミナーは進められます。

 ヘルスボランティアは毎月1回、ヘルスセンターで行われるミーティング に参加します。

 巡回診療、予防接種などの予告と共に看護婦、ソーシャルワ ーカーからその時期の問題になっている疾患、 衛生、家族計画などのテーマ の話を聞きます。ミーティング後報告書の提出をし、コンドーム12個、 リトロソル(経口補給飲料)6袋、ビタミンA(希望者のみ)を受け取ります。 これらはヘルスボランティアがコミュニティに配布するためのものです。

 第1回目のRAA のヘルスボランティア養成セミナーには21名の参加がありました。 第2回は11名でした。第 3回目は7月下旬に開催予定をしています。

エイズ予防教育プロジェクト

タブーを破る Part T

 昨年始まったエイズ予防教育プロジェクトが最終段階に入りました。第一段階でAMDA職員、 ヘルスボランテエイズについての基礎知識を学ぶヘルスボランティアィアの一部にエイズ予防教育が施され、 第二段階で教育を受けたAMDA 職員とヘルスボランティアがヴィジャヌエバとカリザール2箇所のヘルスセンターと、 1コミュニティ、ラモンアマヤアマドールでヘルスボランティアを対象にエイズセミナーを行いました。 その後AMDAペルーのDr.Yoshi、心理学者のNadiaから青少年対象に性、 エイズ予防教育法を伝授されたヘルスボランティアは各コミュニティでエイズ予防教育を展開することになりました。

コミュニティ内でのエイズ教育

 ヘルスボランティアは自分の家に隣人を招いてエイズ予防教育を行いました。中には教会の集会を利用するものもあり、 これまで老若男女問わず総勢198人がヘルスボランティアの行うエイズ予防教育に参加しています。 カトリック教国であるホンジュラスでは数年前まで家族計画、避妊具の使用は強く敬遠されていたにも関わらず、 彼女達の集会ではコンドームのデモンストレーションをするにあたって、 "私達に避妊具は 必要ないが、まだ神を知らない多くの人を救うために一緒に学びましょう" と積極的でした。 AMDAではヘルスボランティアのエイズ教育を援助すると共に、コンドーム、パンフレットの配布を行っています。

タブーを破る Part U

 ヘルスボランティアの活動は家庭内に留まらず学校まで発展し、4校合計429人の生徒にエイズ予防教育が行われています。 ヘルスボランティア達はレクリエーション、ビデオなどをとおしてエイズの基本的な知識を与え、また校長、 担当教師の意見を聞き、必要と思われるときにはコンドーム使用法のデモンストレーションも行いました。 木製性器を見ると笑い出すものがあったり、恥ずかしくて見ていられないのか目を背ける学生が見られましたが、 デモンストレーションが始まると真剣な眼差しに変わっていきました。

 青少年対象の集会でいつも私達が付け足すことですが、エイズ問題に限らず、若年妊娠、 出産に伴う危険や性交開始時期を遅らせること、そしていつかその時がきた時このセミナーを思い出してほしいと話しています。

救急箱配布プロジェクト

 ラモン・カリックス・フィゲロア学校で行ったエイズ教育がきっかけで、 校長先生より救急箱の寄付を求める申請書を渡されました。 この学校の校庭半分に校舎建設時に使われた石(岩と言ったほうが正しい)が放置され、 生徒が恰好の遊び場としているため、外傷が絶えないそうです。学校に救急箱はなく、 怪我をした生徒は家に返され処置を受けている状況でした。


救急処置の指導の様子

 今回救急箱配布にあたり、赤十字トレーニングセンターの協力を得て、 教師対象のファーストエイドセミナーを同時に開催することにしました。 ホンジュラスの公立学校は普通午前又は午後のみの授業です。この学校も午前の授業しかありません。 そのためセミナー当日は臨時休校になり、生徒たちはさぞ喜んだでしょう。

 ファーストエイドセミナーは火傷、外傷、骨折、めまい、誤飲の手当てを講義と演習を交えて行われました。 最後にAMDAから救急薬品の投与法と注意事項の説明でセミナーは終了しました。 終了後、救急箱を寄付し、校長先生より感謝の言葉を受け取りました。今後医薬備品の補充は生徒とヘルスセンターがしていきます。

 今回のセミナーを行なう以前にも、多くの教師が何らかの救急処置を経験していましたが、実際処置をしていても、 自分がしている処置の方法は正し いのか半信半疑だったそうです。 このセミナーを通して正しい救急処置の仕方を学んでもらうことができたと思います。

 時期を同じくしてカリザール地区の2つの学校にも救急箱を配布しました。 この2校でもヘルスセンターの看護婦と協力し、ファーストエイドセミナーを開催しました。

コミュニティと学校でのエイズ予防教育セミナー
日付
ヘルス
ボランティア
コミュニティー
テーマ
対象
参加
2月 3日
2月23日
2月27日
2月28日
3月16日
3月20日
4月20日
5月 1日
6月 2日
7月 4日
Miny
Ana
Angela
Groria
Zulma
Isabel
Maria Luz
Isabel
Gilvia
Groria
カリザール
モンテ デ ベンディシオン
ヴィジャ ヌエヴァ
ヴィジャ ヌエヴァ
アルシエリ
ヴィジャ ヌエヴァ
モンテ デ ヴェンディシオン
ヴィジャ ヌエヴァ
モンテ デ ヴェンディシオン
カリザール
HIV/AIDS
HIV/AIDS
HIV/AIDS
HIV/AIDS
HIV/AIDS
HIV/AIDS
HIV/AIDS
HIV/AIDS
HIV/AIDS
HIV/AIDS
隣人青少年
隣人女性
カトリック教女性グループ
女性グループ
隣人青少年
隣人青少年
隣人青少年(マラ)
隣人青少年(マラ)
カトリック教グループ
隣人青少年(マラ)
コミュニティバンク
13名
6名
23名
11名
15名
9名
29名
43名
34名
15名
    
198名
5月8,9,15,16日
5月29日
6月20日
7月12日
Zulma
Isabel
Consuelo
Becy
アルシエリ
ヴィジャ ヌエヴァ
カリザール
カリザール
HIV/AIDS
HIV/AIDS
HIV/AIDS
HIV/AIDS
学生5年生から9年生まで
学生5年生
学生2年生から6年生まで
中学3年生
204名
55名
81名
89名
    
429名
                              合計
627名



緊急救援活動

アメリカ

アンゴラ

イラク

インドネシア

ウガンダ

カンボジア

グアテマラ

ケニア

コソボ

ザンビア

ジブチ

スーダン

スリランカ

ネパール

パキスタン

バングラデシュ

フイリピン

ベトナム

ペルー

ボリビア

ホンジュラス

ミャンマー

ルワンダ

ASMP 特集

防災訓練

スタディツアー

国際協力ひろば