ホンジュラス

ホンジュラス便り

前田あゆみ
AMDA Journal 2001年 1月号より掲載

 朝晩肌寒くなってきました。急激な気候の変化に、私も含め、風邪をひいている人が増えています。年を締めくくる一大イベント、クリスマスを1ヶ月後にひかえ、町のあちこちで飾りがつけられ、クリスマスソングが流れ始めました。


 今ホンジュラスのメディアをにぎわせているのは大統領予備選です。2大政党(Partido LiberalとPartido Nacional)が来年の大統領選挙に向けて候補者選びをする選挙が12月の中旬に実施されます。公共事業が利用されたりと様々な形で票集めが繰り広げられており、政治家達の醜い争いが続いています。

 ある国民党の有力候補者は、予備選直前に突然出生が問題になり、ホンジュラス国籍が認められなくなり立候補断念を余儀なくされそうな状況です。別の自由党の有力候補者は、ラモン・アマヤ・アマドール(AMDAの活動するスラム、以下RAA)の土地所有問題の解決を促したことにより、RAA内のかなりの票を集めることになりそうです。ローカルスタッフ曰く、金を持っている候補者が勝つ。さて最近(主に11月)の活動報告です。


<排水溝建設>

 AMDA鎌倉クラブなど、みなさんからのご寄付により、ラモン・アマヤ・アマドール42ブロックの排水溝がほぼ完成しました。住民の方に非常に感謝されています。排水溝建設により衛生状況が改善され、また道路の状態も保持されることになります。読売新聞社の記事を読んだ方や青年海外協力隊ホンジュラスOB会からも寄付金がよせられたので、今後はスラム内でもプライオリティの高い区域で排水溝の建設を継続していく予定です。


<保健ボランティア育成>

 RAAにて保健ボランティア育成の第2モジュールの第1週目(第2週目は12月第1週を予定)を実施しました。テーマは主に自尊心とリプロダクティブヘルス。保健ボランティアとして無償でコミュニティに貢献するためには熱意を持つことが不可欠です。そのために第1週目初日は自己啓発から始めました。

その後対人コミュニケーション、ジェンダー、妊娠・出産等について学びました。第1モジュールより参加者数は多少減少しましたが、うれしいことにボランティアの意識は高まっています。今後もボランティアが最初に持った熱意を維持して活動を行っていくために家庭訪問、救急箱供与などの側面支援をしていき、ゆくゆくは地域の保健衛生向上のリーダーとなるように協力していきたいと思っています。


<エイズ教育>

 ホンジュラスは中米の17%の人口を擁する一方、HIV感染者数は中米内の60%をしめています。現在報告されている感染者数は約15,000名ですが、実際には検査を受けない人が多い、検査結果が集計機関に集まらないなどの要因で、少なくともこの倍は存在するといわれています。

男女とも20代に最も感染者が多く見られ、最近の傾向としては、女性、胎児への感染が増加してきています*。エイズはまだまだ社会的にマイナスに見られており、例えば家族内に感染者がいても内緒にしておく、もしくは感染が分かると差別する、家を追い出すといった行動パターンが一般的にみられ、感染者に精神的苦痛を与える結果となります。また月に最低でも5,000レンピーラ(約330ドル)かかる治療薬は一般の人にはアクセスできないといった状況も存在します。こういったケア体制(心理的ケアも含め)の不整備に加え、今後明らかに増加していくエイズ孤児の養育といったことも問題となっています。AMDAでは、性について語るには欠かせないジェンダーや自尊心といったテーマも含め、STD・エイズ予防教育、広報活動に取り組んでいます。

 11月27日28日の二日間にわたって、ホンジュラスにおけるエイズ関連団体のアンブレラ組織、Fundacion Fomento en Salud(Health Promotion Foundation)スタッフの協力を得て、HIV・エイズについての“Training of Trainers”を開催しました。RAAの保健ボランティア7名、Carrizal(カリサル〜テグシガルパ市内の低所得者居住地域、人口約4万人)の保健ボランティア4名、Carrizalヘルスセンター所属のソーシャルワーカー2名とAMDAスタッフ(私も含め)4名が参加しました。

 ワークショップでは世界におけるエイズ現況、ホンジュラスの状況、感染経路、予防法、コミュニティにおけるエイズ教育、STD(Sexually Transmitted Disease:性感染症)*、またボランティアとして働いていくには欠かせない熱意、自尊心についても取り上げました。残念ながら時間上の制約から、当初はプログラムに含まれていた家庭内暴力、エイズ基本法については削除しなければなりませんでした。これらのテーマは全て関連しており、ボランティアと一緒に学び考えていくために、別の機会を設けたいと思っています。

 2日間の密度の濃いワークショップでした。ヘルスセンターレベルでの講習会よりも専門性が高かったので、参加者の満足度も倍増、やる気もさらに昂揚したようです。終了後、自分のパートナーや、近所の人と学んだことをシェアしていきたいという感想が多くありました。今後はワークショップに参加した保健ボランティアを中心に、各自の住むコミュニティでのエイズ予防教育を徹底していく予定です。

 感染している女性からしていない男性よりも、感染している男性からしていない女性に対しての方が感染の可能性が高くなります。また胎児感染率は約30%。

 他のSTDにかかっているとそれだけHIV感染の確率が高くなります。
      (2000年11月30日)

ホンジュラス排水溝建設プロジェクト中間報告

 AMDAでは、みなさんのご協力をいただき、ホンジュラスの首都テグシガルパのスラムで排水溝の建設を行なっています。(詳しくはAMDAジャーナル4月号と11月号をご覧下さい)これまでに、セメント代の募金という形でご協力いただいた額は、

588,850円   56件(11月30日現在)

に達しています。お陰様を持ちまして、第1期工事のラモン・アマヤ・アマドール地区の42ブロック(24世帯)でほぼ完成するにいたりました。

 ホンジュラスでは現在隣国のニカラグアとともにデング熱の流行が見られ、その拡大が懸念されています。デング熱は蚊が媒介する感染症で、治療としては対症療法しかなく、重症化すれば死にいたることもある病気です。これに対する有効な予防としては蚊の退治をすることしかありません。既に完成した42ブロックではマラリアや下痢とともにこのデング熱の脅威が大きく減ったと言えるでしょう。

 42ブロックでかかった費用は見積りよりやや多くなっていますが、これは、砂と石も購入する必要が出たことと、セメントも1軒当たり5袋から7袋が必要になったためです。住民は労働力を提供する他に、測量士への支払いとして300レンピーラ(約2,200円)とセメント1袋分を負担しており、これは平均月収が75ドル(約8,250円)程度の住民にとって決して軽い負担とは言えません。

 今後AMDAでは第1期工事の残高で順次ブロックを定めて建設作業に取りかかることにしています。総額が当初の目標である160万円に達すれば、ラモン・アマヤ・アマドール地区の中でも状態の悪いところを重点的に改善することができます。そのためにはみなさんのご協力が必要です。引き続きご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

   収入合計 588,850円
   支出合計 178,200円
   残高  410,650円 
        (2000年11月30日現在)
    1m当たり 約1,060円
    1軒当たり=約7,420円




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