緊急救援活動

米南部ハリケーン「カトリーナ」緊急支援活動
AMDA Journal 2005年 10月号より掲載

支援者への聞き取り調査 アストロドームでの被災者への聞き取り調査

8月下旬に米国南部(ルイジアナ州ニューオーリンズ)を襲った超大型ハリケーン「カトリーナ」の 被害により、9 月13日現在『南部5州で確認された死者は計656人になった。犠牲者はルイジアナ州 (死者423人)とミシシッピ州(同218人)に集中している。市内の最大80%が冠水したニューオー リンズは排水が進み、13日の時点で水につかっている地域は40%程度にまで減少した。』と報道さ れた。
 AMDA本部から派遣された柳田調整員と藤田調整員は、 9月6日、ヒューストン空港で高橋医師、AMDA カナダ支部のリームズ看護師と合流し、市内最大の避難所となっているアストロドームを中心に、 サルベーションアーミーなどの協力を得ながら調査活動を開始した。その後、リームズ看護師は、 ミシシッピ州での支援の可能性について調査を行った。
 その結果、AMDAは、当地で優れた活動をしているサルベーションアーミー(救世軍)への支援を決 定し、9日、義援金を贈呈した。また、13日には、ベトナム人被災者約80 名収容のほか、300名を 支援しているベトナム系のカトリック教会に義援金を贈呈した。16日には、ベトナム仏教徒センタ ーに被災者が新生活を始めるに当たって必要な炊飯器の贈呈を行った。ニューオリンズで被災した ベトナム人は、被災以前より生活に余裕があるとは言えず、被災後も、同じベトナム人のつてを頼 って避難生活を送っており、十分な公的支援が届いていないと判断したためである。
南部ハリケーン「カトリーナ」避難所
テキサス州ヒューストン市内の大規模避難所
アストロドーム
ヒューストン市内の小規模避難所
ベトナミーズ・ドミニカン・シスターズ・ミッション
 現地からの報告によると、ヒューストン市内のリライアントパーク((1)リライアントセンター (2)リライアントアリーナ(3)アストロドームの3ヵ所の避難所)全体で最大3万5千人いたとい う避難者は、その後の約3日間でおよそ7千人まで激減したとのことである。理由は、被災者の到着 直後から登録を行い、大規模避難所のみに集中しないよう、ハウジングオーソリティー(Housing A uthority:行政機関や民間団体など20程度の団体で構成)が、搬送されてくる被災者を一般家庭や 比較的小規模な避難所へ円滑に移動させたことによる。
 また、被災者、医療従事者、行政機関や民間団体への聞き取り調査などによると、大規模・小規模 避難所ともに、被災者への食事や衣類、必要であれば医療サービスの提供がなされており、落ち着き を見せ始めている。被災地のニューオリンズに近いルイジアナ州バトンルージュやミシシッピ州でも 同様、AMDAは、支援体制は既に確立されつつあると判断し、16日をもって支援活動を撤収することを 決定した。
 AMDAは、今回の被災地状況の調査結果を、今後日本国内でも想定される都市型の災害に対する防災 と緊急救援に活かしたいと考えています。

【募金のお願い】
AMDAでは皆様のご支援をお願いしております。
郵便振替:口座番号01250-2-40709  口座名 「AMDA」
通信欄にハリケーン「カトリーナ」とご記入下さい。



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