ジブチ

ダル・エル・ハナン・プロジェクト
1999年度レポート


Hasan Karim, Country Representative AMDAジブチ
翻訳 藤井倭文子
AMDA Journal 2001年 6月号より掲載

概要:

 ダル・エル・ハナンは母子医療専門の病院で、ジブチ国民とソマリア及びエチオピアからの難民に母子医療を提供している。この病院は1985年にリビア政府の支援により建設され、1989年の2月から病院機能を開始したが、外科的治療はまだ充分に行なわれていない。AMDAは1993年からこの病院を再建するために、技術支援や産婦人科医及び助産婦を派遣し支援を続けている。

現状報告:

 病院はいい状態にあるとはいえない。適切な管理と設備の利用不足のために、殆どの設備の状態が低下しており、完全に使用不可能なものも多い。最初から外科用の設備は利用されていない。特に夏季は電力の供給が不規則である。

 昨年の1999年12月、AMDAはダル・エル・ハナン病院の1階の再建に取り掛かり、現在その作業の第1段階が終了したので、病院の状態は基礎設備も整備され、改善された。AMDAは着実にこの病院の再建を続ける意向である。

プロジェクトの目的:

 ダル・エル・ハナンはジブチで唯一の産婦人科の専門病院である。プロジェクトの主な目的は、病院の基本的な手術設備を再建する事である。この病院の医療システムは再建、薬品、医療機器を必要としている。

研修プログラム:

 AMDAは病院のスタッフのために研修プログラムや研修コースを実施している。可能性のある研修プログラムには、一般的な病気に関する知識等のプライマリー・ヘルス・ケアの基礎的概念を含み、下記の研修プログラムが現在実施されている。

  • 予防接種プログラム
  • 妊娠中のケア
  • 出産後のケア
  • 母子医療ケア
  • 家族計画
  • 救急処置
  • 栄養プログラム
  • 水及び公衆衛生プログラム
  • 性的感染症プログラム、等
日常の医療活動:

病院内の回診

  AMDA医師は毎日病院を訪れ、看護婦や助産婦に必要な指示をあたえ、患者の回診を行なっている。必要とあれば、外科的手術も行なっている。病院のベッド数が不足しているために、難産でない限り正常分娩の患者は通常2日間入院するのみである。回診後、外来の診察を行なっている。

外来の診察

  AMDA医師は休日を除いて毎日外来の診察を行なっている。診察日には1日平均15-16人の患者を診察している。

妊娠中のケア

 この検診は妊娠中の女性のケアである。この主な目的は、出産にそなえて妊婦と胎児が健康な状態を維持する事である。具体的には

  • 妊娠期間中に妊婦の健康を促進し、保護し、そして維持する。
  • ハイリスクを予期する妊婦を発見し、適切な指導を行なう。
  • 合併症を予測し、その防止をする。
  • 妊婦と胎児の罹患と死亡率を減少する。
  • 妊婦に子どもの育て方、栄養、個人的な衛生管理の指導。
  • 母親に家族計画についてより関心をもたせる。

Intranatal Care(出産時のケア)
 Intranatal careは出産時のケアである。出産は正常な生理的な過程であるが、時々余病を併発する事がある。例えば、敗血症は感染を起こす取り扱い(胎児の位置など)や滅菌されていない器具の使用による新生児破傷風が原因かも知れない。そのため効果的な intranatal care(出産時のケア)は正常分娩の場合でも絶対必要である。良いintranatal careの目的は、無菌状態での胎児と母親に対してできるだけ外傷をつけないようにし、長時間に及ぶ分娩、分娩時の新生児蘇生術、へその緒処理、目の処理等の合併症に対応できる機敏さをたかめることである。

超音波検査

 超音波検査は妊娠期間中いつでも使用できる安全で人体組織を冒さない精密な検査方法であり、胎児と妊婦に無害である。この検査により妊娠月日、多胎児妊娠の診断、胎児の成長、胎盤位置の測定、胎児の位置及び横たわり方、先天的異常等の一般的な兆候が判明できる。

 私達はこの検査設備を1993年8月から現在までずっと提供している。この検査は非常に高度な検査であるが、私達は無料で提供している。そのため多くの貧しい人達がこの検査設備の恩恵を受ける事ができ、その結果、他病院への搬送数が減少している。

他病院への紹介

 ダル・エル・ハナン病院の手術室はまだ機能していないし、集中治療室の設備もない。そのため、私達は患者をペルチエ総合病院へ搬送しなければならない。これらの患者は全身麻酔での手術を行なうために集中治療が必要であるため、ペルチエ総合病院へ搬送している。他病院へ紹介された殆どの患者は帝王切開である。

出産体重

 これは妊娠の結果を計るための単純な測定法の一つである。又、胎児の安定した状態と完全な発育を示す信頼性のある指標でもある。この調査は新生児が出産時にまずまずの体重であれば、死亡率は比較的低いことを示している。

結び:

 ダル・エル・ハナン病院は医療設備、洗濯室、厨房、レントゲン機械、手術室用の外科器具、分娩器具、敷布、枕、マットレス、医師及び看護婦用ユニフォーム、発電機等を含む大規模な再建が必要だとAMDAは強く信じている。私達は前述した情報と病院統計が寄贈者の皆様方にこの病院の必要性を理解して頂くために役立つ事を切に願っている。

1999年の病院統計
件数
入院総数
出産総数
出産/1日あたり
平常分娩
分娩誘発
早産
かんし分娩
帝王切開
骨盤位分娩
顔[面]位(胎位)
双胎分娩
三胎分娩
難産
新生児死亡
稽留分娩
中絶
早産危機
子宮内胎児死亡
妊娠貧血又は重度の貧血
妊娠による高血圧症
妊娠中毒症
妊娠による過高熱
前期破水
3,646
3,163
8.7
2,679
116
109
95
169
62
13
48
1
37
128
6
363
34
13
27
27
24
7
5



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