カンボジア

AMDAカンボジア
  コンポンスプー州巡回診療
   コミュニティ開発プロジェクト


調整員 潮田 裕美
 AMDA Journal 2003年 8月号より掲載

 皆さまこんにちは。カンボジアプロジェクトの中のコンポンスプー州でのプロジェクト:巡回診療と コミュニティ開発プロジェクト(以下KSプロジェクト)について、現在の活動と、プロジェクトに関わる 様々な顔ぶれをご紹介したいと思います。

KSプロジェクト:3つの活動

 KSプロジェクトはコンポンスプー州プノム・スルイ地区で行われており、その活動は大きく分けて3 つあります。
 その3つとは、1)巡回診療 2)保健教育 3)ボランティア育成です。
 KSプロジェクトは、これら3つの活動が関わり合うことにより、複合的な効果を生み出すことを期待し たものです。

1)巡回診療
 巡回診療はすでに3年間継続してきた活動です。基本的な保健・医療サービスを受けることが困難な、 特に遠隔地に住む身体障害者、お年寄り、貧困層の人々が住む村々へ出向き、医師による診察と薬の 処方を無償で提供しています。この巡回診療活動が、上述した3つの活動の出発点となっています。
 巡回診療は、今までプノンペンを起点に行っていたのを、今年から同地区に設置した新しいオフィス から行うことに変更しました。これにより患者さんへより細やかな診察が行え、また必要なときには個 々に患者さんを訪問できるようになりました。現在は医師1名、看護師1名、保健教育担当1名、アシスタ ント2名からなるメンバーが、プノム・スルイ地区の障害者の人たちを、順番に訪れています。

2)保健教育
 保健教育活動は今年から開始した活動です。巡回診療の患者さんの疾患の中には、予防可能なものも ありますが、彼らの多くが基本的な保健・医療に関する知識を持っていないことから、予防可能なもの も予防できず、同じ病気に何度もかかるということを繰り返しがちでした。このような状況の中で、巡 回診療に来る人々が、病気にかからないように予防することが出来るよう、まず基礎的な保健の知識を 得ることが必要だと考え、保健教育を行うことになりました。今年は1)薬の使用 2)衛生 3)性感染症  の3つをテーマに行う予定です。
 現在、2名の担当スタッフが、巡回診療で訪れる地域内の村を順番に訪れ、薬の使用に関する保健 教育を行っているところです。

3)ボランティア育成
 巡回診療を出発としたKSプロジェクトですが、いつまでも無償での診療活動を続けることはできませ ん。しかしそれでは巡回診療活動を終えるとき、今まで診療してきた患者さんはどうなってしまうので しょうか。私たちはこの点をよく考えなければなりません。巡回診療を終えるときには、患者さんが自 分たちで巡回診療に代わる保健・医療サービスを受けられるようになること、同時に、自分たちで病気 を予防していく必要があります。このボランティア育成活動は、AMDAがプロジェクトを終了しても、巡 回診療に来ていた患者さん、さらにはそのコミュニティで生活する人々が、自分たちで保健・医療改善 活動に取り組んでいけるよう、そのリーダーとなる人々を育てていく活動です。これらの人々をAMDAヘ ルスボランティア(AHV)と私たちは呼び、彼女ら/彼らはボランティアでコミュニティの保健・医療 改善活動に取り組んでいます。
 現在5つの村に16人のAHVがいます。AHVとの具体的な活動は、月2回ほどのミーティングにおいて、AHV が行っているコミュニティ内での保健・医療改善活動を奨励し、ともに考え、随時必要なサポートを行 うことです。活動の進み具合などはそれぞれの村でまちまちですが、村内の清掃活動を行うところ、保 健教育を行うところ、病気になった際にお金を借りることができる貯金グループを作ったところなど、 それぞれの村が、それぞれに必要な活動を、一つ一つ実行しています。

三角関係を築く

 巡回診療を出発点とした上記3つの活動は、いうまでもなく深く関係しています。その流れは、巡回 診療をこれまで提供してきた遠隔地に住む身体障害者や貧困層の人々が、今後自分たちで、巡回診療に 代わる保健・医療サービスを手に入れられるようにするため、また病気にならないための予防を行える ようにするために、保健教育を行い、一方で、それらの行動を推進してくれる人々を育成していくとい うものです。この三角関係が上手く成立したとき、人々が、今後自分たちで健康を維持していくための 流れ、すなわちシステムができます。私たちの役目は、その三角関係を構築し、流れが止まることがな いように、よりスムーズに流れていくように、サポートしていくことだと思っています。

終わりに

 常に健康に問題があり巡回診療に頼っている障害者や貧困層の人々、自らの行動を変えようとして 保健教育に参加しながらも、決して便利とは言えない生活環境の中で援助を期待するしかない人々、 あるいは自分も忙しい中でボランティアとして活動してくれるAHV…彼らに共通しているのは「生きて いくために必死である」ということだと思います。プロジェクトを進めるにあたっては、文化の違いや 会うたびに何かを求める人々に閉口することもあります。しかし、状況をどうにかよくしたいという想 いは私たちと同じ。むしろ状況が良くないだけ、彼女/彼らの方が真剣だと言えます。大げさではなく、 命に関わる問題です。私はこのことを肝に銘じ、様々な形で私たちに協力・支援を求めてくる人々の本 当の力、すなわち彼女/彼らの保健・医療状況改善を確かなものにし、ひいては生活状況全般の改善に結 びつくプロジェクトにしたいと思います。目下のところは、このたびご紹介させていただいた3つの活動 の三角関係を築き上げるべく、スタッフ一同努めてまいります。皆様の応援をお願い申し上げまして、 KSプロジェクトの紹介を終わらせていただきます。




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