カンボジア

AMDA カンボジアクリニック (ACC) 将来への展望

AMDAカンボジア支部 代表 シエン・リティ(医師)
翻訳 出口 純子
     AMDA Journal 2003年 8月号より掲載

カンボジア国民への医療支援を開始して以来6年が経過し、ACCは現在AMDAカンボジア病院(ACH)へ 移行する準備をしている。

カンボジア王国は世界の最貧国のひとつである。ここ10年の経済発展にもかかわらず、国民の大半は 安全な飲料水が得られず、衛生設備も不備である。人口の3分の1は貧困ライン以下の生活であり、 5歳以下の子どもの半数が栄養不良であると言われている。国家予算における国民1人あたりの保健医療 予算はわずか2ドルにすぎない。したがって高額な私立病院はもとより公立病院で診療を受けることすら 、貧困層、障害者の患者には大きな困難となっている。

処方 薬局
処方 薬局

ACCが開業して以来、現在までに約10万の人々に対する診療を行った。そのうちおよそ30%が貧困層、 障害者である。日本外務省の補助金、AMDAを支援してくださる方々からの寄付金などの支援を得、ACCは カンボジア国民の保健医療の向上に多くの成果を上げてきた。それらは一般診療、保健教育、緊急援助活動、 医療従事者の養成、遠隔地の巡回診療、地域の人材育成の支援などである。これらはAMDA本部と支部間の 協力体制に負うところが大きい。

カンボジア王国におけるわれわれのこれまでの実績とその評価から言えば、ACCが提供する医療保健サービスを さらに拡大し、その内容を多岐に拡充することが望ましい。将来的に、外来・入院患者に対応できる AMDAカンボジア病院(ACH)の設立を予定している。そしてゆくゆくはACHを、カンボジア人医療スタッフ の養成・研究センターとしての機能、地域での保健医療サービスの担い手となる人材育成の場、そして インターンシップ制度を通じて医療技術交流できる交換留学センターとしての利用を計画中である。

最後に、カンボジア王国の人々、特に貧困層・障害者層の人々への保健医療支援を目的とするAMDAカンボジアの 活動に対し、各国政府機関・民間団体・AMDA支援者の方々からのさらなる大きな支援をお願いしたい。

検査 外来診療
検査 外来診療

仮入院施設 小手術
仮入院施設 小手術



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