カンボジア

新しく生まれ変わるAMDAカンボジアクリニック

カンボジア支部代表 シエン・リティ(医師)
AMDA Journal 2002年 10月号より掲載

AMDAカンボジアは1992年、難民及び国内避難民の支援を行なうために活動を開始以来、1994年には、プノンペン市内のシアヌーク病院で精神病棟の再建支援に関わり、1997年にはAMDAカンボジアクリニックをプノンペン市内に開業した。

現在は前述した重点項目に基づき、130名のスタッフを抱えながら、

  1. AMDAカンボジアクリニックの運営
  2. タケオ州アンロカ保健行政地区における(カンボジア政府保健省及びADB:アジア開発銀行共同)保健プロジェクト
  3. コンポンスプー州における巡回診療及びトレン・トレジュン小学校(元チャンバック小学校)支援

を行なっている。

既に、初めての訪問から2年が経ち、空港は木造からカンボジア国内で3つしかないエレベータ付きの近代的な3階建てビルディングに生まれ変わり、プノンペン市内においては来年度日本のODAを使って大規模にプノンペン市内の灌漑設備を整備する計画が進行している。

国家としての慢性的な問題、人材不足・公務員の汚職・決定的な資金不足などは依然として解決されないままであるが、街の活気・人々のパワー、これからこの国ないし人々の生活を変えていかなければという熱気を感じる。 カンボジア担当として、毎日進歩する街の様子を眺める事が楽しみで仕方がない。まさしく仕事冥利に尽きると思う。この国が、「Take Off(途上国からの脱出)」するにはまだまだ時間はかかると思う。 しかし願わくば、住民が安心して健康に過ごせる国になる事、ゆっくりでも進歩し続ける事、平和な時代が続く事を祈っている。

(AMDAカンボジア 伴場 賢一)

AMDAカンボジアクリニック(以下ACCと省略)は1997年の7月に開設された。AMDAがカンボジアで初めて手懸けた住民の所得向上と持続的な自立支援を目的とするプロジェクトである。

もともとこのプロジェクトは、AMDA理事長の菅波茂医師からの提案とAMDAカンボジア支部による弱者グループ(極貧者・障害者)のための医療ケアの必要性に関し長期にわたる観察と評価に基づいて設立された。

このクリニックは貧困者・障害者には無料で診察を行っている。一般の外来患者は有料だが、私立病院と比べて診察費を抑えて請求している。

開設当初はACCの医療サービスの幅には限度があったが、AMDA本部の支援とクリニックの収入で年々患者のニーズに対応するための能力を高めることができた。

ACCはプノンペン市にある。この市を選んだ理由は、プノンペンの人口100万人の中で、15〜20%の住民が貧困線以下の生活をしており、その殆どは地方からの移住者だからである。 多くの人々は僻地から都会へ仕事を求めてやってきたものの生活は決して豊かにならず、医療ケアにも恵まれない貧困地区に居を構えている(不法居住地や貧民街等)。さらに以前から、そこに住んでいた人々も含め、障害を持った人々が多いのも特徴である。

私達の患者は誰?

ACCを訪れる患者を3グループに分類する事ができる。

  • 障害者 約48%
  • 貧困者 約17%
  • 一般人 約35%

患者の内訳は女性が56%、男性44%で、76%が大人で、24%が子どもである。患者の38%はNGOや他の障害者・貧困者の居住地域から紹介されて来ており、残りの患者は自分の意思で来ている。

ACCで提供している医療サービスの種類は?

ACCの主な活動は4つに分類する事ができる。

  • 大人と子どものための一般診療、及び産婦人科診療
  • 超音波検査(特に妊娠期間中の検診)
  • 小手術
  • 検査

耳鼻咽喉疾患、胃腸疾患、及び神経障害が現在治療している主な病気で、感染症、呼吸器疾患、皮膚炎、心臓病、及び泌尿器疾患がそれに続いている。これら疾患の原因となっている問題点は恵まれない環境、公害、衛生状態、栄養、医療ケア問題に関する教育不足、そして不安定な気候だと思われる。

耳鼻咽喉疾患は地方よりもプノンペン市に居住している人々により多く見られ、反対に感染症と皮膚炎は僻地に住む人々にとって大きな問題となっている。

ACCの役割は病気の治療をするだけでなく、保健教育や衛生プログラムを提供し、健康で幸せな生活をおくるための相談や助言を行っている。

最近では1999年の10月、ACCの付属プロジェクトとして障害者と貧困者のために地域巡回診療を開始した。このプロジェクトは政府による医療施設へのアクセスが困難な人達、もしくはその機会が全く無い人達に直接医療サービスを提供する事ができる。このプロジェクトは現在でも継続されており大変成功している。

今後の計画

プロジェクト開始から5年間を経て、私達は住民が必要とする医療ケアサービスについて適切な評価ができるようになり、深く理解もしている。

現在私達は、ACCがより多くのサービスや活動を提供できるよう努力している。近い将来AMDAカンボジア病院(ACH)の建設に期待をよせている。新しいサービスは既に企画されており、急患病棟の導入、外科病棟の拡張、検査室、X-線撮影、CTスキャン等の改善、そして特に産科ケアを含む入院患者部門が含まれている。

私達は将来ACHが日本の医療組織と密接な関係が結べる事を深く望んでいる。ACHと日本の病院や大学とも経験や技術の交換を計画している。 将来この病院で働くために日本から医学生、医師、看護士、助産婦等をインターンとして引き受け、カンボジアのスタッフも日本で研修を受ける新しい交換プログラム等ができれば良いと夢見ている。

最後にAMDAカンボジアのスタッフ及びカンボジア国民を代表して、日本政府と支援者の皆様に対し私達のプロジェクトのための熱心な援助に、心からのお礼を申し上げたい。こうした支援はカンボジアの特に恵まれない人々への医療ケア組織の基盤を再構築する為に大変有り難く、感謝している。

(翻訳:藤井倭文子)

カンボジアの「地雷」について
カンボジア国内には、未だに一説によると500万個の地雷が地下に眠っていると推測されている。
この地雷と言う武器の非人道性は、地雷を埋め込んだ本人でなければ埋めた場所を特定できない事である。その為、発見には多くの時間と労力が費やされ、現在ではほぼ都市部及び居住地域、農地での撤去作業は終了したとされているが、年間100名を超す新たな被害者が確認されている。 被害者のほとんどは、危険を察知できない子供や、お金を稼ぐために新たに農地を開墾しようとしている貧しい農民である。
また、地雷と言う武器の特徴として対戦車用・対人用などに分けられ、使用されている対人用の地雷は、基本的に殺人を仮定したものではなく、手足などを吹き飛ばすことを仮定したものである。 これによって、地雷の被害者は職につくことができず、医療費などの家庭支出の負担が増えるという悪循環が起こる。
AMDAでは、現在ACC(AMDAカンボジアクリニック)、及び巡回診療において、地雷による被害者に対しては、薬代を含めて全て無料での診察を行なっている。



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