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社会開発機構
平和とは今日の家族の生活と明日の希望を実現できる状況

保健ボランティアの役割とモチベーション

 
 前号に引き続き、保健ボランティアの活動についてご紹介いたします。今回は、中南米のプロジェクトから、ホンジュラスとペルーの保健ボランティアの役割とその原動力についてお伝えできればと思います。
ホンジュラス
 ホンジュラスの中東部エルパライソ県3市における母子保健向上支援事業が始まって8カ月が経ちました。この間、伝統的助産師やコミュニティ薬局を運営するボランティアに対し研修が行われ、100人強の保健ボランティアが誕生しました。保健ボランティアには自ら志願した人、地域住民から推薦された人といますが、みんなそれぞれが誇りをもって活動を行っています。彼らのその誇りの根源はどこにあるのでしょうか?ホンジュラス国民の大半は敬虔なカトリック教徒です。保健ボランティアたちと話をすると、必ず神への感謝の言葉が聞かれます。

ミーティングに参加する保健ボランティアたち

 「私たちの村にコミュニティ薬局が設置されることになったのは神様のお導き。神様から与えられたこの貴重な機会に感謝するとともに、自分の保健ボランティアとしての使命を全うしたい。今後も保健衛生の知識をもっと身につけて、自分たちの村に貢献していきたい。
 このように神に対する誠実な誓いが彼らのボランティア活動の原動力となり、自分の村において責任のある役割を担っているという思いが誇りとなっているのです。(この活動は、JICA草の根技術協力事業として実施しています。)

ペルー
 ペルーでは、首都リマ市の貧困地域であるカラバイヨ地区において、地域の人たちの力による母子の栄養改善を目指した活動を実施しています。この活動の柱となっているのが、住民の保健ボランティアです。ボランティアは、活動対象者と同じ立場(母親や若年の女性)の人たちです。地域の家々を回り、妊産婦、母親、乳幼児の栄養について伝えます。カラバイヨ地区には、乾燥した斜面に小さな家が立ち並んでいるのですが、各家を回って教育をするのはなかなか大変な仕事です。なぜ、無償でそういう活動をするのか。その質問に、ボランティアからはこんな回答が返ってきます。

保健ボランティアによる栄養教育
 「私たちのコミュニティは、色んな問題を抱えていて、支援を必要としています。自分にその機会と能力があれば、少しでもコミュニティのために何かしたいんです。そして、この活動を通じて、それが実現しています。
 「みんなが、栄養について関心を持ってくれて、色々と質問をしてくれます。そうやって、周りの人たちが新しい知識を身につけられて、自分のことを頼ってくれることに、やりがいを感じます。
 こうした気持ちが、地域の保健活動を支えているのです。(この活動は、味の素「食と健康」国際協力支援プログラムの支援を受けて実施しています。)
 
 


 
 

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