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緊急救援センター
救える命があればどこへでも
「ソロモン諸島津波災害復興支援事業」
〜ソーラー式予防接種ワクチン保管用冷蔵庫納入〜
 
 
津波災害の状況
(支援ニーズ調査時撮影2007/7)
ソロモン諸島での支援地域
今なお続く避難生活   健康状態の悪化が懸念
 2007年4月2日、ソロモン諸島ギゾ島沖でM8.1の地震と津波が発生し、沿岸部の医療施設は甚大な被害を受けました。AMDAは本部職員とインドネシア支部の医師を派遣して、チョイセル島ササムンガ病院で緊急医療支援活動を実施しました。インドネシア支部の医師は病院で唯一の医師として従事し、24時間体制の診療を提供し、医薬品を寄贈して完了しました。
 しかし、2007年7月にAMDA職員が現地調査をすると、離島では診療所の再建さえ見通しがついていませんでした。沿岸部の村は津波で全壊したままで復興の道筋は全くついていません。今も住民は津波への恐怖をぬぐい去れずに、村に立ち戻れないまま避難生活を強いられています。
 山腹にある避難キャンプで、被災者は森から調達した灌木の柱を立て、ビニールシートを地面と屋根に拭いた急造のテントで暮らしています。発災後9ヶ月が経過した今(2008年1月)では、テントは老朽化し、トイレなどの衛生施設も極めて限られています。居住環境は今なお劣悪なままです。過密状態の集団生活を継続するキャンプ地では健康状態の悪化が懸念されています。
 住民、特に子どもの健康状態を改善・維持するには予防接種が不可欠です。しかし、2007年7月の時点で、ウェスタン州の基幹病院であるギゾ病院でさえ、予防接種ワクチンを保管する冷蔵庫は1台しか稼働していませんでした。津波災害で予防接種ワクチンを保管する冷蔵庫が破損・故障し、正常に動作しない状態が続いています。このコールドチェーンの断絶は、被災者のみならずウェスタン州住民全員の健康維持に対して大きなリスクとなっているのです。
子どもたちに予防接種を
ソーラー式予防接種ワクチン保管用冷蔵庫納入
 医療保健施設に従来設置されていたのはガス式または灯油式冷蔵庫ですが、被災した保健医療施設の多くは離島であり、ガスを切らした場合、ガスシリンダーを入手するのに半日から2日程度かかります。その間にワクチンの品質を保持することは大変に困難です。また、灯油の使用は危険であり、灯油式冷蔵庫は温度調整や日常の保守管理が複雑です。
 一方、太陽電池を使ってワクチンを保冷するソーラー式冷蔵庫はエネルギー充填が必要なく、保守点検が簡単です。保冷能力が高く、温度維持も容易で故障が少ないなどの利点があり、熱帯でしかも離島の多いソロモン諸島には理想的なワクチン保管用冷蔵庫といえましょう。
 AMDAはこうした被災地住民と保健医療機関のニーズを踏まえ、津波で破損・故障した8つの保健医療施設のコールドチェーンをソーラー式へ更新する事業に着手しています(図を参照)。これにより、約20,000人(約4,000世帯)の住民と約2,400人の5歳未満の子どもたちは、安定して予防接種を受けられるようになります。
コールドボックス  JICAから寄贈されたガス式保冷コールドボックス。
津波で大きなダメージを受け、損傷して使用不可能です。
 在ソロモン日本大使館、JICAソロモン、ソロモン政府と協働し、コールドチェーン資機材は国連児童基金(ユニセフ)を通じてヨーロッパから調達、ソロモン諸島に輸送することを予定しています。皆様のご支援を心よりお願い申し上げます。
 
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