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スリランカ南部大雨土砂災害:スリランカ支部による緊急救援活動
大林 純子
 年明け1月中旬、モンスーンによる大雨がスリランカ南部を襲いました。1月18日、現地AMDAスリランカ支部 (Dr.)サマラゲ支部長より一報が届きました。"大雨による洪水と土砂災害により死者18人、避難者60,000人の被害。AMDAスリランカ支部はAMDAの姉妹団体であるSt. John Ambulance Sri Lankaと協働して直ちに被災地への緊急救援を開始した。" アムダ本部では、この報を受け、直ちに緊急救援活動支援としてAMDAスリランカ支部に1500米ドルの付与を決定しました。

 現地からの報告では、紅茶栽培で名高い中部高地はモンスーンの季節には地滑りが起こりやすい地域で、今回死者が出たのも特に緑深いヌワラエリヤ(Nuwara Eliya)地区でした。また、南部ハンバントタ(Hambantota)は2004年のあの津波で大被害を受けたところに、この大雨で灌漑用貯水地があふれて更なる受難となりました。AMDAスリランカ支部は、1月17日から22日まで、この二つの地域で緊急治療および救援物資支給という救援活動を行いました。(※ハンバントタはAMDAのスリランカ医療和平事業地でもありました。)

 5日間、合同チームは濁流で切断された道路や泥水の、まさに道なき道を辿って、毎日3カ所から5カ所の被災地を訪ね、巡回診療を行いました。車で入れない場所には医薬品を担いで泥道を歩いて行くこともあったようです。これらの緊急避難所での診療によると、感染性の熱病に罹っている被災者も多かったようです。また、チームは重症患者を大きな病院に移したり、乳児食品・衣類・食糧などの寄付もしました。


支援金目録贈呈の様子 
(右:AMDAスリランカ支部長 サラス・M・サマラゲ医師、左:AMDAスリランカ事業統括 添川詠子)
 支部からの最終報告には、この救援活動の診療中、2004年に地滑りで足を失って義足となった少女が、また今度の地滑りでその義足さえも壊されてしまい治療に当たったことがレポートされていました。 突発的でなく、毎年の季節のサイクルの中で容赦ない自然の脅威に曝されながら生活している人々の苦しみが思われる報告です。AMDA本部では、この災害に対してまさしく「ローカルイニシアチブ」を以って迅速に対応し自律的緊急救援を遂行したスリランカ支部を誇りに思うと共に、これからもこういった支部の活動をできる限り支援していきたいと考えています。

*救援チームメンバー (敬称略): Ajith Dissanayake (Leader), Rezin Qader (Coordinator), Chalith Dharmasiri, Duminda Samankumara, Nilantha Samankumara, Krishantha (Driver), Lasitha (Driver)

 

 


 

 

 

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