母親の自助グループは自分の子供達の健康状態のチェックを行い、栄養不良の特徴を一番よく知っているがゆえに、必要なときには病院へ連れていく判断を下すことができる。経済状況にもよるが母親グループは給食プログラムを月一回実施することができる。給食日には子供達の衛生状態をチェックしたり、体重と身長の測定を行なったり、栄養知識について話し合っている。母親達は病気や健康問題について認識しているので、予防措置を取ることができる。
母親達の間で家族問題についても話し合い、問題の解決策を見つけている。事業対象5村の母親達は同時期に同じプログラムで活動していたが、結果と成果は必ずしも同じではない。ニャンウー市における対象村の母親達はアイディアも異なり、その成果も異なっている。お互いの成果が気になるのであろう、パコク市対象村から10人の母親達が2006年7月21日にイラワディ川を渡りニャンウー市のジーサミィン村を訪問した。ジーサミィンの母親達は温かく歓迎し、自己紹介の後、それぞれの経験談を述べ合うなど、友好的な雰囲気の中で意見交換を行った。グループとして、母親同士で、率直に話し合い解決策を互いに提案していた。
対岸に住んでいる母親達は友情を築き、お互いに行き来して助け合うことを約束した。これはAMDAのスローガンであるローカルイニシアティブと相互扶助の精神に通じている。パコク市の事業対象村のコミュニティの住民は遠く離れた日本の友人からの支援に対し心から感謝し、末永く母と子のためのプライマリーヘルスケア活動を続けられることを強く信じている。