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インドネシア・ジャワ島中部地震緊急救援活動
 2006年5月27日現地時間5時54分、インドネシア・ジョグジャカルタ南南西20キロを震源とするマグニチュード6.3の地震が発生し、死者約5700人、負傷者2万人以上、倒壊・損壊家屋20万軒以上の被害をもたらしました。

 AMDAは即日、緊急救援活動開始を決定、AMDAインドネシア支部長タンラ(Dr. Husni Tanra)医師と協議し、現地インドネシア支部が救援態勢を整えるとともに、AMDA本部(日本)をはじめマレーシア、フィリピン、ネパール、カナダ、カンボジア各AMDA支部から医療チームを派遣、多国籍医師団を編成し、28日より医療救援活動を実施しました。

1.プランバナン(中部ジャワ州クラテン県プランバナン郡)周辺の村々における巡回診療とプランバナン診療センターでの診療
  (AMDAインドネシア、日本、マレーシア、ネパール、カンボジアの各チーム)

 プランバナンを拠点とする巡回診療チームは、2チームに分かれ、プランバナン郡ペレン村内2箇所(サンギンガン地区、ゴボグ地区)での巡回診療を実施。患者総数は800余人(男性47%、女性53%)。年齢別では、41歳〜50歳までの年齢層が最も多く(20%)、次いで30歳代(18%)、50歳代(16.5%)。症例としては、骨、関節、筋肉などの運動器系疾患(25%)。呼吸器系疾患(20%)、特に呼吸器系疾患をもつ外来患者数は増加傾向。循環器系疾患(13%)、多くは高血圧。特筆すべきは子ども達の食欲不振、頭痛、全身倦怠感等の症例は地震との関連が強いと思われ、増加傾向。(6月10日現在)


 7日より、インドネシア政府・WHO・UNICEFによる"予防接種キャンペーン(9ヶ月〜15歳:はしか、15歳以上:破傷風)に協力。ブトウ村にて47人、タンカラセンベン村にて50人の子ども達へのワクチン投与を実施。

 

2.スハルソ国立整形外科病院(ソロ市)で、緊急手術・治療・ICUでの重症患者ケア 
(AMDAインドネシア、カナダ、フィリピンの各チーム)

 スハルソ国立整形外科病院では、200床の収容能力にもかかわらず500名以上の負傷者が手術の順番を待っていた状態で、病室が週明けの5日になっても依然として不足しており、廊下にまでベッドが並べられていた。AMDA多国籍医師団は2つのチームに分かれ、手術と、術後入院している患者の治療やICU病棟での重症患者のケアなどを行っている。


 今後の災害対応について、同病院の病院長は、「このような地震災害を想定した、緊急医療設備の充実と、病院で働く医師や看護師へのトレーニングを含めた人材育成について、今後もAMDAと連携していきたい」と述べた。これを受けてAMDAカナダ支部の看護師が、同病院の看護師を対象に緊急時における保健衛生・応急処置等についてのトレーニングを実施。

3. サルジト国立病院(ジョグジャカルタ市)で、緊急手術・治療  (AMDAインドネシア)

 サルジト国立病院では、通常の患者数が200人前後のところ、地震発生後の5日間で6千人以上の患者が来院しており、AMDAインドネシアの医師らが手術や治療を実施。

各国AMDA支部
医師
看護師
調整員
日本(本部)
2
細村幹夫 
   内科医師
安田真衣子
 麻酔科医師
1
峯岸亜紀子
5
館野和之 
畑山ゆかり
石沢睦夫 
谷口敬一郎
梶田未央 
インドネシア
15
 (内2人は地元医療機関責任者)
1
3
マレーシア
3
 
 
ネパール
2
1
 
カナダ
 
3
 
フィリピン
2
カンボジア
3
 


 
 

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