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サソリ目(Scoriones)の毒



蜘蛛網(Arachnida)に属するサソリは威嚇したり驚かせたりしない限り、ヒトを刺さない。これらは夜行性で暗所を好み、熱帯では朽木の間(図1・Tityus serrulatus)、土砂漠の岩陰(図2・Parabuthus sp.)に生息する。時おり住居の片隅や長靴、衣類に潜むものもある。
従ってサソリ刺螫症が起こる状況は、前者の場合は輸入農産物を扱っている際に紛れ込んだサソリに刺されるものが多く、後者では着衣や履靴時に潜んでいたサソリに刺される(図3・パプアニューギニアからのラワン材に付いてきたHeterometrus longimanus、図4・メキシコからのマンゴーに紛れていたDentruroides noxius)。
毒嚢は体節の最後部にあり、その先端は尖った毒針となっている。毒液にはserotonineと数種類の神経毒が含まれている。
サソリは地中海、アフリカ、アメリカの暑熱地域など極めて広範に分布している。
サソリに刺されると激痛と局所の炎症が生じ、次いで同部の乾性壊疽が起こる。時おり意識障害、呼吸器と循環器の障害といった全身症状を認めることがあり、治療を怠ると昏睡や不可逆性のショックで死亡することがある。予後は負傷者の年令(小児でより重傷)、季節(乾期でより重傷)、刺した種(Leiurus quinquestriatus, Androctonus australis, 北アフリカのA.auretanicus, アメリカのCentrurusの刺傷では死亡することがある)によってまちまちであるが、熱帯アフリカのPandinus imperatorなどサソリ刺螫症の予後は一般に良好で、初期に最もよく行なわれる圧迫、切開、抗サソリ血清の投与は必要ない。
まず受傷者と付き添い人を落ち着かせてから、 emetineなどで患部の周囲を局所麻酔する。局所にステロイド軟膏を塗布し、冷湿布を行うが、外科的処置、抗血清やステロイドの全身投与は、幼児例や非常に有毒な種による刺螫症でない限り不要である。
サソリは人工光に対して蛍光を発するので、容易に発見出来ることがある。手袋や懐中電灯を利用するのが予防に役立つ。
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