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症候


  ヒトでの潜伏期は20−60日と長く、時にはこれより遅い。この期間は咬傷の数と部位により、咬傷部位が中枢神経に近いほど、神経支配が多い臓器ほど早くなる。前駆症状として、患者は頭痛、発熱の他、蟻走感のような感覚異常と咬傷部の疼痛を訴える。発病前から性格変化が見られる。全身期に入ると、患者は狂暴になったり、麻痺を生じる。
 
 興奮・強直性の狂犬病:患者は呼吸に障害を来す。呼吸が引きつり、ため息様になって途切れる。特長的な恐水症状は、非常に早くから出現する。水を見たり飲もうとしたりする時、または物音を立てた時、患者は縮み込むように大きく反発し、興奮して四肢を震わせ、呂律の回らない叫び声を上げて、痙攣を起こす。この状況は意識清明であるだけに残忍である。外気、匂い、光が少しでも患者にあたっても、発作が引き起こされる。譫妄が突然見られたり、熱発したり、脱水が生じたりする。患者は第3−5病日に、呼吸不全か虚脱により死亡する。
 
 麻痺性の狂犬病:ひどい背部痛で発症する。上行性麻痺が認められ、下肢、肛門括約筋、体幹、上肢、顔面の順に広範な麻痺が生じる。咬傷部位が上肢の場合は、同部が最初に麻痺する。呼吸筋麻痺、嚥下障害、延髄の障害を起こして、患者は第4-12病日で死亡する。
 


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