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疫学


  ポリオウイルスは3つの血清型(I,II,III)に分けられる、ピコルナウイルス科( Picornaviridae )のエンテロウイルス属(Enterovirus)に分類される小型のRNAウイルスである。このウイルスは腸管から人体へ侵入し、脊髄前角に選択的な神経好性がある。
患者は小児で、本症が浸淫している地域では、発病者の80−90%は5歳未満である。ヒトは唯一のウイルス保有者と考えられ、不顕性感染の小児が殆どである。感染は健康保有者からの糞便咽頭分泌物による伝播の他、ウイルスに汚染された乳や食品を通して、口腔−喉頭部や消化管から侵入する。このウイルス感染は不顕性のものが約90%を占め、発症する者は1%にも満たない。30才までに、ポリオウイルスの3型全てに対する抗体を獲得する。千例に1例の割合で、ウイルスが脊髄前角に病変を作り、最も重篤な場合、麻痺とその後遺症をもたらす。顕性型は主として雨季に起こる小流行により、爆発的に増加する。症状が重篤で、流行を起しやすいのは、I型が圧倒的に多く、II型によるものは殆どない。一方、生ワクチン接種後の医原性ポリオはII型とIII型が多い。

  長年にわたる予防接種の実践により、欧州西部、中近東、北アフリカ、東アジア、北米、南米ではポリオは殆ど見られなくなった。特に、西半球で野性株のポリオが培養によって確診されたのは、1991年のペルーの症例が最後となっている。
UNICEFロータリー・インターナショナルによる世界規模の予防接種活動と、各国政府によるAFP(急性弛緩性麻痺)サーベイランスの成果が上がっており、西暦2000年を目標としたポリオ撲滅は着々と前進している。


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