Sorry ,This page is written in JAPANESE. English version is not available

合併症のない麻疹


  潜伏期は7-18日(約10日)で、急激な発熱(39-40℃)で発病する。乳児では食欲不振や活動低下が先行する。眼部と呼吸器系にカタル症状を認め、口腔内には本症に特異的なKoplick斑が出現する。アフリカの小児の場合、これが紅斑に囲まれた青白色の点状疹として、頬部、口唇、歯肉に広がっており、発疹の出始める頃まで持続するのが特徴。発疹期の初めに消化器症状や神経症状が付随することがある。
発疹顔面に初発し、2日目には頚部と胸部、3日目に腹部と大腿部、4日目に下肢へと広がる。当初は紅斑性斑状丘疹だが、斑状に一部だけ癒合し、皺の出来る部分の皮膚では着色する。発疹が全身に広がるとカタル症状は消失して解熱する。
皮膚の色が黒くなければ、次第に斑状皮疹は褐色調となり、8-15日目には剥離する。

亜急性硬化性全脳炎(subacute sclerosing panencephalitis,SSPE)は、麻疹ウイルスとの因果関係が明らかになっている遅発性の疾患で、予防接種や幼児期に麻疹に罹患していったん回復した後、平均6年ほどの潜伏期を経て発症する。
 症状は人格の変化、学業低下など突然の運動精神系の機能低下が起こり、次いで痙攣発作,痴呆などの神経症状が現れて、通常は発症後1年以内に死亡する。
SSPEの発生度は極めて低く、自然麻疹患者約100万例に5-10例くらいで、生ワクチン接種後ではその約1/10である。


熱帯医学データベースに戻る

AMDAホームページに戻る



      このページはAMDA学術委員会により作成されました。


            お問い合わせはmember@amda.or.jpまでお願いいたします。