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疫学
病原体はRickettsia prowazekiで、ヒトが唯一の保有動物である。媒介昆虫はコロモジラミ(Pediculus corporis)と極稀にアタマジラミ(Pediculus capitis) である。シラミは微し類(羽を欠き、不完全変態する昆虫)で、ヒトだけに寄生する。成虫は両性あり、幼虫は吸血性で、貪欲だが、絶食には弱い。
典型的には、シラミは最初の7日間の吸血でリケッチアを取り込み、リケッチアはその腸管細胞内で増殖する。8-10日目に細胞が破れて、沢山のリケッチアが放出される。そのためシラミの排泄物は非常に毒性が強い。ヒトの体表面でシラミが潰されると、リケッチアは皮膚や粘膜(結膜)の擦過部位から侵入する。
R.prowazekiが流行の合間にどのように保持されるかの謎は、解明されていない。R.prowazeki外界では速やかに死滅し、早期に死ぬシラミでは維持されず、継代感染も生じない。ヒト体内では不顕性型で長期間保持される。流行の始まりの症例は、常に湧出性チフス(時間のあいた再発)として認められる。
シラミの増加、人間の感染に対する抵抗性の減少が、いずれも発疹チフスの発生に寄与する。具体的には寒冷、劣悪な衛生、雑居、栄養不良が関係する。これらの要素が合わさった戦争や災害、人間と移住や政治社会的な動乱で、流行が起こる。
かつては世界中に見られたこの疾患も、アフリカのブルンジを筆頭に、ルワンダ、エチオピアに小さな浸淫地帯を認めるのみとなっている。アメリカ大陸の流行巣(米国テキサス州、メキシコ、グアテマラ、エクアドル、ペルー、ボリビア)はより限局的となった。
 
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