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化膿性髄膜炎


化膿性髄膜炎は発展途上国では頻繁である。アフリカのサヘル地方や、つい最近ではブラジルやネパールでは、(A群とC群の)髄膜炎菌による髄膜炎の恐るべき程の季節的流行が劇的に見られる。
髄膜炎菌の以外にも、他の細菌(肺炎球菌、Haemophilus influenzae, Listeria monocytogenes)が調べれば調べるほど、重要な役割を果たしていることが判る。
病原菌の分離は殆ど不可能で、抗生剤治療は患者年令と流行状況を考慮して、直ちに取りかかることが一番多い。>
 
髄膜炎菌性脳脊髄膜炎 (meningococcal meningitis) ICD 036.0. 臨床上も細菌学的にも、脳脊髄膜炎は温帯でも熱帯地方でも見られる。しかし流行性のものはアフリカとラテンアメリカに残存する程度で、その治療や個人の予防には問題が山積している。

 
疫学(epidemiology)
 症候(symptomatology)
 診断(diagnosis)
 治療(treatment)
 予防(prevention)

 その他の細菌性髄膜炎

  死亡率が30-70%に達し、重大な死亡原因となる。

肺炎球菌
Streptococcus pneumoniaeは小鎖状のGram陽性球菌で、発展途上国では化膿性髄膜炎の死亡原因の第2位である。アフリカ西部では主要な病原菌となっている。全年令層が罹患するが、青少年や2才未満の子供、鎌型赤血球貧血の者に多い。
浸淫状態で蔓延し、季節的な再発や流行はない。一般に耳鼻咽喉科領域の疾患(耳炎、副鼻腔炎)に続発するか、骨-脳脊髄膜の間隙を通って発病する。死亡率や後遺症の点から、予後は流行性脳脊髄膜炎と比べはるかに悪く、死亡率は30-60%にのぼる。
penicilline G, ampicilline, chloramphenicol は前述の用量で効果があるが、治療期間は長め(15日ほど)とし、その後腰椎穿刺で髄液の正常化を確認する。

 インフルエンザ菌
発展途上国でのHaemophilus influenzaeによる髄膜炎の割合は、かなりよく知られている。西アフリカ(ガンビア、セネガル)における発病率は、5才未満の幼児で10万対60ほど、1才未満の乳児で10万対132-297である。この数字は恐らく過大評価されているだろうが、西側諸国で認められている数字に匹敵している。しかし死亡率ははるかに高い。
抗生剤治療にステロイド投与を加えれば、これによる髄膜炎の死亡と後遺症を少なくすることが出来よう。H.influenzaeによる髄膜炎は大抵5才未満の幼児に突発するが、中でも1才未満が発病年令のピークを示す。耳鼻咽喉科領域の疾患に引き続いて起こることが多い。予後は髄膜炎菌と肺炎球菌による化膿性髄膜炎のそれの中間に当たる(死亡率20-40%)。
フランスではH.influenzaeの25%が、β-lactamase産生によりpenicilline 系耐性(penicilline G, ampicilline)で、治療上問題となっている。発展途上国ではβ-lactamase産生H.influenzae株の割合は不明である。ニジェールとマリでは最近調べた68例で、その割合は17.6%だった。cephalosporine第3世代はβ-lactamase産生H.influenzaeに対して非常に有効だが、薬価が高過ぎて使えない。chloramphenicolは有効なことが多く、治療選択剤である。治療期間は15日ほどで、髄液の正常化を確認する。

 リステリア属
Listeria monocytogenesは、フランスでは原発性の細菌性髄膜炎の起炎菌で第3位を占める。発展途上国でも見られるが、その頻度はよく解っていない。乳幼児や免疫不全の者が普通最も多い。化膿性髄膜炎を起こすことは少なく、その時の髄液は清明、リンパ球優位、糖分低下で、結核性髄膜炎との鑑別が必要である。亜急性に発病し、意識障害、脳幹部(菱脳炎)を認める。
治療はampicilline にaminosideまたはchloramphenicolを併用し、3週間続ける。

その他の菌
新生児の細菌性髄膜炎は、Scherichia coli, Listeria monocytogenes, Streptococcus agalacticae(B群)の3菌が特に多い。成人と青年には(サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌などの)他の細菌が髄膜炎を引き起こすが、髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌が化膿性髄膜炎の3つが起炎菌の90%以上を占める。

 
治療薬選択の指針(gidelines of drug choice)

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