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症状
 皮膚糸状菌症は皮膚と皮膚付属物に発症する。
 体毛の少ない部分の病変:体の末端の皮膚表面に不全菌類が付着する。病変の縁辺部が活動性が高い。何種類かの臨床症状が認められる。
体部白癬は白癬(Microsporum, Trichophyton) 性の疾患で、皮膚に紅斑性鱗屑性の円形斑を遠心性に形成する。病変は中心が暗褐色のばら色で、縁辺に小水泡があり、鱗屑と治癒部が認められる。毛髪部に頭白癬(M.canis) を合併することがある。渦状癬(同義語:Tinea imbricata)はT.concentricumにより、東南アジア、ラテンアメリカ沿岸部に見られる。これは落屑性表皮菌症の一種で、鱗屑が唐草模様状に並んで、花形記章またはメダイヨン(大型メダル)様の同心円の病変を形作る。
 Hebra頑癬(eczema margine de Hebra) は一般にT.rubrumまたはE.floccosumにより、皮膚の屈曲部、特に鼠径部に多い。経過はだらだらと長く、重感染や湿疹化、苔癬化する。鑑別すべき疾患に、コリネバクテリア症(Corynebacterium minutissimum)による紅色陰癬がある。これはカフェオレ調の蝶の羽根の形をした大型の斑が、腋窩や鼠径部に生じる。もう一つは酵母性の間擦疹(Candida albicans、がっ口瘡カンジダ)である。
 《アスレート足》(いわゆる水むし)は指間の肉付きの少ない部分に、落屑性の病変を作る。浸軟な皮膚、靴の中、多湿の気候を好む。これも皮膚糸状菌症の1つで、酵母や細菌の重感染を伴うことが多い。体毛の少ない部分の皮膚糸状菌症は非定形的な病変を作ることがあり、鑑別診断が困難なことがある。

皮膚付属物の病変:不全菌類は殆どの毛根を除く有毛部の角質形成層に侵入し、その成長に応じて毛髪部、体毛部、爪を冒す。
 頭髪部の頭皮白癬は熱帯に広く見られ、小児に多い。
小胞子菌による頭白癬はMicrosporum audouin(オーズアン小胞子菌), M.canis感染したイヌ・ネコからの家族感染例で小児に多い), M.ferrugineum(アジア、アフリカ)がある。これらは有毛部の皮膚に、ばら色の小病変をまず作る。さらに4-6cm大の円形または楕円形の斑が、時には痘瘡状に出来る。斑は灰白色調で、粉状の鱗屑を生じる。毛髪は殆ど全て痛んでおり、そこに3-4mm大の斑を作る。毛髪は白髪となり、Wood灯(紫外線)で蛍光を放つ。斑の外側の毛髪は正常である。思春期に永久脱毛なしに自然寛解する。
白癬菌性の頭癬は、T.violaceum, T.soudanense, T.tonsuransといった異なる種で起こる。脱毛斑は小型で多数あり、上をふけが覆い、健常の毛髪とWood灯で蛍光を発する感染した毛髪が混在する。
 黄癬(ラテン語で《蜂蜜菓子》の意味)はTrichophyton schoenleiniiによって引き起こされる。感染力が強く、幼年期に多く、成人まで持続する。北アフリカでよく見られる。紅斑で初発し、次第に灰色または濁った黄色の、数mm大の円形の殻斗(植物)の形をした《黄癬性の盃型》を呈し、そのまま皮膚に炎症を与える。毛髪は横に倒れて、永久脱毛になる。
 皮膚糸状菌性の爪床炎は爪の縁辺(自由縁)に発症し、爪は薄くなったり厚くなったりして角が脱落する。カンジダ症で起こる爪周囲炎は生じない。黄癬性爪床炎は、爪の自由縁の下面に黄色斑が出来始め、次第に浸潤する。
 髭と体毛の化膿性白癬(kerion de Celse,禿痘)はT.mentagrophytesが原因であることが多い。本症ではマカロン菓子様の円形の炎症病変が規則正しく浸潤する。
 皮膚に病変を作る白癬は、全ての型のアレルギー性糸状菌症に関連することがある。これは初感染巣の二次的病変で、白癬菌へのアレルギー性の皮内反応である。
 
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