Sorry ,This page is written in JAPANESE. English version is not available

症状


  普通メジナ虫症が進行しても、皮膚に雌成虫が到達するまでは無症状である。
  虫が産出を始めると、フリクテンから水疱が形成される。これ以前に局所の掻痒と、時には熱発、喘息様呼吸困難、膨疹といったアレルギー障害がある。この段階で、皮下に紐状または紐塊状に虫体を触れることがある。浮腫状の炎症反応により、これが隠蔽されることが少なくない。皮膚が破れ、合併症がない場合には、虫は少しずつ排出され、皮膚病変は数週間以内に表皮に現われる。
  複数の虫が感染していることは半数と頻繁である。一人から20を越える虫体を取り除くこともあり、この場合数ヵ月時間が前後して表出する。その数が多いほど、また部位によって重症度が変わる。およそ90%の症例で虫は下肢に表出し、特に足の外か部に好発する。このような症例は習慣性移行と呼ばれる。
  罹患率はこの移行で変化することがある。
 
 組織内虫体死と石灰化:経過中に駆虫せずに自然寛解することがある。組織内で虫が死に、そのまま数ヵ月後にそれが石灰化する。これは回復型となる。
 
 表皮穿破と幼虫の排出:経過中にふつう虫が皮膚を破る。まず掻痒があり、次にフリクテンが下肢の任意の部位、特に外か部に出来る。水疱が破れると混濁した液体が流出し、小さな潰瘍底に雌虫の前端が見える。水と接触すると、乳白色の漿液と共に幼虫が排出される。細菌感染の合併がなければ、虫は約10日で死に、多少容易に除去出来よう(図1)。
図1

 感染後の経過:皮膚には長く曲がりくねった虫の寄生部に感染が生じれば、広範な表皮破壊が引き起こされ、熱発する。細菌性であれば、リンパ管性糸状虫 症と同じように所属リンパ節炎がいつも認められる。この感染は下肢または足の蜂巣炎によくつながったり、以前に虫が開けた穴によって別の部位に化膿性の合併症を引き起こす。この型には外科的な処置が適応となる。アフリカの真っ只中では破傷風が突然発症することがしばしばある。
 
 虫の子宮の自然性または傷害性破裂:子宮が破裂すると、幼虫が近隣の組織へ広がることになり、広範な非開放性の表皮剥離を起こす。このような破裂は虫体を取り出すのが稚拙であると生じやすい。虫体を排出後、局所に重篤な炎症症状を引き起こすことがあり、病変部は感染に弱い。
 
 隣接する関節への合併症:虫が入り込んだ部位の近くの関節に、非化膿性反応性関節水腫を生じる。時折虫が関節腔内に侵入し、やはり非化膿性関節炎を起こすが、関節液は幼虫以外は含まれない。希に関節滑膜瘻が生じ、虫体に因り軟部組織に膿瘍が出来ると、化膿性関節炎の危険がある。場違いな部位への関節強直は、今日では例外的である。
 
 蝟集性拡大:移行症や単純寄生は比較的頻繁である。メジナ虫は顔面、首、舌、上肢、肩、背部、乳房、さらには外部生殖器に症状を呈し、陰嚢内の組織に入り込んで、陰嚢内や近傍の精索に嚢胞を形成する。陰嚢に壊疽を引き起こすこともある。皮膚外に逸脱して、肺実質、胸膜(好酸球性胸膜炎)、後腹膜、膣部、腹膜内に侵入する。潰瘍性或いは閉塞性の症候群をもたらす。メジナ虫の侵入から硬膜炎に因る骨髄の急性圧迫を呈した例が報告されている。

1.

 


熱帯医療データベースに戻る

AMDAのホームページに戻る


      このページは、アムダ企画のご協力により作成されました。

            お問い合わせはmember@amda.or.jpまでお願いいたします。