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症状と診断
  肝蛭症の経過は2期にわたる。侵入期は幼虫が移行するのに一致し、安定期または発症期は胆道系に成虫が寄生することに因る。
   侵入期:摂食感染後1-4週して始まり、ふつう肝に感染性中毒症状を引き起こす。中程度の不順な熱発が遷延し、全身状態の変化が伴う。右季肋部や心か部痛が後方と上方に放散し、アレルギー症状(蕁麻疹、皮膚描画症、喘息様発作)、潜在性黄疸、軽度の肝腫大が所見となり得る。時おり肺(Loefflerの肺浸潤)、神経(多形性・一過性の症状)に紛らわしい所見が現われる。この侵入期は軽微であったり潜在性であったりする。全ての症例で診断は補足的検査に依る。血算では白血球増多と50%を超える好酸球増多が認められ、よい指針となる。
腹腔鏡と肝生検は吸虫性肉芽が明らかとなり、利点がある。一方、免疫学的検査で、実際的にはこの段階で診断確定する。補体結合阻止反応、血球凝集阻止反応、それにしばしば寒天内免疫沈降反応と免疫電気泳動(特異的な二重円を描く)、肝吸虫の凍結虫体を用いた間接的免疫蛍光法がより迅速で特異的である。もしも診断が確定し、早急に治療を開始すれば、予後は良好である。逆に初期に吸虫症が見付けられないと、安定期に移ってしまう。
   安定期:吸虫はこの期において、胆道系に腺腫様の反応をもたらし、急速に重感染を引き起こす(図1・胆管内の虫体)。肝の仙痛性発作には遷延性黄疸があり、胆管胆道炎を起こす。しばしば胆管結石と診断され、外科的精査がなされる。原因となる寄生虫を発見すれば、診断が修正される。吸虫症を考えるなら、糞便検査か十二指腸液を調べて虫卵(図2・a)を認めれば、診断は容易である。この虫卵は明るい褐色調で、円形で大きく(120-130 μm )、小蓋があり、卵割球が分節化し屈折性に乏しい。ヒツジや小ウシの肝吸虫を摂取した後に見られる、透明な虫卵とは混同されないだろう。
 
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