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診断


 寄生虫学的直接診断:糞便中に虫卵を認めることだが、例外的に肝実質、喀痰、或いは脳脊髄液内にも見られる(糞便中の虫卵数は僅少で不定のため、しばしば検便は繰り返し行なう必要がある)。虫卵は球形で側面に小さな突起を1つ有すが、容易に見逃される。
 
 間接診断:血中の好酸球と抗体値は、他の住血吸虫症と同様に様々であるが、これらの数値は往々にして上昇している。
 
 インターカラーツゥム住血吸虫に因る住血吸虫症 CIM 120.8.
  安定期には直腸病変が主体である。下痢は時おり粘血性で、直腸か結腸に仙痛があり、テネスムス、脱肛を見る。直腸鏡では、S状結腸−直腸移行部に腺乳頭腫型の炎症性偽性ポリープを認める。これほど非特異的でないが、浮腫、充血、潰瘍も同じくらい存在する。陰部所見も希でない。付属器にも進展することがある。
 
 診断
  糞便中または直腸生検でS.intercalatumの虫卵を見付ける。肝や生殖器に虫卵を見ることは極めて希である。虫卵は酸アルコール耐性で、 S.haematobiumに虫卵と鑑別が可能となる。
 
 ヒトの住血吸虫症に共通の合併症
  希に心肺系、神経系、皮膚への合併症を起こすが、慢性の住血吸虫症では虫卵は事実上(胎盤を含め)全ての臓器に見つかる可能性があることを知っておかねばならない。
 
 心肺系の住血吸虫症:S.japonicumS.mekongi に因る住血吸虫症では、肺動脈への虫卵の排出が大量のため、また門脈圧亢進症の症例では門脈−大静脈の吻合がきちんと出来上がっているため、かなり頻繁に見られる。時には1対の住血吸虫が肺動脈を閉塞することがる。
  組織学的には動静脈吻合と新生血管を伴う(繊維性肉芽の存在に因る)動脈閉塞があり、臨床上は呼吸困難と右室不全の徴候を見る。放射線学的には肺動脈の拡大と末梢の明るい肺野を呈す。カテーテル検査では動脈と末梢の遮断が確認される。これの経過は回復の期待が持てず、右心不全を示すことになる。
 
 神経系の住血吸虫症:S.mansoniS.japonicum で時おり認められる。これは脳脊髄の血管への寄生虫の迷入か虫卵の塞栓に因るものである。進行型は頭蓋内圧亢進或いは延髄部の減圧を伴う偽性腫瘍の症候を呈す。急性型では痙攣発作または横断性脊髄炎を生じる。
 
 皮膚の住血吸虫症:ビルハルツィオーマの他に、外部生殖器の潰瘍が見られる。(しばしばS.haematobium によって)大小の円形で膨隆した、表面が滑らかな、無痛性、非痒性の丘疹が臍周囲や胸部にも出現する。
 
 サルモネラ症と住血吸虫症:サルモネラ属は住血吸虫の成虫表面とその消化管に不着することがあり、抗生剤が殆ど移行しない。腸管や尿路系の慢性保有者では住血吸虫がずっと多いようである。サルモネラ症と尿路住血吸虫症の合併は主としてエジプトからの報告である。本症の大半は放射線学的に発見可能なものである。菌型としては多い順に、S.paratyphi A, S.typhi, S.paratyphi B または Cで、この他のサルモネラは極希である。排菌は検出可能で、抗生剤を抗住血吸虫剤に併用する。
 

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