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寄生虫学的直接診断


 後部に特徴的な突起のある S.haematobiumの虫卵を検出することである。週齢第6週以降の虫でないと、産卵が認められず、侵入期には直接的寄生虫学的検査は無効なことを念頭に置く。生きた虫卵を見付けることは大切である。生きた虫卵が住血吸虫症の進行を証明し、その中には周囲に可動性の繊毛と線毛をもつミラシジウムを内包する。これが低浸透圧で30℃に置かれると、1時間以内に孵化する(ミラシジウム孵化試験)。死んだ虫卵は中のミラシジウムが動かず形が不整か、肉芽中のものは不明瞭で、石灰化したものは黒い影(黒色虫卵)となる。
   S.haematobiumの虫卵を尿中から調べる場合は、24時間蓄尿か早朝尿を遠心分離または膜濾過する。場合によっては糞便も調べる。直腸生検は診断上優れた方法である。直腸鏡では Houston弁の周辺粘膜に小片を認める。これが(肉芽または潰瘍性の)本病変で、直腸前面にもある。固定せずに2枚のスライドガラスで押し潰して、隙間をクロラールかラクトフェノール性のゴムで密封して、顕微鏡で観察する。この手法だと、粘膜表面が正常であっても時折陽性となる。膣や子宮頚部の掻爬標本、肝生検標本、虫垂・付属器・副こう丸の切除標本、喀痰塗抹標本でも虫卵を調べることが出来る。生検組織の Ziehl染色は、 S.mansoniS.intercalatumの虫卵が酸−アルコール耐性であるのに対し、S.haematobiumの虫卵は不耐性なので、鑑別に用いられる。

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