2007年3月29日
3月25日発生した能登半島地震被災者支援のため、26日、岡山を出発したAMDA調査チームは、同日深夜七尾市に到着し、27・28日、被災地の輪島市で調査を行なった。
輪島市ふれあい健康センターなどによると、輪島市内の介護施設は、建物の大規模な損壊などの被災は免れ、地震によってショートステイを余儀なくされた19人の高齢者の健康状態も問題がないとのことであった。介護スタッフの不足もないことがわかった。
輪島市門前町内に設置された医療救護本部の介護担当者によると、26日から保健師による各家庭への戸別訪問が開始され、地元の医師や看護師らによって各避難所の巡回も実施されていた。270人の避難者(27日当時)を収容していた門前西小学校では、炊き出しや電熱を利用した床暖房が行なわれ、医療従事者の常駐とともに、生活面と医療面で、自治体は迅速な対応を行なっていた。また、開業医の大きな被災は伝えられていないとのことであった。AMDAは、報告を元に検討した結果、現時点での専門職派遣などの実施は見合わせることを決定した。
余震により今後被害が拡大する可能性もあり、情報の収集と派遣準備は継続する。
被災地の様子(輪島市門前町) 避難所で調査を行う館野調整員(門前西小学校)
1.実施概要
1)介護老人保健施設の被災状況、ニーズ調査
2)開業医の被災状況、ニーズ調査
3)避難所の被災状況、ニーズ調査
2.期間
3月26日〜28日
3.派遣先
石川県輪島市など被災地
4.派遣者(AMDA調査チーム)
○佐藤 克義(さとう かつよし) 介護福祉士 介護老人保健施設すこやか苑
医療法人アスカ会災害救援室室長
倉敷市在住
○館野 和之(たての かずゆき) AMDA調整員 岡山市在住(静岡県出身)
AMDAでの緊急救援活動:2006年5〜6月ジャワ島中部地震緊急救援活動
7月 ジャワ島津波緊急医療支援活動
12月 フィリピン台風21号緊急医療支援活動
<国内での主な支援活動>
新潟県中越地震では、2004年10〜12月、AMDAは、岡山県老人保健施設協会(岡山老健協)と共同で小千谷市の老人保健施設『春風堂』にて、介護を必要とする高齢者を対象に支援を実施した。
AMDAは海外の緊急救援派遣の経験を活かし事務局機能と調整員の派遣を担当し、岡山県老健協は介護福祉士、看護師、作業療法士等の専門職の派遣を担当した。延べ23人の専門職を含め、総計46人が参加したビッグプロジェクトであった。<新潟県中越地震に対する支援活動>
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