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AMDA速報 バングラデシュ洪水被害に対する緊急救援活動
 
バングラデシュ洪水被害に対する緊急救援活動 4
 
 
 
2004年9月2日

帰国報告会を行いました

 8月31日、鈴木俊介(海外事業本部長・写真左)と岡崎裕之(海外事業本部 調整員・写真右)が、バングラデシュで実施しているAMDAのプロジェクト、今回の洪水の状況と村人の様子やAMDAが行っている救援活動の概要について報告しました。

 7月上旬に発生した洪水は、次第に深刻な被害をもたらしました。AMDAは、ムンシゴンジ県ガザリア郡において、7月下旬に洪水被災者への救援活動を開始し、AMDA職業訓練所を避難所として提供したり、ボートによる巡回診療を行いました。

 8月中旬、水が引き始め、職業訓練所に避難していた人々が全員自宅に引き上げた時点で、通常の事業を再開し、緊急救援と並行して行なうことにしました。

 今後は、8月末までに被災状況を調査し、引き続き以下のような対洪水支援活動を行っていく予定です。
  1) 巡回診療(増加傾向にある感染症へのケアと保健衛生教育の徹底)
  2) 飲料水巡回供給(下痢症蔓延の防止を目的に安全な飲料水の提供)
  3) 家屋再建支援(生活復興の支援)

 毎年発生する洪水の被害を最小限にくい止められるよう、AMDAでは本来の事業である職業訓練やマイクロクレジットプロジェクトでのワークショップを通して、住民自らが対策を考える機会を提供していきます。

 引き続き、皆様のご支援をお願いいたします。

 
バングラデシュ洪水被害に対する緊急救援活動 3
 
 
 
2004年8月28日

<帰国報告会のお知らせ>

 7月上旬よりバングラデシュ全土に大規模な被害をもたらした洪水は、7月末をピークに徐々に水が引き始め、最悪の状況を脱しました。
 このたび、現地ムンシゴンジ県ガザリア郡(首都ダッカの南約50km、人口約14万人)で、人道支援活動に従事していた職員が帰国しましたので、バングラデシュの洪水の状況と村人の様子、AMDAが実施している救援活動の概要について、ビデオを交え、ご報告する機会を設けました。
 皆さまのご参加をお待ちしております。

日時 : 2004年8月31日(火)14:00〜
場所 : すこやか苑4階 多目的ホール
      (岡山市楢津310−1 AMDA本部隣接)
報告者 : 岡崎 裕之(海外事業本部 調整員)
       鈴木 俊介(海外事業本部長)

<被害の状況>
 8月10〜15日時点でほぼ平年並みの水位に下がった。雨季はまだ明けておらず予断を許さない状況ではあるが、最悪の状況は脱した。AMDA職業訓練所に避難していた約100名の被災者も8月13日までに全員各自の家に戻り、8月20日現在、通常の生活を取り戻したように見える。
 しかし、稲・野菜など収穫を控えていた農作物は壊滅的な打撃を受けており、次の収穫時期までの数ヶ月間農民にとって非常に厳しい生活を強いられることになる。一方、養殖池が多数崩壊したことによる被害はガザリア郡だけでも数千万タカ(1タカ=約2円)以上と見積もられている。建物や所有物への被害も甚大であり、家屋の再建や浸食された土壌の修復を含めた復興には今後数ヶ月を要する。また、井戸が冠水して汚水が混濁してしまったため、安全な飲料水の確保が難しい状況であり、感染症・下痢症患者の増加が懸念されている。
 今後、生活復興や保健衛生における一層の支援が必要となる。

<AMDA活動状況>
 7月23日より緊急救援活動を開始。7月26日よりAMDA職業訓練所にて受け入れた避難民はほぼ満員の100名にまで至った。7月31日には水の塩素消毒液48リットル・米など100kg・ビスケット200kg・非常食100kg・経口補水液(ORS)約2,600パックなどをAMDA職業訓練所内の避難民や他の避難所に配布した。
 8月1日より巡回診療を実施しているが、徐々に下痢症患者が増加しており、手洗い励行やトイレ使用等に関する保健衛生教育に重点を置いている。また、浄水をタンクに詰めてボートで巡回して飲料水を供給すると共に、塩素消毒液を配布して利用を推奨し、下痢症患者の蔓延防止に努めている。現在、被災度や生活状況を調査しており、最も困窮している貧民層への支援として、損壊住居やトイレの再建を9月より開始する。

【写真】
  AMDAの被災者への救援活動(上)
  AMDA職業訓練所に避難する人々(下)


 
バングラデシュ洪水被害に対する緊急救援活動 2
 
 
 
2004年8月2日

 7月上旬の降雨によりバングラデシュ各地で発生した洪水は、過去最悪の被害をもたらした1988年や98年の洪水に匹敵すると言われ、全国64県のうち41県が浸水するという大規模なものとなった。
 8月1日、AMDAは、現地職員の医師たちによる巡回診療を開始した。ガザリア郡(首都ダッカの南約50km)に数ヵ所設置された避難所を訪れ、患者への応急処置、無料診療、下痢症患者に対する薬品や経口補水液(ORS)の無料配布を行っている。この日だけでも約200人が訪れ、予想していた通りほとんどが下痢症患者であった。また、約1,000人の避難民を受入れているホッシンディ高校(同郡)では、同日約150人の患者を診療した。今後、下痢症患者の増加は数週間続くと予想されている。
 7月31日には、AMDAは第一次救援物資として、水の消毒用塩素48リットル、米など100kg、ビスケット200kg、その他非常食100kg、ORS約2,600パックなどを同郡にあるAMDA職業訓練所内の避難者や他の避難所に配布している。
 AMDA職業訓練所には、7月26日に最初の避難家族を受け入れた後も続々と避難者が訪れ、30日にはほぼ満員の約100人となった。避難者の家屋は大人の胸から首のあたりまで浸水し、生活が続けられる状態ではない。
 ガザリア郡での被災者数も数千人に達すると予想され、AMDAは今後も上記の緊急医療支援を続けていく。現地には、AMDA職員の大野伸子が派遣されており、AMDAバングラデシュ支部と協力して活動を行なっている。

≪被害の状況≫
 7月末時点で、既に3千万人が被害を受け、10万人が避難者となり、死者の数は500人以上とバングラデシュ政府が公式に発表した。しかし、実際の被災者や死者数はそれ以上であると言われている。ダッカ市内も40%が浸水し、避難してきた大勢の人々が路上生活者となり、8月2日現在も救援物資を待ちながら暮らしている。
 北部では既に水が引き始めたため、下痢症患者の爆発的増加が伝えられている。8月1日までに全国の下痢症患者の総数は2,960万人になった。下痢症の蔓延は今後南部にも拡大していくものとみられている。7月29日にはカレダ・ジーア首相も国際的な支援を呼びかけた。


 
バングラデシュ洪水被害に対する緊急救援活動 写真更新
 
 
 
 
2004年7月27日

【写真上:AMDA職業訓練所に来た被災者 中:被災地の様子 下:避難してきた人々】
 
バングラデシュ洪水被害に対する緊急救援活動
 
 
 
2004年7月25日

 バングラデシュでは、7月上旬の降雨により、各地で洪水の被害が発生し、首都ダッカも浸水した。7月22日の時点で各地の死者は185人を数え、19,022,600人が被害を受けたとされており(注1)、実際の被害はそれを上回るものと思われる。AMDAでは、現地のAMDAバングラデシュ支部(注2)の報告を受け、バングラデシュでの緊急救援を実施することを決定した。

1. 緊急医療支援:
通常のヘルスセンターでの診療に加え、ボートによる巡回診療、世帯訪問による保健衛生指導、医薬品の配布、重篤患者の搬送等を行なう

2. 避難家族の収容:
7月24日の時点で、洪水のシェルターを兼ねるAMDA職業訓練所に、既に約50名の避難家族を収容した。今後も必要に応じ受け入れる予定である

現地には、

大野伸子 (おおの のぶこ) AMDA職員
東京都出身 

が派遣されており、AMDAバングラデシュ支部と協力して活動を行なっている。

 現在水位上昇は小康状態であるものの、依然雨は降り続いており、8月初めの大潮を控え、ベンガル湾の高波の被害が懸念されている。現時点では、特に汚染された水を原因とする感染症の蔓延を防ぐための活動に重点を置くと同時に、冠水が長引いた場合、AMDAは食糧支援を行なうことを検討している。

(注1)UNOCHA (UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs)Relief Webによると、151,142軒の住宅が全壊、1,223,050軒の住宅が被害を受け、その他458軒の学校が全壊しているなどの情報がある

(注2)AMDAバングラデシュ支部
1998年バングラデシュ史上最悪の被害をもたらした洪水の緊急救援活動をきっかけに、1999年より保健医療、小規模融資(マイクロクレジット)、職業訓練から成る農村総合開発事業をムンシゴンジ県ガザリア郡で行なっている。


 


 
 

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