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AMDA International

 

AMDA(アムダ) International
 
AMDA海外支部
 
   「多様性の共存」を理想としたAMDA支部が世界に29カ国あります。これらの支部は、AMDAの現地での活動に協力してもらったり、災害発生時に多国籍医師団を構成して医療支援を行ったりするためのネットワーク網なのです。また、支部を組織することで、海外の情報がより有利に収集できるという利点があります。

  アルバニア
バングラデシュ
ボリビア
カンボジア
カナダ
コロンビア
ガイアナ
ホンジュラス
インド
インドネシア
カザフスタン
韓国
コソヴォ
マレーシア
モンゴル
ネパール
ニュージーランド
パキスタン
ペルー
フィリピン
ルワンダ
サハ共和国(ロシア)
スリランカ
ボスニア・ヘルツェゴビナ
スーダン
台湾
ウガンダ
ベトナム
ザンビア

 



 
2006年度AMDA International の方針
 
AMDA代表 菅波 茂

 2005年11月11日から2日間マレーシアの首都クアランプールに11ヶ国のAMDA海外支部長の参加の元に開催されたAMDA International国際会議で決定された項目について報告します。
   1)新執行部発足
   2)AMDA多国籍医師団活動の強化
   3)次世代の人材育成推進
   4)国連外交開始
   5)フィールドスタディプログラムの整備
 まず、「新執行部の発足」について紹介します。2名の副代表の一人としてカナダ支部長のウイリアム・グラット医師が任命されました。主な役割は北米と中南米を合わせたアメリカリーグの強化と発展です。2005年には米国南部を襲ったハリケーン「カトリーナ」や中米グアテマラを襲ったハリケーン「スタン」、パキスタン北部地震などの自然災害が相次いで発生しました。AMDA多国籍医師団活の円滑な活動のためには各国に支部を増やすことだけでなくアメリカリーグとしてのコミュニケーションの確立など多くの業務が残っています。沖縄支部の中南米における災害被災者救援活動との整合性の昇華も重要な要因です。もう1つの大切なことはAMDAが本年から開始予定の国連外交の場である米国との関係です。等身大の米国を知っているウイリアム・グラット医師の助言は不可欠と思っています。
 もう一人の副代表として2年後にAMDA International国際会議開催地に決定した、インド支部長のM.H.カマト医師です。インドは東南アジア、南西アジア、中近東での紛争や災害に関する地理的要所に位置しています。かつてのバンドン会議に参加したアジア・アフリカの国々に大きな影響力をもっています。何よりもポスト中国として浮上してきています。次期国際会議開催までの2年間はインド支部強化に務めます。
 2つある常任委員会の委員長が決まりました。緊急人道支援委員会の委員長はインドネシア支部長のA.H.タンラ医師、社会開発委員会にはネパール支部長のラメシュ・アーチェリア医師が選ばれました。ご承知のようにインドネシア支部はネパール支部と共に最も積極的にAMDA多国籍医師団に医療スタッフを派遣しています。また、ネパール支部は世界で初めてのNGOによる医科大学構想を推進しています。
 次に「AMDA多国籍医師団活動の強化」について紹介します。紛争や災害被災者救援活動に大切なことは、悲しみの共有と死者に対する敬意です。
 2000年から第二次世界大戦で亡くなられた方々への慰霊のために始めたASMP:AMDA「魂と医療のプログラム」〔詳細はこちらをご覧下さい〕を、200年に1度と言われる大規模災害だったスマトラ沖地震・津波被災者救援活動を契機に、AMDA多国籍医師団が救援活動を行なった3カ国の災害被災者にも拡大することに決定しました。国際社会は宗教抜きには語れません。2005年12月に、インドネシアのバンダアチェ、スリランカのカルムナイそしてインドのチェンナイにおいて、日本からの聖職者と地元の聖職者との合同慰霊謝意を実施しました。
 また、AMDA多国籍医師団が活動した災害等被災地には可能な限りAMDA Peace Clinicを設置・運営し、日本の支援者からのメッセージを伝え続けることになりました。
  「被災地発緊急人道支援活動」を実現するために、AMDA海外支部は自国内で解決できる災害が発生した時に本部支援の決裁を待たずに独自に災害救援活動の開始ができることを決定しました。ただし、原則として予算枠が決められています。ドナーに対する説明義務、運営責任そして透明性が当然の義務となっています。「救える命があればどこへでも」というスローガンの実施のためにAMDA Emergency Fundに対するご支援を広く関係者の方々にお願いする考えです。
  「次世代の人材育成推進」について説明します。AMDAも1984年に発足して以来、本年で22年になります。各国支部長の平均年齢も50歳台です。各国における社会的存在と影響力も確保してきています。10年後には一層の社会的活躍が期待できます。それと共にAMDA Internationalの活動を担う次世代の育成が急務になってきました。とりあえず、2つの常任委員会委員長の支部から若いスタッフを本部にインターンとして迎えることを検討していくことになりました。何よりも大切なことは、「A global network of Partnership for peace with Sogo-Fujo Spirit through Projects under Local Initiative」というAMDAの理念と使命をしっかりと理解して日常活動に反映してもらうこと。そして日本に対する理解を深めて親日になってもらうことです。
  「国連外交開始」について説明します。2006年は現在の国連協議資格SpecialからGeneralへの取得をめざしています。Generalは議題提出権があります。取得が可能になった際にはニューヨークとジュネーブに事務所機能を開始したいと思っています。国際社会では沈黙は存在していないことを意味しています。AMDAの理念と使命に基づいて各国支部や姉妹団体からの積極的な議題を国連の場で提出できる日を夢見ています。
  「フィールドスタディプログラムの整備」について説明しますAMDA各国支部はフィールドの現場を持っています。そしてすばらしい医師達やスタッフが活躍しています。AMDA設立22年間の歴史の蓄積であり財産です。21世紀を担う日本の若者のために日本では準備できない教育の場として整備をする予定です。国際理解や国際交流のみならず国際社会における問題解決能力の養成に役に立てれば本望です。AMDAの使命は「平和へのパートナーシップ」という人間関係の世界規模のネットワーク形成です。原点は共に苦労をすることです。苦労を共にするためにはルールがあります。ローカルイニシアチブを尊重することです。歴史、文化、宗教そして共同体に関する見識は不可欠です。それに加えて平和、人権、公正などのコンセプトの理解と実践が伴わないと真の問題解決能力は期待できません。国際社会における問題解決能力は当然のことながら日本国内における問題解決能力としても役に立つと考えています。




第19th AMDA International 国際会議を終えて

 2005年11月11・12日、マレーシア、クアラルンプールにおいて第19回AMDA Internationalの国際会議が行われました。1984年の初開催から現在まで(2001年まで毎年、その後は隔年)AMDAの各支部が開催国となって途切れることなく続いてきたAMDA International の国際会議は、世界中に散らばる"AMDA International"というファミリーの確固たる絆と広がりを表していると言えそうです。本年は本部である日本を含めて12の支部から代表が参集し、通例どおり、一日目は医師・専門家としての活動に関する専門的発表を交換するアカデミック・コンファレンス、二日目はAMDA International としてのビジネスミーティングを行いました。
 今年度のアカデミック・コンファレンスのテーマは"ASSISTING SOCIAL RECOVERY FROM CATASTROPHIC DISASTER"--大災害後の社会復興支援でした。この言葉が示すとおり、AMDA Internationalの視野が、医療という一つの枠を越えて、被災者の精神面や社会面のケアを含めた総合的な人道支援へと広がっていることが、会議全体を通じて痛感されました。2004年末インド洋津波という未曾有の大災害に際した緊急救援を経験し、その後の復興活動を続けてきたAMDAのメンバー達にとって、このテーマは被災地の人々の紛れもない現実であり、これを共有しながら活動している実感が各報告にはあふれていました。
 2日間という時間は短い時間でしたが、各々医師として地域の指導者として超多忙な日々を送られている各支部の先生方が、遠くはスーダン、コソボから遥々クアラルンプールに集まる時間を捻出するのは容易ではありません。ですから、その中で、意見を交わし、報告を行い、情報交換し、そしてお互いの信頼や友情を確かめ合う貴重な機会が、より意味深いものなのであり、長年にわたって育まれてきたこの信頼あってこそ、まさに緊急救援という逡巡の余裕も許されないときに、助けの手を差し延べあえる力強い関係があるのだと感じる会議でした。                               (大林純子)

 



 
 

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