第19th AMDA International 国際会議を終えて
2005年11月11・12日、マレーシア、クアラルンプールにおいて第19回AMDA Internationalの国際会議が行われました。1984年の初開催から現在まで(2001年まで毎年、その後は隔年)AMDAの各支部が開催国となって途切れることなく続いてきたAMDA
International の国際会議は、世界中に散らばる"AMDA International"というファミリーの確固たる絆と広がりを表していると言えそうです。本年は本部である日本を含めて12の支部から代表が参集し、通例どおり、一日目は医師・専門家としての活動に関する専門的発表を交換するアカデミック・コンファレンス、二日目はAMDA
International としてのビジネスミーティングを行いました。
今年度のアカデミック・コンファレンスのテーマは"ASSISTING SOCIAL RECOVERY
FROM CATASTROPHIC DISASTER"--大災害後の社会復興支援でした。この言葉が示すとおり、AMDA
Internationalの視野が、医療という一つの枠を越えて、被災者の精神面や社会面のケアを含めた総合的な人道支援へと広がっていることが、会議全体を通じて痛感されました。2004年末インド洋津波という未曾有の大災害に際した緊急救援を経験し、その後の復興活動を続けてきたAMDAのメンバー達にとって、このテーマは被災地の人々の紛れもない現実であり、これを共有しながら活動している実感が各報告にはあふれていました。
2日間という時間は短い時間でしたが、各々医師として地域の指導者として超多忙な日々を送られている各支部の先生方が、遠くはスーダン、コソボから遥々クアラルンプールに集まる時間を捻出するのは容易ではありません。ですから、その中で、意見を交わし、報告を行い、情報交換し、そしてお互いの信頼や友情を確かめ合う貴重な機会が、より意味深いものなのであり、長年にわたって育まれてきたこの信頼あってこそ、まさに緊急救援という逡巡の余裕も許されないときに、助けの手を差し延べあえる力強い関係があるのだと感じる会議でした。
(大林純子)
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