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「善意の絆・相互扶助」【Vol.08】 原 英二氏(岡山県立大学地域研究機構COC+推進室長)

公開日:2018年09月25日
 
倉敷、総社、岡山市などに甚大な被害を及ぼした西日本豪雨。地元の岡山県立大学(総社市窪木)は「日頃お世話になった恩返しに」と全学を挙げ、支援に取り組みました、多数のボランティア学生・教職員を派遣する窓口となった県立大学地域共同研究機構COC+推進室の原英二室長に被災地の印象、ボランティアの内容などを伺いました。
 

AMDA

原室長が所属されている推進室の「COC+」の名称の意味を教えてください。
 

原室長

文部科学省の「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業」の一環で、COC+は「CENTER OF COMMUNITY PLUS」の略称です。「PLUS」はコミュニティーの拠点となる大学が、近隣大学や自治体、経済界、地元新聞社などと連携することにより、さらなる事業効果の向上を狙ったものです。今回のボランティア派遣は、この事業に沿って取り組みました。
 

AMDA

被災された各地でボランティア活動をされたと伺っていますが、県立大学は全学を挙げて総社市で取り組まれました。参加者は何人だったのでしょうか。
 

原室長

保健福祉、情報工学、デザインの全学部の学生と大学院生、教職員が参加し、7月14日から3日間で延べ250人でした。泥水のかき出しやごみの搬出、支援物資の整理などで、猛暑の中、参加者全員が大きなけがもなく乗り切れたことにホッとしています。
 

AMDA

被災地の惨状を見た学生の表情はいかがでしたか。
 

原室長

最初は衝撃を受け、興奮した表情でしたが、よく頑張って活動してくれました。被災者から「ありがとう」とお礼を言われ、達成感が持てたのか、活動が終わった時、全員が充実した顔をしていたのが印象的でした。
 

AMDA

被災した学生もおられたのですか。
 

原室長

十人を少し超える学生の自宅が床上浸水しました。大学側は学費の減免、教科書の無料提供などで対応しましたが、学生ボランティアらも「仲間のために頑張ろう」と一段と意欲が盛り上がったように思います。
 

AMDA

ボランティアは災害現場での作業だけでなく、看護学科の教員らが救護所で熱中症や外傷の措置を施されました。その他にも多彩な取り組みが行われました。
 

原室長

全学による募金活動をはじめ、栄養学科の教員と学生が中心となり、避難されている方々に不足しがちな野菜料理食を提供しました。保健福祉学科では被災した子供の相談支援を実施しました。AMDAと連携し、7月30日から8月15日まで足浴補助にも取り組みました。
 

AMDA

こうした活動は教育的見地からも効果があったのではないでしょうか。
 

原室長

机上の学問ではなく、被災現場で実際に体験したことは将来、学生にとって大きな財産となると思います。また、大学自体がいつ災害に遭うかもしれません。今後、学生の防災意識の向上と定期的な訓練が必要と感じました。

(聞き手・広報担当参与 今井康人)
 
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