1984年設立、国連経済社会理事会総合協議資格NGO 特定非営利活動法人AMDA

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西日本集中豪雨被災者医療支援活動に対する感謝と将来方針

公開日:2018年10月19日
 
AMDAグループ代表 菅波茂

「岡山の災害に関する安全神話が崩壊」した災害でした。具体的には、気候変動による、地震でなく水災害の発生ということです。地震に関しては大丈夫です。なぜなら、日本全国で地下マグマがゼロに近い場所は岡山県吉備中央町と兵庫県の丹波笹山の2ケ所だけですから。世界的には水災害に対する備えがますます不可欠になると思います。

「経験は知識を智慧に昇華させる」。総社市長の的確な判断、職員の迅速な対応、議会の住民を代表する支援、等々。災害支援条例の制定にもとづいた、過去の全国の災害被災自治体に対する職員の派遣に代表される真摯な取り組みの経験が、総社市民を今回の災害から守り抜くことができたと思います。をそれだけでなく、全国からの支援物資を受け入れて、高校生など次世代の若者を主体としたフリーマーケットを発足させて貴重な参加型の経験の場を提供しています。いわゆる市民オール参加型対応体制の確立というピンチをチャンスに変える骨太の発想には感動をします。全国の自治体の未来モデルを彷彿させています。

「情けは人の為ならず、義理となって返ってくる」。相互扶助の原則です。総社市に過去の災害被災でお世話になった全国各地の自治体から職員をはじめとする応援が続々と寄せられました。これが日本の精神風土の原点と思いました。それと共にAMDA南海トラフ災害対応プラットフォームに参加している自治体や医療機関からも人的や物的支援が寄せられました。未来への時系列の相互扶助の具現化です。相互扶助は信頼のネットワークです。

日本の災害被災者医療支援は災害医療基本法にもとづいて行われていました。今回、岡山県健康福祉部の英断により、災害医療基本法に加えて、保険診療の早期導入により次の3点が可能となりました。1)患者とかかりつけ医の関係の早期回復。2)被災した診療機関の早期回復。3)医療ボランティアの医療訴訟対応。この紙面を借りて深く感謝申し上げます。

最後に、水災害は集中豪雨という形で日本全国のどこにでも発生します。まび記念病院で実施した健診車(瀬戸健康管理研究所提供)を中心とした医療支援が主流になると確信しました。診療、検査、処置、医薬品、水、発電、燃料、簡易トイレなどを総合的に編成したAMDA診療車チーム群の形成と全国的な支援体制の確立を急ぎたく思っています。

今後ともに、AMDAの活動に皆様のご理解とご支援をいただければ望外の喜びです。
 
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