「医療は外交力=国際医療貢献フォーラム」構想 – AMDA(アムダ)
救える命があればどこまでも
特定非営利活動法人アムダ
国連経済社会理事会総合協議資格NGO

「医療は外交力=国際医療貢献フォーラム」構想


高谷市長(右から3人目)を
表敬訪問した董雅琴氏(中央)ら

2013年7月22日から26日までの5日間。中華人民共和国折江省寧波(ニンポー)市介護ミッション3名が岡山を訪れた。介護システム、施設整備、人材育成そして介護機器などの視察である。足羽副知事と高谷市長へ表敬訪問、老健施設ゆめの里とオージー技研ショールーム等の視察、新庄村表敬訪問と有機農業視察、香川県の国立小児病院と丸亀市の麻田総合病院視察などのプログラムをこなして帰国。団長の寧波市江東嘉和頤養院院長 董雅琴氏(49歳)は早くから高齢化社会に対する取り組みを展開。 各界からの評価も高い。[pagebreak]近い将来、オージー技研を中心とした介護状況視察ミッションが寧波市を訪問の予定。目的は介護機器を中心とした介護ビジネスの可能性である。ちなみに、岡山と折江省との仲介者は雲南省大地震や四川省大地震の時にAMDA派遣医療チームを受け入れてくれたAMDA上海の河村靖郎氏である。子息は上海にある名門の復旦大学医学部卒の医師である。

中華人民共和国の高齢者福祉の現状を説明したい。上海市は人口の24%が高齢化しておりWHOから高齢化社会として認定。全国レベルでは要介護老人が7%の9000万人、重度要介護老人が3%前後の1500万人と推測。介護状況は30年前の日本の状況にほぼ等しい。中国政府は2012年に全人大で「12-5運動」を国策として決定。社会福祉を含む12項目を次の全人大が開催されるまでの5年間で実施。年間予算は660兆円の17%。驚くべし。軍事予算の17%と同格である。国を挙げての一大事業である。社会格差の改善も大きな目的である。日本は40年間の蓄積と500兆円の予算をつぎ込んで、世界で最も先進的な高齢者福祉体制を整備。このことこそ折江省寧波市介護ミッションが、高い医療と福祉レベルに加えて、日本をリードする介護機器企業のある岡山市を訪れた理由である。

「医療は外交力」である。日本と中国の関係は尖閣諸島をめぐって先鋭化している。国益の問題である。政治的紛争である。一方、医療の使命は「人の命を助けろ、救え、見放すな」である。この命題に反対できる国もなければ団体も個人もない。医療はいわゆる政治を超えた外交力を発揮できる。ただし、「医療の外交力」は人間関係が基本となる。即ち、人間としての信頼無きところに「医療の外交力」の持続力は乏しい。
岡山には「医療の外交力」を実行している医療人が既に存在する。この人たちを中核とした「国際医療貢献フォーラム」構想を提唱したい。介護福祉などの貢献により中華人民共和国上海市の栄誉市民称号を授与されている江草安彦旭川荘名誉理事長。ベトナムの保健大臣から直接に要請を受けてハノイ循環器センターの医療スタッフ育成をしている佐野俊二岡山大学病院心臓血管外科教授。ミャンマーの保健省と確固たる信頼関係を築きミャンマーの医療人養成に尽力している岡田茂元岡山大学医学部長。動機はさまざまである。常軌を逸した行動力が国境を超えた信頼関係を確立している。日本各地にも国際医療貢献に参加したい方々がたくさんおられる。アジア各国も同様である。天のご配慮である。

世界的な経済混乱に原因する政治の季節が必ず来る。「国際医療貢献フォーラム」構想が世界平和に資することができれば望外の喜びである。