1984年設立、国連経済社会理事会総合協議資格NGO 特定非営利活動法人AMDA

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インドネシア・AMDAマリノ農場からの便り

公開日:2022年01月13日
 
マリノ担当 近持雄一郎
 

インドネシア料理に欠かせない
オーガニック栽培のエシャロット

先頃、インドネシア・南スラウェシ州にある『AMDAマリノ農場』より近況報告が届きました。この農場は、AMDAがAMDAインドネシア支部や現地農家と共同で運営しています。有機農業がこの地で始まって今年で早八年。現地マリノ村では、農作物を有機栽培に切り替える生産者が少しずつ増えており、年を追うごとに有機志向が定着しているようです。

世間では、新型コロナウィルスが依然として各方面に影響を及ぼしています。現地との調整役をお願いしているハサヌディン大学農学部のアグネス・ランピセラ教授によれば、インドネシアでは、農業とテレコミュニケーションの分野のみがコロナ禍で成長を見せているということです。

 

からし菜を植えている様子

コロナの影響もあってか、ここ数年取り組んでいる赤米の売上も以前ほどの勢いはないようです。しかし、在庫が余ることはなく、生産したお米は今年も全て完売する見通しです。一方、野菜に関しては、定番のからし菜やレタス、パクチョイ(チンゲン菜の仲間)、赤玉ネギ、ナスなどに加え、現地のものとは少し異なる日本のきゅうりの栽培も始まりました。

マリノ村では、各農家が自家製の駆虫剤を用意し、「ブンレ」と呼ばれる伝統的な道具を用いて、お米の稲につく害虫を退治しています。勿論この道具の製作も農家自らが手掛けています。

  

稲についた害虫

ブンレを自作しているところ


このほか、稲刈りに関しては、コンバインを用いず、農家が総出で、手で刈り入れを行います。また収穫したお米を精米する際にも、脱穀やもみすりなどの工程を手作業で行います。 


日本ではスマート農業という言葉が聞かれる昨今ですが、マリノ村の農業は、奇をてらわずとも、昔ながらのアナログの良さを誇っています。農作業の効率化から生まれた化学肥料や農薬は、思わぬところで私達に様々な弊害をもたらしました。このような背景により農業が有機へと回帰しているのであれば、マリノ村の農業は、持続可能な未来について重要なヒントを示しているのかもしれません。

最後に、興味深い話題を一つお届けします。マリノ農場の有機米を購入しているクライアントが、現在米粉からマスクを作る試みを行っているようです。このマスクは従来のものより肌にやさしいそうで、ランピセラ教授いわく、「近々詳細を報告できるはず」とのことでした。

コロナが終息するまで、まだしばらく時間が掛かりそうですが、今後ともAMDAマリノ農場への温かいご支援をよろしくお願い申し上げます。
 

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